僕、先輩の愛奴隷になる事を強要されてます

もあ子ちゃん

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16 逃げたのにどうして

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シャツに染み付くアレンの残り香。
自分をぎゅっと抱きしめるように下を向き夜道を歩く。

時々通行人が横切っても僕は悲しい顔をしたまま。

家に着き、隣に住んでいると思しき眼鏡の人に合ったので挨拶し家の鍵を開ける。

ガチャッ…

中に入りドアを閉めようとする。

しかし隣の人がいきなりドアを抑えて侵入してくる。

「っ………!!!!?!?!」
人間こうも慌てると声すら出ないものだ。

氷のように綺麗で冷たい瞳がギラッと光る。
腰を抜かしてへたり込む僕を立ったまま見下ろしている…

10秒くらい見合ったまま動けなかったが気づいてしまった…。
この男、隣の人なんかじゃない。

「あれん…??」

「今更気づいたのかい不用心」

サッと眼鏡を外すアレン。
冷たい視線の底に憂いを秘めた瞳がレンズの壁を無くして露になる。
その様はなんとも艶めかしく見えてしまいアレンから目が離せなくなる。

「どうして……」

「ジェレミー、なんで逃げたの…?」

ガチャッとドアを閉められた。
ドアの鍵とチェーンを素早く掛けるアレン。

「ジェレミーがいなくて寂しかった…どうして俺から逃げた?昨日みたいにお仕置されてもまだ分からない?」

「だって…あんなのおかしいよ……もうあんなのやだよぉ…」
今にも泣き出しそうな声で訴える。

「こんなに愛してるのに…ジェレミー」
そう言ってアレンは片手で僕の腰を掴み逃げられなくする。

「アレン…こんなの…もうやめよ…」
力強く両手でアレンを突き放す。

「……どうして」
一瞬アレンが目を丸くする。
アレンの方が動揺するのは珍しい。

「とにかくもう僕アレンとは会えないよ…うぅっ…」

「さっきまで1人で『アレン寂しいよ』なんて呟いてた癖に」

聞かれてた…!
一体どこからつけられてたんだろう。
しかしそういう事を考える暇も与えずアレンは再び僕を押さえつけてキスをする。

ちゅっ…んぅっ…
いつも以上に激しく拒む僕を逃がすまいとアレンは僕の唇を噛んでくる。

「んぁっ!いたいやめてっ……」

「これ以上拒んだらもっと痛いことするよ…」
そうして再び口内を犯される。

くちゅっ…んふぅっ…
ちゅっ…

ぬるりとした舌の感触。
アレンを感じる度に悲しくなる。
嫌なのに…拒むなという脅しとアレンの存在自体が身体を硬直させてしまう。

「んんっ…おねがい…あれん……やめてっ…」

「拒んだらもっと痛いことするって言ったでしょ、大人しくして」

アレンの髪や衣服の匂いが僕を溶かすように漂っている。
それが切なくて息苦しくクラクラとしてくる。


「うぅっ…だって…あれん…恋人いる…でしょ…」

「はいっ?恋人?????……俺が???」

拍子抜けしたように行為を止める。
様子を見るに本当に心当たりなさそうな驚き方…
どういう事だろうか。

「だって……今日珈琲店に行った時偶然見ちゃったんだ…」

「もしかして…!それを気にしてたのか!ジェレミーは可愛いなあ!!居たなら話しかけてくれたら良かったのに。あれは違うってあはははは!!」

どういう事…?
知りたいのでとりあえず僕はアレンを部屋に上げる事にした。

だけど部屋に上げてしまったのは本当に不用心だったってこの時の僕はまだ気づけなかった…
あんな事されて判断能力が鈍ってたのかもしれない。
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