【Lv.999】から始まる異世界攻略譚 ~落ちこぼれゲーマーの俺は、ユニークスキル「ゲーム」を使って異世界を無双攻略する~

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第27話 戦いの終わり?

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ウルフの姿に変わったクオラが、低く唸りを上げながらキングアンデッドの長い腕に狙いを定めた。鋭い牙が閃き、次の瞬間、無数の獰猛な牙がその骨に深く食い込む。キングアンデッドは、まるで驚いたかのように巨体を揺らし、その細長いな腕でクオラを力任せに薙ぎ払った。

「ガルルルルルル!」

クオラは吹き飛ばされることなく、素早く姿勢を立て直す。彼女の両手から鋭く伸びた爪には、狂風のような風の刃が纏わりつき、獰猛さをさらに際立たせていた。その爪が空気を裂く音と共にキングアンデッドに立て続けに襲いかかる。何度も何度も斬撃が巨体を貫き、その強力な攻撃により、キングアンデッドの頭部には亀裂が生じた。

不気味なひび割れが広がり、オレンジ色に輝くその目が一瞬揺らいだかと思うと、大量の墨汁が生き物のように地面から湧き上がり、キングアンデッドを縛りつけた。黒く光る液体は、まるで自らの意志を持っているかのように、ゆっくりとその巨体を絡め取り、拘束する。

「今だ……!」

ハイドロの声が静かに響いたかと思うと、セシルの手が微かに動き、その瞬間、重圧の魔法が空間を歪ませながらキングアンデッドに向かって解き放たれる。圧倒的な力に、鈍い音を立てて、キングアンデッドの腕が粉々に砕け散った。その腕の残骸が地面に散らばる間もなく、ステルバイが素早く動く。彼の手に握られた二本の撥は、瞬時に雷鳴を纏い、目にも止まらぬ速度でキングアンデッドの頭部へと向かう。

──────ドンドンドンドン!

雷鳴の轟きが大気を震わせるたびに、撥がキングアンデッドの頭蓋骨に打ち込まれ、その表面に無数の亀裂が走っていく。

「今だ!」

ステルバイが、勝利を確信したかのように最後の一撃を振り下ろそうとした瞬間だった。キングアンデッドの巨大な口がゆっくりと開かれ、そこに眩い光が集まり始めた。まるで地獄の深淵から放たれるような光線が、こちらに向かって放たれるその一瞬、標的は完全にステルバイに定められていた。

「しまっ────!」

光が閃き、息を呑む刹那、その光を遮るように、水を纏った巨大な手裏剣が間に割り込んだ。手裏剣はキングアンデッドの光線を受け止め、その勢いを弾き返す。水のしぶきがきらめきながら辺りに飛び散り、静寂が一瞬戻った。

「今のは……!」

驚くステルバイの視線の先には、優雅に旋回しながら手裏剣が元の主へと戻っていく。その主は、静かに立っていた──忍者マイケル。冷静な目が戦場を見渡し、その動作には一切の無駄がない。

そして、戦場に再び異様な空気が漂った。強烈な風が吹き荒れる中、キングアンデッドの背後に新たな影が現れる。ダイショウ──男は風そのものを身に纏い、暴風の力を手に持つ薙刀に集めていた。その風の流れは、彼の周囲を渦巻くように蠢き、全ての力が薙刀の一振りに集中されていく。

「ふん!」

ダイショウは無言のまま、力強く薙刀を振り下ろした。その一撃が放たれると、風の斬撃はまるで嵐の如く轟音を立ててキングアンデッドに襲いかかった。鋭く、そして圧倒的な速さでその斬撃はキングアンデッドに直撃し、次の瞬間、その巨体が左右に真っ二つに裂ける音が響いた。

その巨体は、抵抗することもなく、重々しく地面に崩れ落ちた。冷たい土の上に広がる裂けた骸骨の破片が、静かに原野に散らばり、戦いは終わりを告げたかのように見えた。

キングアンデッドが崩れ落ち、その瞬間、取り囲んでいたアンデッド達もまるで糸が切れた操り人形のように次々と朽ち果てていく。黒ずんだ骸骨が砂のように崩れ、風に吹かれて消えていくその様は、まるで戦場に漂っていた悪夢がようやく終わりを迎えたかのようだった。しかし、四人の息遣いが響く中で、再び訪れた静寂はどこか不気味な余韻を残している。

「終わった、のか……?」

ハイドロが吐き出すように呟く。辺りにはもう、魔物の気配は微塵も感じられない。静寂だけが残り、この場に漂うのは、安堵と疲労、そして一抹の不安だった。だが、それでもここには、もはや敵はいない──そう信じられる瞬間だった。

クオラは静かに身を震わせると、ウルフの形態から徐々にその姿を元の人型に戻していく。その変化は、まるで戦いが終わり、野生の本能がようやく落ち着きを取り戻すかのような儀式のようにも見えた。彼女の呼吸が徐々に落ち着いていくのを仲間たちは見守りながら、それぞれ武器をゆっくりと収める。

「なかなかの大仕事やったな。今日のところはこれでクエスト完了か?」

ステルバイは、肩をすくめながら笑みを浮かべた。しかしその声には、いつもの軽さとは異なる何か重たいものが含まれていた。彼もまた、この戦いの重圧から解放されたばかりで、まだ完全には心が追いついていないのだろう。

「それにしても……想像以上に魔物が侵攻している。一刻も早くギルドへ報告しなければ」

ダイショウが低く唸るように言う。彼の冷静な瞳の奥には、戦いの残骸を超えた何か、さらに大きな災厄の兆しを感じ取っているかのようだった。

クオラは地面に置いていた二本の鉈を拾い上げ、そのまま腰に静かに収める。その動作は、戦いの緊張から解き放たれた者特有の疲労が滲んでいた。彼女は深く息を吐き出し、やや汗ばんだ額をぬぐう。

「ふぅ……」

その瞬間だった。森の奥から突然、大量の鳥たちが一斉に飛び立つ音が響き渡る。黒い影が大空に広がり、羽ばたきの音が急速に空気を切り裂いていく。鳥たちは明らかに、何かを感じ取ったのだ。それも、ただならぬ何か──。

直感的に全員が身を固める。誰もが無言のまま、あたりの空気が一変したことを感じ取っていた。嫌な気配が肌を刺す。まるで、まだ何かが終わっていないような──そう、まさにその予感が彼らの背筋を凍りつかせていた。

そして、上空から無数の影が差し込んできた。闇のような、圧倒的な存在感を持った無数の影が、空を覆い尽くしていく。

クオラは息を呑み、冒険者たちと共にゆっくりと上空を見上げた。空を見上げた瞬間、彼らの顔が凍りつく。目の前に広がるその光景は、地獄そのものだった。

「こ、これは……」

その場にいた冒険者たちは言葉を失った。セシルは持っていた杖を力なく地面に落とし、ハイドロは足が震え、まるで地面に吸い込まれるかのように膝をついた。絶望が彼らの心を一瞬にして支配する。

クオラもまた、全身が震え出していた。歯が鳴り、目が見開かれる。彼女は目の前の光景から目を逸らすことができなかった──否、逸らすことすらできないほどの衝撃が、その場を支配していた。

上空に広がっていたのは、無数のワイバーンの群れ。その数はおよそ1000体以上──空の支配者が天を覆い尽くすかのように蠢いていたのだ。








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