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村づくり 初級編
山田雄介 西へ! 2
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ゴブリンとの戦闘から三時間ほど森の中を進み、途中に小休止を挟みつつ本日のキャンプ予定となる、少し開けた場所に到着した。
「今日の移動はここまでだ、昼メシを食ってから寝床の準備をするぞ」
ラルフの号令に、ラナとエリサはリュックを下ろして「ふぅ」と息をついてその場に座り込む。
雄介もリュックを下ろして一息ついた後、座り込んだ二人に声をかけた。
「慣れない森歩きで疲れた?足の方は痛みや違和感はない?」
「大丈夫~」
「えぇ、こんなに長く歩く事も久し振りで、足がパンパンですけど、靴のお陰で足の調子は良いですよ」
ラナはリュックの横からペットボトルを取り出して美味そうに一口飲み、ついでに自分のふくらはぎをマッサージする。
エリサは余裕があるのか、直ぐに立ち上がってマシュー達の方へ向かっていった。
「慣れるまでは大変だけど、無理しないようにね」
雄介がラナに声をかけたところに、マシューから「昼メシの準備ができたぞー」と声が掛かったので、二人でマシューの元へ向かった。
普段の食事でも使用している、折り畳み式のテーブルの上に、お弁当のオニギリとおかずをのせて、普段使っている折り畳み式のチェアーで昼食を始める。
「ホント、マシューさんの持ってる魔法の鞄は便利ね!」
オニギリを頬張りながら、エリサがマシューの持っている鞄を興味深そうに見つめる。
「だろ?本当、コイツには世話になってるぜ」
マシューは大事そうに鞄を抱えながら、五個目オニギリにかぶりつく。
「飲み水からテント一式、なんでも入るから、こんな森の奥でもピクいニックみたいににユッタリご飯が食べられますもんね」
ラナも嬉しそうにご飯を食べながら話しに参加する。
そんな三人の会話を唐揚げをパク付きながら聴いていた雄介にラルフが話しかけた。
「雄介、これから魔物除け結界を張るが見てみるか?」
「魔物除けの結界?ですか?」
「あぁ、範囲は狭いし時間も限られてるけど、俺たちの様な長期遠征する冒険者には必須のアイテムでな」
そう言いながらラルフは、テントに使うペグの天辺に宝石の様な物を五本テーブルの上に置いた。
雄介はそれを手に取って、不思議そうに眺める。
「へぇ、これが魔物除けの結界用のアイテムですか?」
「あぁ、結界針って名前でな、五本一組で使うんだ」
「これって俺でも扱えるんですか?」
「生活魔法は使えるんだろ?なら多分、大丈夫だ」
「おぉ!やってみても良いですか?」
目を輝かせて聴いてきた雄介に、ラルフはニヤっと笑って「やってみな」と答えた。
「雄介、大体、十五歩四方が結界の範囲だから、テントや焚き火の位置を考えて位置を決めてみな」
ラルフは雄介に結界針を一本渡しながら説明する。
雄介は頷き、テント張りの準備を始めているマシュー達の位置を確認する」
「テントは中心の方が良いんですかね?」
「いや、中心には五本目の結界針を刺すから中心から離してくれ」
「了解です」
雄介はラルフの指示に従い、テントを中心から外す感じで一本目を地面に突き刺す。
「こんな感じで良いですか?」
「おう、そんな感じで、魔石が真上にくる感じで刺してくれ」
「了解」
雄介は一本目を起点に十五歩ごとに結界針を地面に突き刺して正方形を作る。
「よし、そうしたら中心に結界針を刺して、魔力を魔石に流し込んでみな」
「魔力を流す?」
「あぁ、刺し終わったら魔石に利き手を添えて、掌から魔力を流すんだ」
雄介は中心に結界針を刺した後、ラルフに言わられた様に、掌を魔石の上に添えて魔力を利き手に集まるように意識してみてみる。
すると、身体の中にある暖かい感じが利き手に集まってきたので、掌から出すイメージをすると、暖かい感じのモノが魔石に吸い込まれ始めた。
「うぉ!なんか変な感じ!」
雄介がビクッと身体を震わせたのを確認したラルフは「お!魔力を流せたようだな」と頷いてみせる。
「これって、どうしたら止まるんですか?」
雄介が不安そうな顔をしてラルフに問いかけると「満タンになれば勝手に止まるから、暫くそのままな」と言って、マシューの元へ戻っていった。
それから三分程、身体の中から魔力が吸い出される奇妙な感覚を味わっていると、結界針が紫色に光り出して吸い出される感覚も終わった。
これで終わり?と思った雄介は手をそっと離すと、結界針が紫色に光り出すと合わせて、四方の結界針も同じ様に光り始めた。
「雄介お疲れさん。良い感じに出来たな、体調の方はどうだ?」
ラルフが戻ってきで雄介をねぎらう。
立ち上がった雄介は自身の身体を見渡して「特に違和感はないですね」と答える。
「よし、この結界針は大体十二時間効果が得られるから、寝る前にもう一度魔力を込めれば朝まで小物に襲われる事はないな」
「やっぱり大物はダメなんですか?」
「まぁな、ゴブリンやオーク、コボルトなんかは問題ないが、その上の上位種は無理だな」
ラルフのひと言に雄介が緊張すると「そんな大物は頻繁には現れねぇから安心しな」と笑いながら雄介の肩を叩く。
肩を叩かれた雄介は、それってフラグなんじゃ・・・と思いながら、ラルフと共にマシュー達の元へ戻っていった。
「今日の移動はここまでだ、昼メシを食ってから寝床の準備をするぞ」
ラルフの号令に、ラナとエリサはリュックを下ろして「ふぅ」と息をついてその場に座り込む。
雄介もリュックを下ろして一息ついた後、座り込んだ二人に声をかけた。
「慣れない森歩きで疲れた?足の方は痛みや違和感はない?」
「大丈夫~」
「えぇ、こんなに長く歩く事も久し振りで、足がパンパンですけど、靴のお陰で足の調子は良いですよ」
ラナはリュックの横からペットボトルを取り出して美味そうに一口飲み、ついでに自分のふくらはぎをマッサージする。
エリサは余裕があるのか、直ぐに立ち上がってマシュー達の方へ向かっていった。
「慣れるまでは大変だけど、無理しないようにね」
雄介がラナに声をかけたところに、マシューから「昼メシの準備ができたぞー」と声が掛かったので、二人でマシューの元へ向かった。
普段の食事でも使用している、折り畳み式のテーブルの上に、お弁当のオニギリとおかずをのせて、普段使っている折り畳み式のチェアーで昼食を始める。
「ホント、マシューさんの持ってる魔法の鞄は便利ね!」
オニギリを頬張りながら、エリサがマシューの持っている鞄を興味深そうに見つめる。
「だろ?本当、コイツには世話になってるぜ」
マシューは大事そうに鞄を抱えながら、五個目オニギリにかぶりつく。
「飲み水からテント一式、なんでも入るから、こんな森の奥でもピクいニックみたいににユッタリご飯が食べられますもんね」
ラナも嬉しそうにご飯を食べながら話しに参加する。
そんな三人の会話を唐揚げをパク付きながら聴いていた雄介にラルフが話しかけた。
「雄介、これから魔物除け結界を張るが見てみるか?」
「魔物除けの結界?ですか?」
「あぁ、範囲は狭いし時間も限られてるけど、俺たちの様な長期遠征する冒険者には必須のアイテムでな」
そう言いながらラルフは、テントに使うペグの天辺に宝石の様な物を五本テーブルの上に置いた。
雄介はそれを手に取って、不思議そうに眺める。
「へぇ、これが魔物除けの結界用のアイテムですか?」
「あぁ、結界針って名前でな、五本一組で使うんだ」
「これって俺でも扱えるんですか?」
「生活魔法は使えるんだろ?なら多分、大丈夫だ」
「おぉ!やってみても良いですか?」
目を輝かせて聴いてきた雄介に、ラルフはニヤっと笑って「やってみな」と答えた。
「雄介、大体、十五歩四方が結界の範囲だから、テントや焚き火の位置を考えて位置を決めてみな」
ラルフは雄介に結界針を一本渡しながら説明する。
雄介は頷き、テント張りの準備を始めているマシュー達の位置を確認する」
「テントは中心の方が良いんですかね?」
「いや、中心には五本目の結界針を刺すから中心から離してくれ」
「了解です」
雄介はラルフの指示に従い、テントを中心から外す感じで一本目を地面に突き刺す。
「こんな感じで良いですか?」
「おう、そんな感じで、魔石が真上にくる感じで刺してくれ」
「了解」
雄介は一本目を起点に十五歩ごとに結界針を地面に突き刺して正方形を作る。
「よし、そうしたら中心に結界針を刺して、魔力を魔石に流し込んでみな」
「魔力を流す?」
「あぁ、刺し終わったら魔石に利き手を添えて、掌から魔力を流すんだ」
雄介は中心に結界針を刺した後、ラルフに言わられた様に、掌を魔石の上に添えて魔力を利き手に集まるように意識してみてみる。
すると、身体の中にある暖かい感じが利き手に集まってきたので、掌から出すイメージをすると、暖かい感じのモノが魔石に吸い込まれ始めた。
「うぉ!なんか変な感じ!」
雄介がビクッと身体を震わせたのを確認したラルフは「お!魔力を流せたようだな」と頷いてみせる。
「これって、どうしたら止まるんですか?」
雄介が不安そうな顔をしてラルフに問いかけると「満タンになれば勝手に止まるから、暫くそのままな」と言って、マシューの元へ戻っていった。
それから三分程、身体の中から魔力が吸い出される奇妙な感覚を味わっていると、結界針が紫色に光り出して吸い出される感覚も終わった。
これで終わり?と思った雄介は手をそっと離すと、結界針が紫色に光り出すと合わせて、四方の結界針も同じ様に光り始めた。
「雄介お疲れさん。良い感じに出来たな、体調の方はどうだ?」
ラルフが戻ってきで雄介をねぎらう。
立ち上がった雄介は自身の身体を見渡して「特に違和感はないですね」と答える。
「よし、この結界針は大体十二時間効果が得られるから、寝る前にもう一度魔力を込めれば朝まで小物に襲われる事はないな」
「やっぱり大物はダメなんですか?」
「まぁな、ゴブリンやオーク、コボルトなんかは問題ないが、その上の上位種は無理だな」
ラルフのひと言に雄介が緊張すると「そんな大物は頻繁には現れねぇから安心しな」と笑いながら雄介の肩を叩く。
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