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第二章

第二章第四節 武闘会二日目

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闘技場の空気は、期待と緊張で張り詰めていた。今日の戦いのために集まった観衆が、息をのんで二人の戦士の入場を待っている。まず現れたのは、グランド・ガルドだ。彼の足音が響き渡るたびに、魔法で強化された鎧と盾が輝き、まるで戦場を歩む古代の神のような威厳を放っていた。彼の周りには、不敗の伝説が形作られていく。

そして、リザ男が登場する。彼の歩みは静かでありながらも、その中には確固たる自信と決意が感じられた。リザ男の姿は、群衆の歓声を一身に受けながら、戦士としての凛々しさを際立たせている。彼の目は、前に立ちはだかる挑戦への不屈の覚悟を物語っていた。

グランド・ガルドは、リザ男を見下ろすようにして言った。「トカゲ風情には我が鉄壁の城壁、崩せぬわ。」しかし、リザ男は、相手の挑発に何も答えず、静かに受け流す。彼の沈黙は、言葉以上の強さを示していた。

名乗りの時が来た。グランド・ガルドが自らを「鉄壁の守護者」と称すると、リザ男は高らかに嗤った。「笑止! 「鉄壁の守護者」の二つ名は、個々の能力に与えられるものではない! 軍を守り、国を守り、民を守りし者にこそ与えられるべきものであろう! 我が主君、盾の王のような!」リザ男の言葉は、グランド・ガルドの自負を論駁し、闘技場に響き渡った。

グランド・ガルドは激昂し、「言わせておけば!」と叫び、彼の怒りはその魔法で強化された鎧と盾をより一層光らせた。しかしリザ男は、すでに戦いの準備が整っていた。

第二試合の開幕が宣言され、二人の戦士が中央で対峙する。リザ男の構えは、これから始まる激戦への静かな覚悟を示している。グランド・ガルドに対するリザ男の挑戦は、ただの戦い以上の意味を持っていた。それは、信念と力の真価を問う試練であり、リザ男の戦士としての道が、ここで新たな章を迎える瞬間だった。
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