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異世界到着編

水場探しとファーストコンタクト 3

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 朝目を覚ますと、お父さんが死んでいました。

 次の次の日にお母さんが「ごめんね、ごめんね」て言いながら死にました。

 村長はききんで食べ物が無いって言ってたけど、お父さんとお母さんは、大丈夫だよって言ってご飯を食べさせてくれました。

 わたしは、ひとりぼっちになりました。

 そしたら村長が、食べるものがないからと言って、村から出ていくように言いました。

 わたしはひとりで森にはいりました。

 森では木ノ実やキノコを食べたけどお腹が痛くなって苦しかった。

 お腹が痛い、喉が渇いた、苦しい。

 苦しい。

 昨日、人の声が聞こえたから、たすけてって言おうと近くに行ったら誰もいませんでした。

 たすけて、たすけて。

 気がついたら川がありました。

 それから、それから・・・・







 瞼がピクピクと痙攣している。
 そろそろ目覚めそうだ。
 
 女の子の寝ているソファの横に座り、女の子の様子を見ていた雄介が二人に向かって声をかけた。

 「そろそろ、眼を覚ますみたいだよ」

 洋一は飲んでた缶コーヒーを何処に置こうかワタワタし、優希はタブレットから眼を離して女の子の顔を覗き込んだ。

 「うぅん」

 女の子がくぐもった声を出しながら、薄っすらと眼を開ける。

 「もう大丈夫よ、安心して」

 優希が優しく声を掛け、女の子の頭を優しく撫でる。

 「ママ・・・?」

 女の子はまだ意識がハッキリしないのか、小さく掠れた声で聴いてきた。

 「大丈夫よ、先ずはゆっくりお水を飲みましょう?」

 優希が優しく女の子の状態を起こしてあげて、手にしたペットボトルをそっと口に運ぶ。
 女の子は一瞬ビクッとしたが、直ぐに水だと気付きコクコクと飲み始めた。

 優希は私の方を向いて、目でお粥を持ってくるよう指示をしてきたので、頷いてお粥を器に入れて持っていった。

 水を飲んだ事で意識がハッキリしてきたのか、怯えた目で優希や私達を見廻している。

 「あ、あの、ここは・・・」

 「大丈夫、心配しないで。怖いことは無いからね」

 優希が優しく語りかけながら、そっと頭を撫でる。
 そんなタイミングで私がお粥をお盆に乗せて近付き、「大丈夫かい?少しご飯を食べる?」と問いかけてみた。

 女の子はビクッと怯えた目で私をみて、優希の袖をギュッと掴んだ。

 「大丈夫よ、私の名前は優希、今のは私の旦那さん。あと、そこに居るのが息子の雄介ね。貴女が倒れていたのを雄介が見つけて、連れて来たのよ」
 「こんにちは、安心して良いからね」と私。

 雄介はニコニコしながら手を降って挨拶している。
 その間に優希が女の子の状態を少し持ち上げ、背中にクッションを入れお粥をふーふーして食べさせ始める。

 私と雄介はその間、特段やる事もないし、見ていても食べ難いだろうと、少し離れたところで現状のすり合わせを始めた。





 女の子はお粥を食べ安心したのか、また眠りについた。
 
 私は、雄介との会話を優希に伝へ、これからの事を話し合い始めた。

 「何があったのか、取り敢えずは、あの子が落ち着いてから話を聴かないとね」

 うん確かに。

 「てか、会話出来てたよね」

 うんうん確かに。

 「多分出来てると思う」

 おぉ凄い。

 「てか、オヤジ、頷いてばかりじゃなくて何か言おうよ」

 うん確かに。

 「えっ、いや何かって言われても、先ずはあの子の回復が先だし、あっ着替えとか?」

 「それはさっき、注文しといたわ」

 「あ、あそ・・・」

 優希の目が怖い。

 このままでは、夫の威厳が無くなりそうなので、女の子の事は優希に任せて、雄介には周りの簡単な地図を作成してもらうのと、水場までのルートの確認の指示を出した事で、それぞれ行動に移っていった。

 私は・・・・何やろう?
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