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第一部
何故に
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「錬金するところを見ててもいいかしら?」
「…私も見る…」
ユウショウ兎の血を醤油に錬金する為に錬金ギルドへと行こうとしていたところでリーンさんとリカさんにティアさんの屋敷内でそう声を掛けられたんだ。だけど…
「それは構わないんだけど…」
「な、何よ?何か言いたい事でもあるわけっ!?」
「いや…言いたい事というか…」
「ハッキリ言いなさいよ?」
「何で二人ともここにいるの?」
「えっ!?今頃!?今朝食卓に私達も居たわよねっ!?」
「…リーンの言う通り…私はいた…」
「いや…それは分かってるんだけど…食事の時は話し掛けられる雰囲気じゃなかったじゃん?」
「「…うっ!?」」
二人とも思い当たる節があるんだろうな。まあ、なんて事ない話だ。今朝は俺がみんなの朝の料理を作ったんだけど、そのせいでゆっくり食事できなくなったんだよね…。俺のせいとも言うのかも知れないが…。
『──マスターのせいではありませんよ!しいて言うなら私のせいですね』
いや、サチが謝る事はないよ?サチが教えてくれるから美味しい料理に俺もありつけるんだからさ。
『──マスター…』
まあ、俺が作ったのはなんちゃってフレンチトーストだ。なんちゃってってつけたのは材料が足りないからだな。材料はこんな感じで、卵、牛乳、砂糖とパン。まずは卵と牛乳と砂糖を混ぜ合わせていわゆる卵液を作る。バニラエッセンスがないのがサチ的には納得いかないみたいだけどな。まあ、とにかく後は卵液にパンを漬け込んで焼いて完成というわけだ。メープルシロップもないので、お好みで追加の砂糖を眩して食べるようにしたんだけど…コレがまあ、大人気も大人気。
「ネネ!?それは私の分ですよ!?」
「…お嬢様。ここは最早戦場ですよ?早い者勝ちです!あむっ……美味いニャッー!?」
「お嬢様…ネネの言う通りです!」
「私もいただくよ!!あむっ…」
「私も!」
「あ、あなた達まで!?ハヤブサ様は大事なお客人なんですよ!?はしたないですよ!?」
「お嬢様。侍女である私達ははしたないのは当然存じております」
「なら…」
「しかし…止まるわけにはいかないのです!」
「侍女長の言う通りです!こんな美味しい料理を前にして仕事なんてできません!」
「いや…仕事しなさいよ…」
「そういうお嬢様こそ…ご自身のお皿を見てからおっしゃって下さいませ」
「…へっ?」
「どさくさに紛れて5枚もふれんちとーすとを自分のお皿に取ってるじゃないですか!?それこそハヤブサ様のお手を煩わせているのでは?」
「あぅっ…こ、これは…仕方ないのです…甘くて美味くて…こんなの初めてで…こ、これは…そう!は、ハヤブサ様が悪いのです…」
「…ええ。お嬢様の言う通りハヤブサ様のせいニャッ!」
「「「「「同意します!」」」」」
まあ、そんな感じで朝からフレンチトーストをガンガン作る事になっちゃったんだけど、その中にリーンさんとリカさんの姿もあったというわけだ。黙々と食していたし、とても話し掛けられる雰囲気じゃあなかったというわけだ。作るのに忙しかったというのもあるんだけどね。
「まあ、それで…何故に二人ともメイド服を着てるの?」
「何よ…似合ってないとでも言いたいわけ?」
「いや、似合ってます」
「そ、そう…?そ、それなら…いいけど…」
「…むふぅ~…」
似合ってると答えたら二人とも喜んでくれているのはいいんだけど…肝心の問いには答えてもらってないんだよなぁ…。
「私がお答えしますね?お二人にはハヤブサ様の護衛も依頼したからです」
ティアさんがそう言いながらこちらへと向かってくる。
「お二人がユウショウ兎を取りに行かれてる間はネネがハヤブサ様の護衛におつきします。それ以外の時間はリーンさんとリカさんに護衛兼侍女の仕事も兼ねてハヤブサ様についてもらう事になりました」
なるほど…それでメイド服なのか…。でも…護衛って…
『──ティアさんにとってマスターは大事なお客人ですからね。万全を期していきたいのでしょう。醤油だけでもマスターの価値はかなりのモノですからね』
『そういうものか?』
『──そういうものです』
「後、お二人はここに住み込む事になりましたので、何かあれば二人におっしゃって下さい」
「えっ…と…分かりました」
「まあ、そういうわけよ」
「…宜しく…」
「宜しくお願いします」
どうやらそういう事らしい。まあ、二人がいてくれるのなら心強いか。それから少し雑談を交わしてから俺達は錬金ギルドへと向かったんだ。ゼンさんとケイトさんに挨拶してから錬金室を借りて早速醤油を錬金していく。ドレインさんに渡す分の醤油だ。
「…早いわね」
「…同意…」
「みんなこんなもんなんじゃないの?」
「他の人の錬金を見た事あるから分かるんだけど…無駄がないって感じね」
「…そうそう…」
そうなんだな。じゃあ…サチに感謝しないとな。サチありがとうな?
『──マスターの力ですよ!』
まあ、サチならそういうだろうとは思ったけど、やっぱり礼は言わないとな?本当にそう思ってるしな。
『──光栄です♪』
「それにしても…あんたのジョブって錬金術師だったのね?」
「えっ?違うけど?」
「「…えっ?」…」
「はぁっ!?錬金術師じゃないのに錬金術師以上に錬金してるって事!?」
「まあ…スキル覚えてるしね?」
「そういう問題なの!?」
「…規格外…」
まあ、うちのサチが有能過ぎるからなぁ。本当に全部サチのお陰だしな。
『──いい機会なのでついでに二人にもっと驚いてもらいましょうか?マスターも成長できるしちょうどいいでしょう』
いい機会?成長?二人が驚くって…何するんだ?
『──こうおっしゃって下さい。俺が────
─────────────────────────────────────────』
「…本気で言ってる?」
「…正気…?」
「あ、うん。とりあえずこの錬金した醤油を届けた後でね?」
「…分かった」
「…面白い…」
本当に大丈夫なんだろうか?少し心配になるけどサチが言ってるから大丈夫なんだろう。まずはコレを届けてからだな。
♢
「確かに。しかも一樽多くいただきまして本当にありがとうございます」
「ドレインさんとは長いつき合いになりそうですし、リーンさんとリカさんの賠償金で色々無理言ったのは分かってますので」
「お任せ下さい。そちらは問題ないように対処してみせますので。それと以前お伝えした通りわたくしと入れ替わりに孫が来ますので何かありましたら孫に伝えて下さい」
「分かりました」
「リーン様もリカ様もいいお人に恵まれましたね?」
「…そうね」
「…激しく同意…」
「…ではわたくしはそろそろ…領主のティア様にも宜しくお伝え下さいませ」
「はい」
馬車に乗ったドレインさんを見送った後、早速とばかりにリーンさんが声を掛けてくる。
「さて…と。じゃあ…どこでやる?」
「…町の外…?…ギルドの地下…?…」
「…リカさんは魔法が主戦ですよね?」
「…その通り…」
「じゃあ…冒険者ギルドの地下に行きましょうか。あそこなら錬金室と同じように結界があるしね」
「…そうする…」
「あなたもそれでいいかしら?」
「うん。いいよ」
そして…今度は冒険者ギルドの地下へと向かう事に。地下は闘技場みたいになっていて、模擬戦やらなんやらできるらしいんだよね。魔法を使っても安全なんだそうだ。まあ、この時はあんな事になるなんて全く想像すらできなかった…。本当…チートだわ。
「…私も見る…」
ユウショウ兎の血を醤油に錬金する為に錬金ギルドへと行こうとしていたところでリーンさんとリカさんにティアさんの屋敷内でそう声を掛けられたんだ。だけど…
「それは構わないんだけど…」
「な、何よ?何か言いたい事でもあるわけっ!?」
「いや…言いたい事というか…」
「ハッキリ言いなさいよ?」
「何で二人ともここにいるの?」
「えっ!?今頃!?今朝食卓に私達も居たわよねっ!?」
「…リーンの言う通り…私はいた…」
「いや…それは分かってるんだけど…食事の時は話し掛けられる雰囲気じゃなかったじゃん?」
「「…うっ!?」」
二人とも思い当たる節があるんだろうな。まあ、なんて事ない話だ。今朝は俺がみんなの朝の料理を作ったんだけど、そのせいでゆっくり食事できなくなったんだよね…。俺のせいとも言うのかも知れないが…。
『──マスターのせいではありませんよ!しいて言うなら私のせいですね』
いや、サチが謝る事はないよ?サチが教えてくれるから美味しい料理に俺もありつけるんだからさ。
『──マスター…』
まあ、俺が作ったのはなんちゃってフレンチトーストだ。なんちゃってってつけたのは材料が足りないからだな。材料はこんな感じで、卵、牛乳、砂糖とパン。まずは卵と牛乳と砂糖を混ぜ合わせていわゆる卵液を作る。バニラエッセンスがないのがサチ的には納得いかないみたいだけどな。まあ、とにかく後は卵液にパンを漬け込んで焼いて完成というわけだ。メープルシロップもないので、お好みで追加の砂糖を眩して食べるようにしたんだけど…コレがまあ、大人気も大人気。
「ネネ!?それは私の分ですよ!?」
「…お嬢様。ここは最早戦場ですよ?早い者勝ちです!あむっ……美味いニャッー!?」
「お嬢様…ネネの言う通りです!」
「私もいただくよ!!あむっ…」
「私も!」
「あ、あなた達まで!?ハヤブサ様は大事なお客人なんですよ!?はしたないですよ!?」
「お嬢様。侍女である私達ははしたないのは当然存じております」
「なら…」
「しかし…止まるわけにはいかないのです!」
「侍女長の言う通りです!こんな美味しい料理を前にして仕事なんてできません!」
「いや…仕事しなさいよ…」
「そういうお嬢様こそ…ご自身のお皿を見てからおっしゃって下さいませ」
「…へっ?」
「どさくさに紛れて5枚もふれんちとーすとを自分のお皿に取ってるじゃないですか!?それこそハヤブサ様のお手を煩わせているのでは?」
「あぅっ…こ、これは…仕方ないのです…甘くて美味くて…こんなの初めてで…こ、これは…そう!は、ハヤブサ様が悪いのです…」
「…ええ。お嬢様の言う通りハヤブサ様のせいニャッ!」
「「「「「同意します!」」」」」
まあ、そんな感じで朝からフレンチトーストをガンガン作る事になっちゃったんだけど、その中にリーンさんとリカさんの姿もあったというわけだ。黙々と食していたし、とても話し掛けられる雰囲気じゃあなかったというわけだ。作るのに忙しかったというのもあるんだけどね。
「まあ、それで…何故に二人ともメイド服を着てるの?」
「何よ…似合ってないとでも言いたいわけ?」
「いや、似合ってます」
「そ、そう…?そ、それなら…いいけど…」
「…むふぅ~…」
似合ってると答えたら二人とも喜んでくれているのはいいんだけど…肝心の問いには答えてもらってないんだよなぁ…。
「私がお答えしますね?お二人にはハヤブサ様の護衛も依頼したからです」
ティアさんがそう言いながらこちらへと向かってくる。
「お二人がユウショウ兎を取りに行かれてる間はネネがハヤブサ様の護衛におつきします。それ以外の時間はリーンさんとリカさんに護衛兼侍女の仕事も兼ねてハヤブサ様についてもらう事になりました」
なるほど…それでメイド服なのか…。でも…護衛って…
『──ティアさんにとってマスターは大事なお客人ですからね。万全を期していきたいのでしょう。醤油だけでもマスターの価値はかなりのモノですからね』
『そういうものか?』
『──そういうものです』
「後、お二人はここに住み込む事になりましたので、何かあれば二人におっしゃって下さい」
「えっ…と…分かりました」
「まあ、そういうわけよ」
「…宜しく…」
「宜しくお願いします」
どうやらそういう事らしい。まあ、二人がいてくれるのなら心強いか。それから少し雑談を交わしてから俺達は錬金ギルドへと向かったんだ。ゼンさんとケイトさんに挨拶してから錬金室を借りて早速醤油を錬金していく。ドレインさんに渡す分の醤油だ。
「…早いわね」
「…同意…」
「みんなこんなもんなんじゃないの?」
「他の人の錬金を見た事あるから分かるんだけど…無駄がないって感じね」
「…そうそう…」
そうなんだな。じゃあ…サチに感謝しないとな。サチありがとうな?
『──マスターの力ですよ!』
まあ、サチならそういうだろうとは思ったけど、やっぱり礼は言わないとな?本当にそう思ってるしな。
『──光栄です♪』
「それにしても…あんたのジョブって錬金術師だったのね?」
「えっ?違うけど?」
「「…えっ?」…」
「はぁっ!?錬金術師じゃないのに錬金術師以上に錬金してるって事!?」
「まあ…スキル覚えてるしね?」
「そういう問題なの!?」
「…規格外…」
まあ、うちのサチが有能過ぎるからなぁ。本当に全部サチのお陰だしな。
『──いい機会なのでついでに二人にもっと驚いてもらいましょうか?マスターも成長できるしちょうどいいでしょう』
いい機会?成長?二人が驚くって…何するんだ?
『──こうおっしゃって下さい。俺が────
─────────────────────────────────────────』
「…本気で言ってる?」
「…正気…?」
「あ、うん。とりあえずこの錬金した醤油を届けた後でね?」
「…分かった」
「…面白い…」
本当に大丈夫なんだろうか?少し心配になるけどサチが言ってるから大丈夫なんだろう。まずはコレを届けてからだな。
♢
「確かに。しかも一樽多くいただきまして本当にありがとうございます」
「ドレインさんとは長いつき合いになりそうですし、リーンさんとリカさんの賠償金で色々無理言ったのは分かってますので」
「お任せ下さい。そちらは問題ないように対処してみせますので。それと以前お伝えした通りわたくしと入れ替わりに孫が来ますので何かありましたら孫に伝えて下さい」
「分かりました」
「リーン様もリカ様もいいお人に恵まれましたね?」
「…そうね」
「…激しく同意…」
「…ではわたくしはそろそろ…領主のティア様にも宜しくお伝え下さいませ」
「はい」
馬車に乗ったドレインさんを見送った後、早速とばかりにリーンさんが声を掛けてくる。
「さて…と。じゃあ…どこでやる?」
「…町の外…?…ギルドの地下…?…」
「…リカさんは魔法が主戦ですよね?」
「…その通り…」
「じゃあ…冒険者ギルドの地下に行きましょうか。あそこなら錬金室と同じように結界があるしね」
「…そうする…」
「あなたもそれでいいかしら?」
「うん。いいよ」
そして…今度は冒険者ギルドの地下へと向かう事に。地下は闘技場みたいになっていて、模擬戦やらなんやらできるらしいんだよね。魔法を使っても安全なんだそうだ。まあ、この時はあんな事になるなんて全く想像すらできなかった…。本当…チートだわ。
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