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第一部
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朝ご飯を食べてからリーンとリカさんに稽古をつけた後、サチに言われたように今日は市場の方へ足を運ぶ。
「朝は…その…本当にごめんなさい…」
「そんなに何度も謝らなくていいよ、リーン」
「あ…うん。そう言ってくれると助かるわ」
「俺も何度も言うけど気をつけないと危ないよ?」
「わ、分かってるわよ…寝惚けてリカに抱き着いてたことはよくあるけど…男性にそんな事した事ないわよ…あ、あんた以外には…」
「えっ…と…光栄です?」
「ば、ばかっ…こ、光栄ですって何よ…」
「…もしかして…二人だけの時間を楽しんでる…?…私もいるのに…?…」
「んなっ!?そ、そんなんじゃないわよ!?勘違いしないでよねっ!?」
顔を真っ赤に染めながらリカさんに反論するリーン。リカさんはからかっているんだと思うよ?リーンは反応というかリアクションがいいし。
「ちゃんとリカさんがいるのも分かってるし、二人だけの時間を楽しんでるわけじゃないからね?リカさん?」
「…私の事も呼びすてでいい…」
「うん…じゃあ…リカって呼ぶね」
こうしてリーンとリカの事を呼び捨てで呼んでるけど、何気に俺にはハードル高いんだぞ?表情に出してないだけで…。
『──いえ、表情に出てますよ?』
『サチは余計な事言わなくていいんだよ…』
「…んっ…それでいい…」
「あんたも人の事言えないんじゃない?」
「…私は二人っきりのつもり…」
「二人っきりのつもり…って、あたしが居るでしょうがっ!?」
「…いないものと思ってるから大丈夫…」
「全然大丈夫じゃないわよ!?ホントにあんたは…」
「まあまあ…リーンさん落ち着いて?リーンもリカは本当に仲が良くてなによりだよ」
「…そう?」
「…腐れ縁…」
「んなっ!?あんたが言うのっ!?」
うん。ホント二人は見てて微笑ましいな。
『──マスター』
『ん?』
『──市場に着きましたよ』
ポツンポツンと屋台みたいなものが並んでいるのが視界に入る。これが市場…?活気がなく人通りもそんなに多くない。まばらってやつだ。ぶっちゃけていうと賑わってないよな?
『──まだまだ領地に人は少ないですからねぇ。商売してる人も少ないですしね』
ああ。そうだったね。王都は賑わっていたからそういうのを想像してたんだけど…田舎だし、こんなもんか?
『──ですね。まあ、もう暫くはこんな感じでしょうね』
もう暫くっていう事は活気づくという事か?
『──ええ』
なるほど…サチがなんとかするというわけか。
『──私というよりはマスターがですね。まあ、それもまだ先の話ですし、とにかく今はせっかくこうして市場に来た事ですし、色々見て回って下さいな』
了解。色々見て回るとするか。
♢
「おっ!?こんにちは、あんちゃん。見ない顔だけど何か頼まれたのかい?」
そう言って気さくに話しかけてきてくれたのは店を出してるおっちゃんだ。パッと見て扱っているのはどうやら肉類のようだ。
「こんにちは。頼まれたわけじゃないんですけど、この街に来てまだ日が浅いので、色々と見て回ろうかなとしているところでして」
「そうかい。そういう事ならこれから宜しくな?常連になってくれると嬉しいぜ?美人なメイドさんを二人も連れてるみたいだし、どこぞの金持ちさんかと思っていた…って、そこにいるのはもしかして…リーンとリカかっ!?」
「えっ?今頃?」
「…気づくの遅い…」
どうやらこのおっちゃん、リーンとリカとは顔見知りのようだ。
『──店も少ないですし、二人はここで肉をよく買い込んでいたみたいですね』
道理で。
「何やってんだ二人とも?メイド服なんか着込んでからに。冒険者はとうとう辞めたのか?」
「辞めてないわよ?」
「…二人とも彼の愛人になった…」
「「はぁっ!?」」
おっちゃんとリーンの驚いた声が重なる。俺も思わず声が洩れそうだったわ。我に返ったリーンがおっちゃんにこうなった事情をしっかりと説明している。リカの何気ない一言には本当に注意しないと余計な誤解を受けそうだ。
「──なるほどな。そんでそんな格好してのかい。でも一緒に暮らしてんならリカの言う事もあながち間違っていないんじゃないのか?ガハハハハハッ──」
「んなっ!?」
はい。リーンの本日二度目となる『んなっ!?』をいただきました。
『──こういう時に助かるって使うんでしたよね?』
その通りだ。くしゃみとかでも使ったりするぞ?
『──流石はホ◯ライブの白◯フブキちゃんの配信を欠かさず観ていただけはありますね』
まぁな。内緒だぞ?
「…私の言った通り…」
「だからあんたはややこしくなるから黙ってなさいよ!」
「まあ、いいじゃないかどっちでも」
「よ、よくないわよ!?」
「…おっちゃんの言う通り…些細な事…」
「全然些細じゃないわよ!愛人なんて外聞が悪いでしょうがっ!」
「まあまあ。リーンは落ち着けって!俺も余計な事言っちまったから肉をサービスしてやっからよぅ!リカは相変わらずでなによりだ。とにかくあんちゃん。この通り二人はいい子達なんで宜しく頼むわ!あんちゃんにも勿論サービスすっからよぉ!」
「はい、勿論です」
『──マスター。せっかくですし、商品を見るだけでは悪いのでここで肉を買っておきましょう』
『何の肉を買えばいいんだ?全部…魔物の肉だよな?』
『──ミノタウロスの肉は牛肉ですね。普通の牛肉よりかは油が少ないですが。ミノタウロス自身の見た目も牛に近いですしね。後は…オークの肉を買いましょう!調理の仕方によっては豚よりも美味しくなりますよ。量はそうですねぇ…どちらも全部もらいましょう』
全部…?そんなにか?
『──アイテムボックスの中は時間停止の効果もありますので腐りませんし、なによりマスターがそれらを使って料理を作ったとなればリーンさんやリカさん、それにティアさんやネネさん、それに屋敷の人達も食べたがるのは目に見えてますので材料等はいくらあってもいいと思いますよ』
それはそうか…。了解。全部だな?──って金は!?金が足りないだろっ!?金貨みたいなものをティアさんが屋敷を出る前に五枚は持たせてくれてるけども…
『──その金貨一枚でたんまりお釣りがきますよ?ですが…店のご主人がお釣りを用意するのが大変だと思いますので…店の商品全部に致しましょうか』
ティアさぁぁぁぁん!?俺にいくら持たせてくれよったとっ!?
『──マスターに分かりやすく言えば…その金貨一枚で百万円の価値といったら分かりますよね?』
持たせ過ぎっ!?持たせ過ぎだよティアさん!?余談だがこの世界のお金はこんな感じになっている。
特特金貨一枚→一千万円
特金貨一枚→百万円
上金貨一枚→十万円
金貨一枚→一万円
銀貨一枚→千円
銅貨一枚→百円
鉄貨一枚→十円
「と、とにかく…」
「んっ?どうしたんだあんちゃん?何かあったのか?」
「あ、いえ…とりあえず店の商品を全部もらえますか?」
「はいよ!全部だな!毎度ありっ!…んっ?ぜ、全部…?全部って言ったか?」
「あ、はい」
「き、聞き間違いじゃあなかった…あんちゃんって…とんでもなく上玉なお客さんだったんだな…?」
「ちょっ!?全部って本気なの!?」
「…流石…」
「まあ…リーンとリカは俺が作った料理食べるよね?ティアさん達もだけど…」
「うっ…そ、そりゃあ…あんたの料理は美味しいし…」
「…食べない選択肢はない…」
「あんちゃん料理も出来るんだな?リーンもリカもすでにあんちゃんに胃袋まで掴まれてるじゃねぇか」
「は、反論できない…」
「…反論なんて必要ない…事実…」
「まあ、いいじゃないか。胃袋も掴まれてナンボってやつよ。とにかく分かった。全部だな?肉はあんちゃん家に届ければいいかい?」
「収納の魔法具がありますので」
アイテムボックスのスキルだけども。
「ほぅ~。魔法具まで持ってんのかい。じゃあ…収納してくれや!」
「分かりました。あっ、これお金です。お釣りはいりませんので」
「ホント若いのに大したもんだ。おい、リーンとリカ、ちょっとこっちに来てくれ。あんちゃんはあそこの箱とあっちの箱も収納しててくれや。あの箱にも肉が入ってるからよぅ。それらはさっき言ったサービスだ!」
「あ、分かりました!ありがとうございます」
「いいって事よ!」
俺は買った肉を次々と収納していく。その間に店のおっちゃんはリーンとリカとなにやら話をしているみたいだ。おっちゃんとの仲もいいみたいだし、この店の常連だったみたいなので色々と話したい事もあるんだろう。
「…何よ?」
「…何?…」
「リーンもリカも…あんちゃんを逃がすんじゃないぞ?」
「んなっ!?そ、そんなんじゃあ…」
「…もちっ!…」
「リカは流石だな?よ~く分かってるな。リーンはそんなじゃあ損するぞ?ツンデレは悪くないけども」
「失礼ね!?ツンデレじゃあないわよ!?」
「…大丈夫…リーンはすでに彼と同衾した…」
「おっ…なんだ…ヤる事ヤッてたんだな…そりゃあ余計な心配しちまったな」
「ヤってないから!?」
「…次は私が同衾…」
「あんたは馬鹿な事ばっかり言うなぁぁ!!」
そんなやり取りがあってる事を俺は知らない。知っているとしたらサチだけだろうな。
『──当然です』
「朝は…その…本当にごめんなさい…」
「そんなに何度も謝らなくていいよ、リーン」
「あ…うん。そう言ってくれると助かるわ」
「俺も何度も言うけど気をつけないと危ないよ?」
「わ、分かってるわよ…寝惚けてリカに抱き着いてたことはよくあるけど…男性にそんな事した事ないわよ…あ、あんた以外には…」
「えっ…と…光栄です?」
「ば、ばかっ…こ、光栄ですって何よ…」
「…もしかして…二人だけの時間を楽しんでる…?…私もいるのに…?…」
「んなっ!?そ、そんなんじゃないわよ!?勘違いしないでよねっ!?」
顔を真っ赤に染めながらリカさんに反論するリーン。リカさんはからかっているんだと思うよ?リーンは反応というかリアクションがいいし。
「ちゃんとリカさんがいるのも分かってるし、二人だけの時間を楽しんでるわけじゃないからね?リカさん?」
「…私の事も呼びすてでいい…」
「うん…じゃあ…リカって呼ぶね」
こうしてリーンとリカの事を呼び捨てで呼んでるけど、何気に俺にはハードル高いんだぞ?表情に出してないだけで…。
『──いえ、表情に出てますよ?』
『サチは余計な事言わなくていいんだよ…』
「…んっ…それでいい…」
「あんたも人の事言えないんじゃない?」
「…私は二人っきりのつもり…」
「二人っきりのつもり…って、あたしが居るでしょうがっ!?」
「…いないものと思ってるから大丈夫…」
「全然大丈夫じゃないわよ!?ホントにあんたは…」
「まあまあ…リーンさん落ち着いて?リーンもリカは本当に仲が良くてなによりだよ」
「…そう?」
「…腐れ縁…」
「んなっ!?あんたが言うのっ!?」
うん。ホント二人は見てて微笑ましいな。
『──マスター』
『ん?』
『──市場に着きましたよ』
ポツンポツンと屋台みたいなものが並んでいるのが視界に入る。これが市場…?活気がなく人通りもそんなに多くない。まばらってやつだ。ぶっちゃけていうと賑わってないよな?
『──まだまだ領地に人は少ないですからねぇ。商売してる人も少ないですしね』
ああ。そうだったね。王都は賑わっていたからそういうのを想像してたんだけど…田舎だし、こんなもんか?
『──ですね。まあ、もう暫くはこんな感じでしょうね』
もう暫くっていう事は活気づくという事か?
『──ええ』
なるほど…サチがなんとかするというわけか。
『──私というよりはマスターがですね。まあ、それもまだ先の話ですし、とにかく今はせっかくこうして市場に来た事ですし、色々見て回って下さいな』
了解。色々見て回るとするか。
♢
「おっ!?こんにちは、あんちゃん。見ない顔だけど何か頼まれたのかい?」
そう言って気さくに話しかけてきてくれたのは店を出してるおっちゃんだ。パッと見て扱っているのはどうやら肉類のようだ。
「こんにちは。頼まれたわけじゃないんですけど、この街に来てまだ日が浅いので、色々と見て回ろうかなとしているところでして」
「そうかい。そういう事ならこれから宜しくな?常連になってくれると嬉しいぜ?美人なメイドさんを二人も連れてるみたいだし、どこぞの金持ちさんかと思っていた…って、そこにいるのはもしかして…リーンとリカかっ!?」
「えっ?今頃?」
「…気づくの遅い…」
どうやらこのおっちゃん、リーンとリカとは顔見知りのようだ。
『──店も少ないですし、二人はここで肉をよく買い込んでいたみたいですね』
道理で。
「何やってんだ二人とも?メイド服なんか着込んでからに。冒険者はとうとう辞めたのか?」
「辞めてないわよ?」
「…二人とも彼の愛人になった…」
「「はぁっ!?」」
おっちゃんとリーンの驚いた声が重なる。俺も思わず声が洩れそうだったわ。我に返ったリーンがおっちゃんにこうなった事情をしっかりと説明している。リカの何気ない一言には本当に注意しないと余計な誤解を受けそうだ。
「──なるほどな。そんでそんな格好してのかい。でも一緒に暮らしてんならリカの言う事もあながち間違っていないんじゃないのか?ガハハハハハッ──」
「んなっ!?」
はい。リーンの本日二度目となる『んなっ!?』をいただきました。
『──こういう時に助かるって使うんでしたよね?』
その通りだ。くしゃみとかでも使ったりするぞ?
『──流石はホ◯ライブの白◯フブキちゃんの配信を欠かさず観ていただけはありますね』
まぁな。内緒だぞ?
「…私の言った通り…」
「だからあんたはややこしくなるから黙ってなさいよ!」
「まあ、いいじゃないかどっちでも」
「よ、よくないわよ!?」
「…おっちゃんの言う通り…些細な事…」
「全然些細じゃないわよ!愛人なんて外聞が悪いでしょうがっ!」
「まあまあ。リーンは落ち着けって!俺も余計な事言っちまったから肉をサービスしてやっからよぅ!リカは相変わらずでなによりだ。とにかくあんちゃん。この通り二人はいい子達なんで宜しく頼むわ!あんちゃんにも勿論サービスすっからよぉ!」
「はい、勿論です」
『──マスター。せっかくですし、商品を見るだけでは悪いのでここで肉を買っておきましょう』
『何の肉を買えばいいんだ?全部…魔物の肉だよな?』
『──ミノタウロスの肉は牛肉ですね。普通の牛肉よりかは油が少ないですが。ミノタウロス自身の見た目も牛に近いですしね。後は…オークの肉を買いましょう!調理の仕方によっては豚よりも美味しくなりますよ。量はそうですねぇ…どちらも全部もらいましょう』
全部…?そんなにか?
『──アイテムボックスの中は時間停止の効果もありますので腐りませんし、なによりマスターがそれらを使って料理を作ったとなればリーンさんやリカさん、それにティアさんやネネさん、それに屋敷の人達も食べたがるのは目に見えてますので材料等はいくらあってもいいと思いますよ』
それはそうか…。了解。全部だな?──って金は!?金が足りないだろっ!?金貨みたいなものをティアさんが屋敷を出る前に五枚は持たせてくれてるけども…
『──その金貨一枚でたんまりお釣りがきますよ?ですが…店のご主人がお釣りを用意するのが大変だと思いますので…店の商品全部に致しましょうか』
ティアさぁぁぁぁん!?俺にいくら持たせてくれよったとっ!?
『──マスターに分かりやすく言えば…その金貨一枚で百万円の価値といったら分かりますよね?』
持たせ過ぎっ!?持たせ過ぎだよティアさん!?余談だがこの世界のお金はこんな感じになっている。
特特金貨一枚→一千万円
特金貨一枚→百万円
上金貨一枚→十万円
金貨一枚→一万円
銀貨一枚→千円
銅貨一枚→百円
鉄貨一枚→十円
「と、とにかく…」
「んっ?どうしたんだあんちゃん?何かあったのか?」
「あ、いえ…とりあえず店の商品を全部もらえますか?」
「はいよ!全部だな!毎度ありっ!…んっ?ぜ、全部…?全部って言ったか?」
「あ、はい」
「き、聞き間違いじゃあなかった…あんちゃんって…とんでもなく上玉なお客さんだったんだな…?」
「ちょっ!?全部って本気なの!?」
「…流石…」
「まあ…リーンとリカは俺が作った料理食べるよね?ティアさん達もだけど…」
「うっ…そ、そりゃあ…あんたの料理は美味しいし…」
「…食べない選択肢はない…」
「あんちゃん料理も出来るんだな?リーンもリカもすでにあんちゃんに胃袋まで掴まれてるじゃねぇか」
「は、反論できない…」
「…反論なんて必要ない…事実…」
「まあ、いいじゃないか。胃袋も掴まれてナンボってやつよ。とにかく分かった。全部だな?肉はあんちゃん家に届ければいいかい?」
「収納の魔法具がありますので」
アイテムボックスのスキルだけども。
「ほぅ~。魔法具まで持ってんのかい。じゃあ…収納してくれや!」
「分かりました。あっ、これお金です。お釣りはいりませんので」
「ホント若いのに大したもんだ。おい、リーンとリカ、ちょっとこっちに来てくれ。あんちゃんはあそこの箱とあっちの箱も収納しててくれや。あの箱にも肉が入ってるからよぅ。それらはさっき言ったサービスだ!」
「あ、分かりました!ありがとうございます」
「いいって事よ!」
俺は買った肉を次々と収納していく。その間に店のおっちゃんはリーンとリカとなにやら話をしているみたいだ。おっちゃんとの仲もいいみたいだし、この店の常連だったみたいなので色々と話したい事もあるんだろう。
「…何よ?」
「…何?…」
「リーンもリカも…あんちゃんを逃がすんじゃないぞ?」
「んなっ!?そ、そんなんじゃあ…」
「…もちっ!…」
「リカは流石だな?よ~く分かってるな。リーンはそんなじゃあ損するぞ?ツンデレは悪くないけども」
「失礼ね!?ツンデレじゃあないわよ!?」
「…大丈夫…リーンはすでに彼と同衾した…」
「おっ…なんだ…ヤる事ヤッてたんだな…そりゃあ余計な心配しちまったな」
「ヤってないから!?」
「…次は私が同衾…」
「あんたは馬鹿な事ばっかり言うなぁぁ!!」
そんなやり取りがあってる事を俺は知らない。知っているとしたらサチだけだろうな。
『──当然です』
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