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村づくり 初級編
山田雄介 西へ!
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洋一達と別れてから三十分程過ぎた頃、先頭のラルフが右手を上げて停止の合図をする。
「おし、全員いるな。ラナ、エリサ、二人とも大丈夫か?」
ラルフの合図で集まった全員を見渡してから、エルフ娘達に視線を向けて問いかける。
「はい、特に問題ありません。雄介さんに準備してもらったブーツのお陰で普段より歩きやすいです」
「うん!この格好も動きやすいし大丈夫!」
二人はインナーからシャツ、タイツにトレッキングスカートといった、所謂『山ガール』ファッションである。
「本当?履き慣れない靴だと足を痛めるから、気になるようなら直ぐに言ってね」
雄介が心配そうに話しかけるが、ラナ達は笑顔で大丈夫と答える。
「うーし、大丈夫そうだな。そんじゃ、もう一度今日の行程を説明するぞ」
ラルフは、改めて全員を見渡して、今日の行程を話し始めた。
「今日はこのまま西へ進んでいって、昼過ぎには少し開けた場所に出るはずだ。今日は初日って事もあるから、そこで一泊する。いいな?」
「おう!俺も久し振りだからな、それ位のペースで良いぜ」
「俺も問題ありません。早めに着いてキャンプの準備にも慣れた方が良いですからね」
「私達は村にいた時から、外にはあまり出た事が無いのでお任せします」
全員の返事を確認したラルフは頷き、
「よし、それじゃ出発するが、いいか、こんなにのんびり出来るのはここ迄だぜ?」
ラルフは雄介を見つめ話を続ける。
「ここから先は魔物除けの結界の外になる。いいか雄介、殿のお前は後方索敵とお嬢ちゃん達の護衛だ。しっかり頼むぜ」
「了解です」
雄介はラルフの目を見てしっかりと頷き、銃の装填確認を始める。
「そして、お嬢ちゃん達は慣れない森の中だ。少しでも体に違和感が出たら我慢しないで直ぐに知らせる事。いいな?」
「「はい!」」
二人の元気な返事にラルフは頷き、マシューへ振り返り、お互い無言で頷く。
「よし!それじゃ出発だ!」
マシューの一声でラルフを先頭に西へ向かって歩き始めた。
「はーい!みんな!ご飯の準備は終わった?それじゃ、いただきます」
「「「いただきまーす!」」」
アンナの元気な挨拶で朝食が始まった。
今日の朝食はパンに目玉焼き、コーンスープという如何にも朝食といった簡単なものだ。
私はサクッと朝食を済ませて、ゆっくりとコーヒーを啜る。
「時間的には魔物除けの結界を越えたところよね?」
優希がチラッと腕時計を見て呟く。
「ん?出発して一時間ぐらいか?」
「えぇ」
「そうか、ならとっくに結界を抜けてるな」
私も自分の腕時計で時間を確認して頷く。
「大丈夫・・・よね?」
「あぁ、大丈夫だよ。ラルフさんやマシューさん達ベテランがいるんだし、雄介だって俺たちじゃ想像もつかない訓練をしてるんだから」
優希の心配顔を見た私は、自分の本音を悟られないように自信を持って答える。
そんな私を見て優希は苦笑いをした後「そうね、信じます」といってコーヒーカップに口をつけた。
魔物除けの結界を越える感覚を久し振りに感じながら雄介達は結界の外へ出た。
結界を越えた途端、今までの爽やかさから雰囲気がガラリと変わり、森の木々が迫ってくるような重苦しい感じがする。
「さ、ここからが本番だ。いくぞ」
ラルフの短い言葉にラナとエリサは緊張した面持ちで背負っているリュックを背負いなおす。
雄介は雰囲気に呑まれないように一度深呼吸をしてから銃を背負いなおして皆んなの後を追った。
無言で歩くこと数時間、木々の隙間から見える太陽が高くなった頃、先頭を歩いていたラルフの右手が上がり、その場にしゃがみ込む。
ラルフの合図に全員がしゃがみ、音を立てない様に注意しながらラルフの元へ近ずく。
「前方にゴブリンが二匹だ」
ラルフの言葉にラナとエリサが息を呑む。
「他にもいそうか?」
マシューの言葉にラルフは首を振り「いや、気配は無いから逸れた奴だろう」と答える。
「殺すか?」
「後数時間でキャンプ予定地だからな、念のため殺っとくか」
ラルフは頷き、腰の剣を音を立てずにそっと抜く。
「ゴブリンは俺がヤル。マシュー達はこの場所で待機だ」
全員が頷いたのを確認してラルフは音を立てずにその場から離れていった。
雄介は念のため、銃の安全レバーを単射に切替えてしゃがみ撃ちが出来る体制をとる。
「やっぱり、外は魔物が多いのね」
エリサは小声でラナに話しかけ、ラナは顔色を悪くしながら無言で頷く。
「ラナ、俺たちが守るから安心して」
エリサの話し声に気がついた雄介がチラッとエリサ達を見ると、ラナの顔色が悪いのに気がついたので優しく話しかける。
「ありがとうございます。皆さんがいれば安心です」
気遣われたと解ったラナは微笑みながら雄介に答えた同時に「ギャ!」と離れた所から短い叫び声が聞こえた。
「終わったみたいだぜ」
マシューは雄介達に声を掛けながら立ち上がり、一旦置いた自分の荷物を背負い直す。
雄介達もマシューに習い、立ち上がってそれぞれの荷物を背負い始めたところにラルフがスッと現れた。
「終わったぜ。死骸はそのまま放置だ」
そう言いながら、ラルフも自分の荷物を背負い「お嬢ちゃん達、あともう少しでキャンプだから頑張れよ」と言いい先頭を歩き始めた。
「おし、全員いるな。ラナ、エリサ、二人とも大丈夫か?」
ラルフの合図で集まった全員を見渡してから、エルフ娘達に視線を向けて問いかける。
「はい、特に問題ありません。雄介さんに準備してもらったブーツのお陰で普段より歩きやすいです」
「うん!この格好も動きやすいし大丈夫!」
二人はインナーからシャツ、タイツにトレッキングスカートといった、所謂『山ガール』ファッションである。
「本当?履き慣れない靴だと足を痛めるから、気になるようなら直ぐに言ってね」
雄介が心配そうに話しかけるが、ラナ達は笑顔で大丈夫と答える。
「うーし、大丈夫そうだな。そんじゃ、もう一度今日の行程を説明するぞ」
ラルフは、改めて全員を見渡して、今日の行程を話し始めた。
「今日はこのまま西へ進んでいって、昼過ぎには少し開けた場所に出るはずだ。今日は初日って事もあるから、そこで一泊する。いいな?」
「おう!俺も久し振りだからな、それ位のペースで良いぜ」
「俺も問題ありません。早めに着いてキャンプの準備にも慣れた方が良いですからね」
「私達は村にいた時から、外にはあまり出た事が無いのでお任せします」
全員の返事を確認したラルフは頷き、
「よし、それじゃ出発するが、いいか、こんなにのんびり出来るのはここ迄だぜ?」
ラルフは雄介を見つめ話を続ける。
「ここから先は魔物除けの結界の外になる。いいか雄介、殿のお前は後方索敵とお嬢ちゃん達の護衛だ。しっかり頼むぜ」
「了解です」
雄介はラルフの目を見てしっかりと頷き、銃の装填確認を始める。
「そして、お嬢ちゃん達は慣れない森の中だ。少しでも体に違和感が出たら我慢しないで直ぐに知らせる事。いいな?」
「「はい!」」
二人の元気な返事にラルフは頷き、マシューへ振り返り、お互い無言で頷く。
「よし!それじゃ出発だ!」
マシューの一声でラルフを先頭に西へ向かって歩き始めた。
「はーい!みんな!ご飯の準備は終わった?それじゃ、いただきます」
「「「いただきまーす!」」」
アンナの元気な挨拶で朝食が始まった。
今日の朝食はパンに目玉焼き、コーンスープという如何にも朝食といった簡単なものだ。
私はサクッと朝食を済ませて、ゆっくりとコーヒーを啜る。
「時間的には魔物除けの結界を越えたところよね?」
優希がチラッと腕時計を見て呟く。
「ん?出発して一時間ぐらいか?」
「えぇ」
「そうか、ならとっくに結界を抜けてるな」
私も自分の腕時計で時間を確認して頷く。
「大丈夫・・・よね?」
「あぁ、大丈夫だよ。ラルフさんやマシューさん達ベテランがいるんだし、雄介だって俺たちじゃ想像もつかない訓練をしてるんだから」
優希の心配顔を見た私は、自分の本音を悟られないように自信を持って答える。
そんな私を見て優希は苦笑いをした後「そうね、信じます」といってコーヒーカップに口をつけた。
魔物除けの結界を越える感覚を久し振りに感じながら雄介達は結界の外へ出た。
結界を越えた途端、今までの爽やかさから雰囲気がガラリと変わり、森の木々が迫ってくるような重苦しい感じがする。
「さ、ここからが本番だ。いくぞ」
ラルフの短い言葉にラナとエリサは緊張した面持ちで背負っているリュックを背負いなおす。
雄介は雰囲気に呑まれないように一度深呼吸をしてから銃を背負いなおして皆んなの後を追った。
無言で歩くこと数時間、木々の隙間から見える太陽が高くなった頃、先頭を歩いていたラルフの右手が上がり、その場にしゃがみ込む。
ラルフの合図に全員がしゃがみ、音を立てない様に注意しながらラルフの元へ近ずく。
「前方にゴブリンが二匹だ」
ラルフの言葉にラナとエリサが息を呑む。
「他にもいそうか?」
マシューの言葉にラルフは首を振り「いや、気配は無いから逸れた奴だろう」と答える。
「殺すか?」
「後数時間でキャンプ予定地だからな、念のため殺っとくか」
ラルフは頷き、腰の剣を音を立てずにそっと抜く。
「ゴブリンは俺がヤル。マシュー達はこの場所で待機だ」
全員が頷いたのを確認してラルフは音を立てずにその場から離れていった。
雄介は念のため、銃の安全レバーを単射に切替えてしゃがみ撃ちが出来る体制をとる。
「やっぱり、外は魔物が多いのね」
エリサは小声でラナに話しかけ、ラナは顔色を悪くしながら無言で頷く。
「ラナ、俺たちが守るから安心して」
エリサの話し声に気がついた雄介がチラッとエリサ達を見ると、ラナの顔色が悪いのに気がついたので優しく話しかける。
「ありがとうございます。皆さんがいれば安心です」
気遣われたと解ったラナは微笑みながら雄介に答えた同時に「ギャ!」と離れた所から短い叫び声が聞こえた。
「終わったみたいだぜ」
マシューは雄介達に声を掛けながら立ち上がり、一旦置いた自分の荷物を背負い直す。
雄介達もマシューに習い、立ち上がってそれぞれの荷物を背負い始めたところにラルフがスッと現れた。
「終わったぜ。死骸はそのまま放置だ」
そう言いながら、ラルフも自分の荷物を背負い「お嬢ちゃん達、あともう少しでキャンプだから頑張れよ」と言いい先頭を歩き始めた。
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