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第44話 - 魔導研究院 神が生まれる
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「ハーヴィス……頭でもおかしくなったのか……? なにを作るだって……?」
「神だよ、坊ちゃん。いや、レウ。お前は本当に、よくやってくれたよ」
ハーヴィスは語る。彼の思惑、その目的を。
「妖精とは、実在する超常存在だ。だが、皆が語る神というのは、完全なる空想だ。宗教を説明するための装置と言ってもいいだろう。全てを照覧する絶対神など、いない。だが、妖精たちに言わせればな、元々全能で万能の神がいて、そこから分かたれたのが妖精だというのだ」
「違う……?」
「今の妖精は、翅族毎に能力が異なる。だが、本来はこれは一つの翅族であった。あらゆる奇跡を自在に操る、真に万能の一族。妖精たちはそれを【虹の翅族】と呼んでいた」
「【虹の翅族】……」
全く聞いたことも無い話である。くだらない妄言だと吐き捨てることもできたが、しかしそれを語るハーヴィスは、真に迫っているようであった。
「一部の妖精は、再び【虹の翅族】を復活させることを悲願としている。だが、そう簡単なことではない。無数に分かたれた翅族を一つにまとめる、だなんて、なにをどう試そうと失敗に終わっていた。だが、ある日、解決の糸口が見つかった。色をくっつけても濁るだけなら、真っ白なキャンバスに塗りたくればいい。つまり【純白の翅族】こそ、この【虹】の下地になる一族であったのだと、気付いたんだよ」
「……【純白】。シャロの、一族」
「そうだ! 奴らは劣化した魔法を覚える、なんて大した役にも立たない特性を備えている。が、それも必然なのだ。彼らは無数の翅族の【色】を吸い取るための一族なのだから! 何故突然、妖精たちがこんなことに気付いたと思う? レウよ」
「……知るかよ、楽しそうに、ペラペラと……」
「ローウェルだ! あいつは、妖精の国に行って、【純白】と出会った。そして、その時、妖精の国にはなかったモノが観測されたんだよ! わかるか? 「恋」だ! 奴らが忘れ去ったその激情は、凄まじいエネルギーだった! 【虹】を作り出す際の、燃料として申し分ないほどの! そのときに妖精どもはようやっと気付いたのさ! これが鍵だったのだと。恋をした【純白】に、色を注ぐことこそが、神を作り出す正しい手順なのだと!」
そしてハーヴィスは、両手を広げた。
「妖精たちは【純白】を追った! だが、ローウェルはこちら側に【純白】と家族を逃がした! 妖精から人に存在を堕とさせてでも、だ! だが、その逃走劇の中、ローウェルの【純白】の恋人は傷を負い、耐えきれず死んでしまった。残されたのは、哀れなローウェルと、たった一人の娘だけだった」
「たった一人の、娘……」
「そうだ! それがシャロだ! 幼いシャロは、人と妖精の性質を併せ持つ存在だった。それは強い魔力を放っていただろう。妖精はこちら側に、安易に手を出すことはできない。次元を堕とすことになるからだ。だから、ギルドに追わせるしかない。強い魔力を放ったままであれば、すぐに補足されてしまう。また、人として生きて欲しいなんて思いもあったんだろうな。ローウェルは、シャロの妖精の部分を切り取ることにしたんだ」
「……ハーヴィス。もう、いい。お前は、黙れ」
「わかるか? ローウェルはな、シャロの一部を、大量の魔導書に変えて、世界中にばら撒いたんだよ! 人として生きられるよう、利用価値を最大限減らすように! 小癪な奴だ。シャロを捉えたところで、そいつ自体は、不完全な妖精崩れだ。とても神の素体になるような器ではない」
「ハーヴィス……! お前、お前……!」
「だがなぁ、あいつは知らなかった。これで十分だと思っていた。何も知らないが故に。俺は、知った。あいつが作った、妖精言語で、ギルドの妖精どもから確認したんだ! ――恋をした【純白】は、神の素体になり得ると!」
レウは、言葉を失った。
そんなことが、あっていいはずが、ない、と。
「俺らは必死に探した……! ローウェルを殺して奴の家を調べたがなにも出てこなかった! だから世界中探し、そして、手に入れた。ここにあった魔導書は、特に強い代物だ。【純白】の根幹を記した、妖精に羽化するための魔導書だよ。これをシャロと融合させれば、彼女は妖精に近しい存在となる! ――あとはシャロに、恋をしてもらうだけだ」
ハーヴィスの語る計画は、あまりにもおぞましく、レウの耳に響いた。
「魔導書を通じ、この本のことを姉だと思い込むように、暗示をかけた! あれはローウェルに似たのか、強情な女だったからな。かならず無茶をすると思ったさ。そこであの三人の従士と、冒険させるように唆したんだよ。壮絶な旅は、恋に落ちるに絶好のイベントだからな。だが、奴らはあまりに妖精を崇めすぎていて、恋をするなんて関係性ではなかったし、それに予想外に弱すぎた。さっさと死んでしまったんだよ」
「クズ野郎……」
「そこで現れたのが、お前だよ、レウ」
ハーヴィスは、にっこりと、レウに微笑んだ。
「エロ本と呪いの本を取り違えたんだって? だが、それも考えると必然だな。呪いの魔導書もシャロの一部であるからだ。言わば魔導書自身の意思で、強者をシャロに引き寄せるように動いたんだろう。お前は本当によくやってくれた。シャロと冒険を駆け抜け、そして無事、恋に落ちた」
「ハーーーーーーーーーーヴィス!」
レウは立ち上がった。
シャロという神秘の存在により、周囲の時空は歪んでいる。重力なんていう縛りも、随分緩くなっていた。
レウは背中の【星剣】を抜いた。【籠手】と【星剣】に【指輪】の魔力の全てを回した。
【星剣】が吠える。波濤のようなエネルギーを纏う。
星を斬る最強の剣が唸り、《魔法卿》を斬らんと魔力の極光が放たれる。
だがハーヴィスは、ぱちん、と、指を鳴らした。
すると瞬く間に、【星剣】と【籠手】に悪性の魔力がどんどん流れ込み――二つの妖精武器は破裂し、無残に瓦解した。
呆然とするレウに、ハーヴィスは冷たく言い放つ。
「ダメじゃないか、レウ。俺は敵だろ? 【指輪】の魔力に、何かを仕込んでるに決まってるじゃないか」
「テメエ……!」
「エルセイドとアルスは厄介だった。あいつらは単純に、妖精が嫌いだからな。奴らの妖精武器は【虹】の幼体を殺しかねない。だから真っ先に排除しておきたかった。本当に、神が完成するのは、お前のお陰だよ、レウ」
全ては彼の手の平の上だった。
対抗する手段を失ったレウは、呆然とするしかなかった。
ハーヴィスは、少しだけ残念そうな表情で、少年を見やる。
「俺は本当に、お前を買ってたんだぜ。騙すような真似をして悪かったが――もうちょっと、反撃してくるかと思ったのも、事実だ」
全てを語り終えたハーヴィスは。
「それじゃあ、始めようか」
両手の指を鳴らす。
その瞬間、何故だろう。レウの心の大事ななにかがごっそりと、持っていかれたような感覚に襲われた。
たまらず膝をつくレウ。そして、宙に浮くシャロを見上げると。
彼女は一層強く輝き、神秘性が増している。
「【純白】を神にするには、妖精と人間両方の恋心を燃料にすると確実だ。悪いが、奪わせてもらう。ほら、見ろよ。シャロの中に、様々な妖精たちが混ざりに来ている。今ここで【虹】が生まれる。全能にして万能の神。人が従うべき、絶対の存在だ」
ハーヴィスは、煌めくシャロに手を組み、祈りを捧げた。
全ては彼の計画通り。今ここに神が生まれる。
その脇で、もはや認識すらされていないレウは、ただただ呆然と。膝をつきながら。
失った感情に、思いを馳せていた。
「神だよ、坊ちゃん。いや、レウ。お前は本当に、よくやってくれたよ」
ハーヴィスは語る。彼の思惑、その目的を。
「妖精とは、実在する超常存在だ。だが、皆が語る神というのは、完全なる空想だ。宗教を説明するための装置と言ってもいいだろう。全てを照覧する絶対神など、いない。だが、妖精たちに言わせればな、元々全能で万能の神がいて、そこから分かたれたのが妖精だというのだ」
「違う……?」
「今の妖精は、翅族毎に能力が異なる。だが、本来はこれは一つの翅族であった。あらゆる奇跡を自在に操る、真に万能の一族。妖精たちはそれを【虹の翅族】と呼んでいた」
「【虹の翅族】……」
全く聞いたことも無い話である。くだらない妄言だと吐き捨てることもできたが、しかしそれを語るハーヴィスは、真に迫っているようであった。
「一部の妖精は、再び【虹の翅族】を復活させることを悲願としている。だが、そう簡単なことではない。無数に分かたれた翅族を一つにまとめる、だなんて、なにをどう試そうと失敗に終わっていた。だが、ある日、解決の糸口が見つかった。色をくっつけても濁るだけなら、真っ白なキャンバスに塗りたくればいい。つまり【純白の翅族】こそ、この【虹】の下地になる一族であったのだと、気付いたんだよ」
「……【純白】。シャロの、一族」
「そうだ! 奴らは劣化した魔法を覚える、なんて大した役にも立たない特性を備えている。が、それも必然なのだ。彼らは無数の翅族の【色】を吸い取るための一族なのだから! 何故突然、妖精たちがこんなことに気付いたと思う? レウよ」
「……知るかよ、楽しそうに、ペラペラと……」
「ローウェルだ! あいつは、妖精の国に行って、【純白】と出会った。そして、その時、妖精の国にはなかったモノが観測されたんだよ! わかるか? 「恋」だ! 奴らが忘れ去ったその激情は、凄まじいエネルギーだった! 【虹】を作り出す際の、燃料として申し分ないほどの! そのときに妖精どもはようやっと気付いたのさ! これが鍵だったのだと。恋をした【純白】に、色を注ぐことこそが、神を作り出す正しい手順なのだと!」
そしてハーヴィスは、両手を広げた。
「妖精たちは【純白】を追った! だが、ローウェルはこちら側に【純白】と家族を逃がした! 妖精から人に存在を堕とさせてでも、だ! だが、その逃走劇の中、ローウェルの【純白】の恋人は傷を負い、耐えきれず死んでしまった。残されたのは、哀れなローウェルと、たった一人の娘だけだった」
「たった一人の、娘……」
「そうだ! それがシャロだ! 幼いシャロは、人と妖精の性質を併せ持つ存在だった。それは強い魔力を放っていただろう。妖精はこちら側に、安易に手を出すことはできない。次元を堕とすことになるからだ。だから、ギルドに追わせるしかない。強い魔力を放ったままであれば、すぐに補足されてしまう。また、人として生きて欲しいなんて思いもあったんだろうな。ローウェルは、シャロの妖精の部分を切り取ることにしたんだ」
「……ハーヴィス。もう、いい。お前は、黙れ」
「わかるか? ローウェルはな、シャロの一部を、大量の魔導書に変えて、世界中にばら撒いたんだよ! 人として生きられるよう、利用価値を最大限減らすように! 小癪な奴だ。シャロを捉えたところで、そいつ自体は、不完全な妖精崩れだ。とても神の素体になるような器ではない」
「ハーヴィス……! お前、お前……!」
「だがなぁ、あいつは知らなかった。これで十分だと思っていた。何も知らないが故に。俺は、知った。あいつが作った、妖精言語で、ギルドの妖精どもから確認したんだ! ――恋をした【純白】は、神の素体になり得ると!」
レウは、言葉を失った。
そんなことが、あっていいはずが、ない、と。
「俺らは必死に探した……! ローウェルを殺して奴の家を調べたがなにも出てこなかった! だから世界中探し、そして、手に入れた。ここにあった魔導書は、特に強い代物だ。【純白】の根幹を記した、妖精に羽化するための魔導書だよ。これをシャロと融合させれば、彼女は妖精に近しい存在となる! ――あとはシャロに、恋をしてもらうだけだ」
ハーヴィスの語る計画は、あまりにもおぞましく、レウの耳に響いた。
「魔導書を通じ、この本のことを姉だと思い込むように、暗示をかけた! あれはローウェルに似たのか、強情な女だったからな。かならず無茶をすると思ったさ。そこであの三人の従士と、冒険させるように唆したんだよ。壮絶な旅は、恋に落ちるに絶好のイベントだからな。だが、奴らはあまりに妖精を崇めすぎていて、恋をするなんて関係性ではなかったし、それに予想外に弱すぎた。さっさと死んでしまったんだよ」
「クズ野郎……」
「そこで現れたのが、お前だよ、レウ」
ハーヴィスは、にっこりと、レウに微笑んだ。
「エロ本と呪いの本を取り違えたんだって? だが、それも考えると必然だな。呪いの魔導書もシャロの一部であるからだ。言わば魔導書自身の意思で、強者をシャロに引き寄せるように動いたんだろう。お前は本当によくやってくれた。シャロと冒険を駆け抜け、そして無事、恋に落ちた」
「ハーーーーーーーーーーヴィス!」
レウは立ち上がった。
シャロという神秘の存在により、周囲の時空は歪んでいる。重力なんていう縛りも、随分緩くなっていた。
レウは背中の【星剣】を抜いた。【籠手】と【星剣】に【指輪】の魔力の全てを回した。
【星剣】が吠える。波濤のようなエネルギーを纏う。
星を斬る最強の剣が唸り、《魔法卿》を斬らんと魔力の極光が放たれる。
だがハーヴィスは、ぱちん、と、指を鳴らした。
すると瞬く間に、【星剣】と【籠手】に悪性の魔力がどんどん流れ込み――二つの妖精武器は破裂し、無残に瓦解した。
呆然とするレウに、ハーヴィスは冷たく言い放つ。
「ダメじゃないか、レウ。俺は敵だろ? 【指輪】の魔力に、何かを仕込んでるに決まってるじゃないか」
「テメエ……!」
「エルセイドとアルスは厄介だった。あいつらは単純に、妖精が嫌いだからな。奴らの妖精武器は【虹】の幼体を殺しかねない。だから真っ先に排除しておきたかった。本当に、神が完成するのは、お前のお陰だよ、レウ」
全ては彼の手の平の上だった。
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ハーヴィスは、少しだけ残念そうな表情で、少年を見やる。
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全てを語り終えたハーヴィスは。
「それじゃあ、始めようか」
両手の指を鳴らす。
その瞬間、何故だろう。レウの心の大事ななにかがごっそりと、持っていかれたような感覚に襲われた。
たまらず膝をつくレウ。そして、宙に浮くシャロを見上げると。
彼女は一層強く輝き、神秘性が増している。
「【純白】を神にするには、妖精と人間両方の恋心を燃料にすると確実だ。悪いが、奪わせてもらう。ほら、見ろよ。シャロの中に、様々な妖精たちが混ざりに来ている。今ここで【虹】が生まれる。全能にして万能の神。人が従うべき、絶対の存在だ」
ハーヴィスは、煌めくシャロに手を組み、祈りを捧げた。
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