定年退職後の生活は異世界でした

青山ねこまる

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異世界に行こう準備編

案内役のミミエルさん登場

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 リビングに向かうと、ちょうど優希がお茶を持って入るところだった。

 優希と二人でリビングに入ると、ソファーに座っていた20歳ぐらいの女性が立ち上がった。

 身長は160センチ程か、スレンダーなスタイルで、見た目は白人よろしく透き通った青い瞳と、髪は金髪。少しウェーブが掛かっている髪が肩甲骨辺りまで伸びている。

 街を歩けば10人中10人は振り返ると程の美人さんだ。
 何故かコ○カで売ってそうなビジネススーツを着ている。

 微妙だ。

 私は年甲斐もなく思わず息を飲んで立ちつくしてしまった。

 うっ、優希の視線が痛い。
 
 その場で固まってしまったが再起動。ここは長年の営業経験に物を言わせて、自己紹介を始めることにする。
 あー、名刺が無い。

 「初めまして、ようこそおいでくださいました、私が山田洋一で、横にいるのが妻の優希、息子は・・・あぁ、来ましたね、息子の雄介です。」

 雄介はリビング入るなり、目の前にいる美女にオタオタしながら挨拶している。

 雄介落ち着け。

 私達の自己紹介の後、女性はにこやかに微笑みながら挨拶をはじめた。

 「突然の訪問で申し訳ありませんでした。創造神ニエル様のご命令により私達の世界、ベリニアへの転移をお手伝いするために派遣されましたミミエルと申します。あ、こちらは名刺です。」

 「これはご丁寧に。頂戴致します」

 名刺を受け取りながら、ソファーを勧めお互い席につく。
 優希がお茶を勧め、お互いにひと口つけたところでミミエルさんが話し始めた。

 「早速ですが、これから皆さまにベリニアへの移転に関しての説明を始めるのですが、その前にこちらをお渡し致しますね」

 そう言いながら、ミミエルさんは何処から取り出したのか、林檎マークのタブレットを私達に手渡した。

 「そちらはご覧の通り某社のタブレット端末ですが、アーティファクト化してあり、転移後も使用出来る様にしてあります。」

 アーティファクト?何じゃそりゃ?と私が疑問に思っていると横で二人が「「おお!」」と声を挙げている。

 その反応からミミエルさんは話が分かる理解したらしく、タブレットの詳細な説明を始めた、なんでも地球にいる間は普通のタブレットとして使えて、向こうの世界に行ってからは、アーティファクト?になるらしく、状態保存やら自動修復、大気中の魔素を吸収する事で充電不要になるらしい。

 アプリは天界で作成したものをダウンロードするんだと。
 そんな説明を受けるたびに、二人は「おー!」やら「スゲー!」と盛り上がりながら聞いている。

 サッパリわからん。

 一人置いてけぼりを食らいつつ、ひと通りの説明が終わったところで、気になることがあったので聞いてみることにした。

 「ミミエルさん、一つお聞きしたいしたいのですが、なんでこの端末を頂けるんですか?」

 「ええ、それには理由があります。昨日ニエル様とお話しされた通り、皆さんは一度ベリニアへ転移した後は二度とこの世界には帰ることはできません。そこで、この端末に皆さんの思い出や好きな音楽や本、映画などを詰め込んでおけば、ベリニアでの生活の中で、日本への郷愁に駆られたとしても慰めになるのではと、ニエル様から皆様へのお気持ちです」

 なんと!ニエル様に気を遣ってもらえるとは!

 私が感動に打ち震えていると、横から雄介が恐る恐るといった感じで手を上げながら質問してきた。

 「あの、質問していいですか?」

 「はい、どうぞ」

 「すみません。なんて聞いたら良いか判らないのですが、こういう便利アイテムとかって、転移する直後とかに貰えたりしません?なんて言うか、その、準備するために貰えるって、優しいって言うか、ぶっちゃけ、いたせり尽くせり的な感じなんですけど?」

 「あと、昨日から親父が変なんですけど」

 しどろもどろになりながら雄介がした質問に、ミミエルさんは少し困った感じで話し始めた。


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