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第3章
本来の意味
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日本語とは難しいもので、本来の意味とは違った意味で使ってしまう言葉などないだろうか。
例えば「失笑する」これを笑いもできないほどあきれる。という意味で使ってはいないだろうか。
実は本来の意味はこらえきれず吹き出してしまうなのだそうだ。
ではここでクエスチョン。
やぶさかではない。
これは本来どういう意味なのだろうか ──────
「あーあ。登君と環奈さんがそんなに仲良いなら私邪魔できないや。」
川村先生は完全にいじけモードに入っていた。
「私、もう帰るね。」
そう言いながら俺達に背を向ける。
だがその背中は語っていた。
どうか引き止めてくださいと。
「川村先生!待ってください!」
「嫌だ!!」
背は向けたまま、拒絶する。
だが!その背中は語っていた!
やった、引き止めてくれた。
もう少し粘ってくれたら機嫌なおそ!と。
いや、川村先生の背中語り過ぎでしょ。
「川村先生。俺、今日のこと凄い楽しみにしてたんです!だから、このまま帰っちゃうなんてすげー悲しいです。」
さらに言葉を続けて
「だから機嫌直して、俺とデートしてください!」
かなり気持ちを込めたつもりだ。
その思いが伝わったのか、先生はくるっと回り俺達の方を向いて
「んーー。まあ登君がそこまで言うなら、デートするのはやぶさかではないけど…」
「ホントですか!良かったぁぁ~、いやぁぁ~~ホント良かったぁぁ~。先生がそんな風に思ってるなんて。」
「えっ?ん?そんな喜ばれるようなこと私、言ったかな?」
先生の頭の上にはクエスチョンマークが浮かび上がっていた。
やぶさかではない。
仕方なくする。という意味で捉えられがちだが
本来の意味は
喜んでする。だ。
だから、先生は喜んで俺とデートしたいらしい。
あんなに不機嫌だったのに随分と上機嫌になられましたなぁ~。
満足げな笑みを浮かべていると、先生は不服そうに
「なんか納得いかない!」
と言いながらスタスタと歩いていってしまった。
「ちょ!先生、待ってください。」
遠ざかっていく先生を追いかけていくがなかなか追いつけない。
なぜまた不機嫌になってしまったのかそれだけがわからなかった。
それを傍らで見ていた環奈は呆然と立ち尽くす俺の隣で
「先輩ってバカですね。」
容赦ない言葉と共に失笑していた。
例えば「失笑する」これを笑いもできないほどあきれる。という意味で使ってはいないだろうか。
実は本来の意味はこらえきれず吹き出してしまうなのだそうだ。
ではここでクエスチョン。
やぶさかではない。
これは本来どういう意味なのだろうか ──────
「あーあ。登君と環奈さんがそんなに仲良いなら私邪魔できないや。」
川村先生は完全にいじけモードに入っていた。
「私、もう帰るね。」
そう言いながら俺達に背を向ける。
だがその背中は語っていた。
どうか引き止めてくださいと。
「川村先生!待ってください!」
「嫌だ!!」
背は向けたまま、拒絶する。
だが!その背中は語っていた!
やった、引き止めてくれた。
もう少し粘ってくれたら機嫌なおそ!と。
いや、川村先生の背中語り過ぎでしょ。
「川村先生。俺、今日のこと凄い楽しみにしてたんです!だから、このまま帰っちゃうなんてすげー悲しいです。」
さらに言葉を続けて
「だから機嫌直して、俺とデートしてください!」
かなり気持ちを込めたつもりだ。
その思いが伝わったのか、先生はくるっと回り俺達の方を向いて
「んーー。まあ登君がそこまで言うなら、デートするのはやぶさかではないけど…」
「ホントですか!良かったぁぁ~、いやぁぁ~~ホント良かったぁぁ~。先生がそんな風に思ってるなんて。」
「えっ?ん?そんな喜ばれるようなこと私、言ったかな?」
先生の頭の上にはクエスチョンマークが浮かび上がっていた。
やぶさかではない。
仕方なくする。という意味で捉えられがちだが
本来の意味は
喜んでする。だ。
だから、先生は喜んで俺とデートしたいらしい。
あんなに不機嫌だったのに随分と上機嫌になられましたなぁ~。
満足げな笑みを浮かべていると、先生は不服そうに
「なんか納得いかない!」
と言いながらスタスタと歩いていってしまった。
「ちょ!先生、待ってください。」
遠ざかっていく先生を追いかけていくがなかなか追いつけない。
なぜまた不機嫌になってしまったのかそれだけがわからなかった。
それを傍らで見ていた環奈は呆然と立ち尽くす俺の隣で
「先輩ってバカですね。」
容赦ない言葉と共に失笑していた。
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