貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴

文字の大きさ
51 / 108

おこです

しおりを挟む
 テレビに出演した翌日。学校に登校すると普段とは様子が違っていた。校門に足を踏み入れたところでコチラを見ながらガヤガヤしているのに気がついた。ふと、耳を澄ましてみると………

 「アレ…って…昨日テレビに出ていた?」 

「名前は確か…なにぶさだったっけっ?」 

「隼だったと思うよ」 

「心が綺麗なもんにしかホントの姿見えないんだろ?」 

「実際は凄く格好いいらしいんじゃん」 

「ああ、芽茶だったっけっ?今売れてるアイドル?」

 「そうそう。あの子可愛いだけじゃなくて、心も綺麗だったんだね」 

「それはどうでもいい。問題は…」 

「ええ、そうね…」 

「いつヤるかよね?」 

「それな?一度くらいはいいだろ?」 

「一度で済まないらしいよ?ルナ先輩がいつも『何度も何度も愛されて困ってしまいますわ!おっほっほっ…』って、自慢しているもの…」 

「…アリシア先輩もだろ?」 

「1年の相川も言ってたな…」

「しかも…その人達は心が綺麗って証拠なんだろ?羨ましいわ」

  ──などなど…。どうやら俺の事を言ってるようで、反応は様々だった。これがテレビの影響力なのかと思ったもんだ。それにしてもルナ先輩達は何を言いふらしてるんだか…。もう…豊ちゃん、まいっちんぐっ! そんな事を思いながら教室へ。席に着いてふと隣に視線を向けると頬をフグみたいに膨らませてこちらをジッっと見る幸子の姿が視界に入った。まるで私怒ってるんですとアピールしているかのようだ。 

「えっ…と…おはよう、幸子」 

「…おはよう。私…おこなんだよ?」 

 そっかぁ…怒ってるかぁ~。見た目通りだったかぁ~。 

「なるほど…な。もしかして便秘か?ちなみに俺は今日も快便だったぞ?」 

「違うよっ!?便秘じゃあないよっ!?快便は良かったね?って、そうじゃないんだよっ!?」 

 便秘じゃなかったか…。なら… 

「もしかして…テレビに出演した事か?」 

「…そ、それもある…かな…」 

 それも?まだ他にあるとっ!? 

「テレビはアレだぞ?真冬が言うから仕方なくな?」 

「…それは知ってるもん」

「なら…」 

 なんだろうな?と、言葉を紡ぐ前に幸子が言葉を被せてきた。

 「…ちょっとだけ…ううん…かなり妬いてるだけ…豊和君が悪いわけじゃないのは分かってるんだけど…みんな豊和君に注目してるみたいだし…私はずっと前から豊和君の事を見てたのに…」 

 可愛よっ!?可愛過ぎんかっ!?やるな、幸子?今の言葉と少し拗ねたようなその表情でご飯を五杯はおかわりできるぞ? 

「それに…真冬ちゃんから聞いたんだもん…今度…映画に出演するって…しかも、芽茶さんっていうアイドルと…」 

 幸子がそこまで言ったところで先生が教室へと入ってきた。なんと間の悪い事よ。 

「おぃ~~~すっ!今日も元気か?特に男子は朝勃ちしているか?健康の秘訣だぞ?先生なんか今日も濡れに濡れているぞ?チラっ!チラっ!」 

 口でチラチラ言いながら俺に視線を送るのを止めてもらっていいですかね?公私混同も甚だしいのですがっ?いや、この世界にそんなもんはなかったな…。ほら、先生が朝からそんな事を言うから余計に幸子がむくれてるじゃないですか…。幸子は恥ずかしいだろうけど…男の俺から行動しないといけないよな? 

「先生っ!」 

 俺のその声に教室中の視線が俺に集まる。 

「な、なんだ…隼っ…?も、もしかして今からなのか?そうなのかっ!?先生ヤるぞ!?喜んで連れ込み教室に行くからなっ!?別の意味でもイっちゃうからなっ!?」 

「すいません、小野寺幸子さんを連れて連れ込み教室へ行かせてもらってもいいですか?」 

「…へっ?」 

 キョトンとしてる幸子が可愛いな。 

「…ふむ。なるほど…な。仕方ないか。よし、許可する!しっかりとヤッてこい!」 

「はい!」 

 そして教室中が騒がしくなる。ちなみにイチはこちらに向けてサムズアップしている。 

「はっ!?」 

「男から…誘った…?」 

「やっぱり…凄いのね?」 

「くっ…顔さえ…顔さえ…」 

「それは…あんた達が心が汚いだけでしょ?」 

「あんたもよね?」 

 まあ、そんな声がするなか… 

「よいせっと!」

 未だにキョトンとしてた幸子をお姫様抱っこで抱える。 

「ふぁっ!?ここここ、コレってっ!?姫ちゃま抱っこっ!?」 

 姫ちゃま抱っこってなんだろな?そんな可愛い言葉を口にする幸子の唇に唇を重ねる。 

「んむっ………」 

 幸子の目が大きく見開かれる。重ねただけの唇を離し… 

「…幸子…好きだ。幸子が欲しい。いいか?」 

「…ぁっ……はい♡」 

 イチと先生が拍手すると釣られるかのようにクラスメイトが拍手を贈ってくれた。拍手喝采が響くなか…幸子を連れて連れ込み教室へと向かう。連れ込み教室のベッドにそっと幸子をおろし… 

「あ、あにょう…初めてだから…その…」

「うん…優しくするよ…」 

「…んっ…」 



 二つの影がベッドで一つに重なり…幸子と結ばれた…。 


 余談になるのだが… 

「豊和君…もっと…♡」 

「まだ…まだ出来るよね?」 

「もっと…愛して…?」


 一番性欲が強かったのは幸子という事が判明するのだった…。
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

男が少ない世界に転生して

美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです! 旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします! 交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

転生?したら男女逆転世界

美鈴
ファンタジー
階段から落ちたら見知らぬ場所にいた僕。名前は覚えてるけど名字は分からない。年齢は多分15歳だと思うけど…。えっ…男性警護官!?って、何?男性が少ないって!?男性が襲われる危険がある!?そんな事言われても…。えっ…君が助けてくれるの?じゃあお願いします!って感じで始まっていく物語…。 ※カクヨム様にも掲載しております

貞操逆転世界に転生してイチャイチャする話

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が自分の欲望のままに生きる話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

処理中です...