異世界でスローライフを満喫する為に

美鈴

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第一部

Side勇者③

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「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

「そりゃあ!【ダッシュ突きぃぃぃ】!」


 賢治がモンスターを一撃で切り伏せる。一方康太はというとスキルを使っての攻撃だ。大砲が発射されたようにモンスターに向かって突撃。その勢いのまま放った槍が敵を貫き、モンスターは絶命。敵を倒して戻ってくる二人に声をかける。


「絶好調だな、二人とも?」

「本当だねぇ。やっぱり漢になってきた影響かな?」


 そういえば二人は昨日大人の階段を登ってきたんだったな。


「今朝も言ったが…アレは世界が変わるぜ?」

「ああ。賢治の言う通りだ。しかも俺の相手をしてくれたのは俗に獣人族って呼ばれてる兎っ子だぞ?アレは萌えに萌えたな…。別の意味でも燃えたけどな?」

「ちなみに俺の相手はエロフだったぜ☆」

 そう言ってニヤッとする賢治と康太。け、獣っ子だと!?しかも兎っ子だろ!?それは色々とズルくないか!?それからエロフって賢治お前…エルフの人に失礼だから他では絶対に言うんじゃないぞ?約束だぞ?俺も思ったけども…。いかんいかん。別の事を考えよう。こんな話ばかりしていると脳がピンクに染まってしまいそうだからな…。


 そ、それにしてもエルフもいるんだな。城下町で色んな種族を目にしたが…そういうのを実際に見たり聞いたりするとここは本当に異世界なんだなと実感するわ。いや、毎日実感していると言った方がいいか。


「飛駆も今夜あたりどうだ?」

「いや、俺は…」

「飛駆はグレンガルドの第一王女の…確かリリアさんだったっけ?彼女を狙ってるんだろ?」

「「「んなっ!?」」」

 賢治と康太とハモってしまった…。何故崇がそれを知っている!?

「あれ…?みんな知らなかったの?飛駆の態度見たらあんなのバレバレでしょっ?」

「そうなのか飛駆!?」
「俺は聞いてないぞ!?」

「…い、言ってないからな。それにしても崇はよく気付いたよな?俺のこの気持ちはバレてないと思ってたんだけどな?まあ、ぶっちゃけて言うが一目惚れだよ」

「「マジかぁぁぁ!?」」

「賢治も康太もホントに気がついていなかったんだね…」

「それに…なんというかリリアさんって佇まいとか…所作とかも綺麗だろう?勿論外見も凄く綺麗なんだけどな」

「「「ああ…確かに…」」」

「狙うなよ?」

「狙わねぇよ!人の恋路を邪魔する趣味はねぇよ!それに…俺にはエロフがいるからな」

「俺は応援するぞ?」

「僕も応援するよ!飛駆の初恋だろうしね」

「ああ…サンキューな?」

 一応応援してくれるみたいだからお礼を言う。それにしても賢治はよっぽどエルフのお姉さんが良かったんだろうな…。

「あれ?でもよぉ…初恋って実らないじゃなかったっけ?」

「そういえば…俺も実った事ないな…」

「お、おい、二人とも!そこは気を遣えよ!それにそれは人によりけりだろ?」

 賢治と康太が余計な事を言ってくる…。ま、まあ、確かにそう聞くけども…。

「いや…まあ…」

「そりゃあそうか」

「でも…」

「どうした崇?お前もまさか俺が不安になる事言うんじゃないだろうな?」

「あ、いや…その…お姫様って婚約者が居るんじゃないかな…って思って…」

「「「…えっ?」」」

 も、盲点だった…。そこら辺聞いてないし、話も禄にしてない…。

「崇の言う通り普通はいるよな?」

「そういえばこの世界結婚も早いって聞いたな」

「ま、マジか…」

 確かに言われてみると結婚してるかのように落ち着きがあるというかそういう雰囲気は…あったな……。

「まあ、いくらでも女性はいるさ!」

「だな…」

「ちょっ!?二人とも何で慰めに入ってるのっ!?まだ分からないでしょっ!?僕が余計な事言ったのが原因なのは分かるけどもっ!?」

「おっ!またモンスターだぞ?」

「んっ?」

「お、俺に任せてくれ」

 俺は剣を握りしめ、俺達の前に姿を見せた猪型のモンスターへと駆け出した。八つ当たりと言われればそれまでだが…。


「新技だ!くらっとけっ!【火斬り】!」

 スキルも魔法もそうだが使おうと思うとそれがどういものか自然と分かると崇から聞いていた。

 その通りだった。俺にはこのスキルの使い方が分かる。

 ゴォォォッっと、鋼の剣から火が燃え上がる。その名の通り火を纏った剣で敵をぶった斬る技だ。俺が敵に向かって放ったその一撃はいつもよりも簡単に猪型のモンスターを一刀両断にしてしまった。切断面に視線を落とすとブスブスと燃え焦げているのが分かる。凄い…。


「すげぇ…これがスキル…」

 俺が自分に感動していると三人が駆け寄ってくる。

「なんだよ、今の技!?」

「凄くかっこよかったな?燃え盛る剣っていう感じで♪」

「それがこの間覚えたって言ってたスキルだね?」

 
 もっと言ってくれ。自分で言うのもなんだが今のは凄くカッコよかったと思うんだよなっ!?


「ああ、これが俺の新しい力だ」

「やっぱり勇者っていうだけはあるよな。技だけはカッコいいんだもんなぁ」

「おいおい!?技だけかよ!?」


 賢治の言葉にそうツッコんで笑い合う。ああ、これだよな。本当に…。俺が求めていたものは全てここにある。

「俺も早くカッコいいスキル覚えてぇ」

「俺のダッシュ突きもカッコいいだろ!?」

「僕の魔法だってそういうカッコよさなら負けてないよ?」

「よし!今日はこのままモンスターを狩りまくろうぜ!早くレベルアップして魔法もスキルも覚えるとしよう!」

「だな。飛駆の失恋記念に狩りまくるか」

「だな。な~に!こっちの世界ならいい女がいっぱいいるさ!」

「そうだね!賢治と康太の言う通り…女性ならいっぱいいるよ!」

「なんで失恋した事になってんだよ!?」

「「「ハハハハハッ──」」」




 告白もしてないのに失恋してたまるかってぇの!まあ、とにかくそれから来る日も来る日もモンスターを狩りまくり、その結果…



❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶池面 飛駆  (いけづら ひかる) 

年齢∶15 
職業∶勇者
レベル∶10
体力∶45
魔力∶26
力∶33
俊敏∶20
器用∶15
知力∶10
運∶12

装備∶鋼の剣 鋼の盾 鋼の胸当て

パッシブスキル∶剣技Lv 3

スキル∶火斬り 雷斬り

魔法∶ファイア サンダー

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 



❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶再現 賢治  (さいげん けんじ) 

年齢∶15 
職業∶戦士
レベル∶10
体力∶60
魔力∶8
力∶40
俊敏∶11
器用∶11
知力∶8
運∶10

装備∶鋼の剣 鋼の兜 鋼の鎧 鋼の大盾

パッシブスキル∶剣技Lv 2 盾技Lv3

スキル∶力溜め 兜割り

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 



❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶仲間 崇  (なかま たかし) 

年齢∶15 
職業∶僧侶
レベル∶10
体力∶28
魔力∶48
力∶13
俊敏∶15
器用∶13
知力∶18
運∶12

装備∶鉄の錫杖 僧侶の服 僧侶の帽子 

スキル∶祈り  

魔法∶ライト エア ヒール

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉



❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 

名前∶霜村 康太  (しもむら こうた) 

年齢∶15 
職業∶槍使い
レベル∶10 
体力∶40
魔力∶15
力∶30
俊敏∶20
器用∶16
知力∶11
運∶13

装備∶鋼の槍 鋼の胸当て 鋼の兜

パッシブスキル∶槍技LV3

スキル∶ダッシュ突き ドリル突き 旋風突き

❉❉❉❉❉❉❉❉❉❉ 




 俺達はレベルアップしたんだ。んで、みんなと話し合った結果…


「なあ…そろそろ別の場所に行かないか?」

「賢治の言う通りだな。戦闘にも慣れてきたしな」

「うん。いいと思うよ。もっと南の方に行けば町があるらしいし…今度はそこを拠点にしてもいいかもね」

「…だよな」

「飛駆はイヤなのか?」

「あ、いや…勿論次の場所に行くのは賛成なんだけど…」

「どうせリリア王女の事でも考えてたんだろ?」

「…結婚はしていないみたいだが…諦めろ」

「…話す機会もないしね」

「くっ…い、言われなくてもそんなのは分かってんだよ」

 崇の言う通りリリア王女と話す機会がないしな。王様とは話できる機会があるんだけどな…。

「飛駆は後で娼館に連れて行って慰めてやるとして…冒険者ギルドはどうする?なんか今更な感はあるんだけど…」

「それな?魔物の素材とか色々買い取ってくれるらしいな?」

「ホント今更って感じの会話をしてるよね?」

「まあ、今は王様からもらった金があるからいいけど…どうせ稼がないといけないし、所属しておいた方がいいかもな」

「ああ…そうだな。娼館代を稼がないとな」

「康太は娼館から離れなよ…」

「まあ、とにかくだ…ギルドに登録してからここを発とう。そして…南にあるという町に向かうとしよう」

「「「了解」」」





 俺達がこの世界に来て一週間とちょっとか?ついに俺達はこの王都を離れて、新しい場所に向かう事にしたんだ。南の町は…どんなところなんだろうな?とても楽しみだ。



 追伸…獣人族の兎の女の子は…とても良かった事は俺の心に秘めておこうと思う。

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