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第一章
こ、こんな…
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彼女が目を瞑り、更に顔を近づけて来た為に俺も思わず目を瞑ってしまった…。
そう…俺は今、コンビニの奥の小部屋に女性の店員に連れ込まれて襲われようとしているのだ…。たぶん……。
『キスされるっ!?』
息が吹き掛かる距離から更に相手が顔を近づけてくるんだぜ?そう思ってしまうのは仕方ないよな?
────だが…いつまで待っても唇に感触を感じない…。息は物凄く近くで吹き掛かっているのを感じるのに…。
俺は瞑っていた瞼をゆっくりと開けてみる。彼女の綺麗な顔が間近に見える。ただ…気になるのは彼女が顔を真っ赤に染めて、プルプルと震えている事だろうか…?
「あ、あのぅ…?」
俺が彼女に声を掛けると、俺の声に驚いた彼女は後方へと飛び退いた。
「ふぇっ!?ちょっ、ちょっと!?何で目を開いちょるとっ!?さっきまで瞑っちょったやろっ!?」
「え、ええと…キスされるかと思ったので、思わず目を瞑ってたんですけど、その…いつまで経っても唇にキスの感触を感じなかったので…」
「い、今…するちょこやったたい!は、はよう、また目を瞑るちょよ!」
「ええと…こ、これでいいですか?」
どうせ逃げられないし、早いとこ終わらせた方がいいだろう。そう思い目を閉じる。
それに…この女性…たぶん俺にキスしたら気絶するんじゃないかと思うんだよな。その隙に逃げる。
我ながら完璧な作戦なんじゃないだろうか?
「ホントに目を閉じちょるよ…こん人…」
いや…そりゃあ閉じろって言われたし、そう言ったのはあなたですよね?論破した方がいいかな?
「よよ、よかね?す、するけんね?キスするけんね?マジにマジにその唇奪っちゃるけん?覚悟はいいちょ?」
「どうぞ…」
俺のその言葉に意を決したのか、またお互いの距離は吐く息が掛かり合うくらい近くなる。
そして…頬に一瞬ちゅっ…とした感触…。
「ほ、ほら…き、キスしたけん…。く、唇はかわいそかけん頬で勘弁しちょくけん。君が普通の男性じゃない事は流石にもう分かったけんね。そんな態度を女性に対してとっちょったらホントに唇にキスされちゃうけんね?キスだけでは済まんけんね?」
「…へっ?」
呆けた声が思わず洩れてしまった。先程のように目を開くと、俺から少し離れた場所に彼女は立っている。
少し照れた表情を魅せながら、前屈みになると彼女は俺を見て…
「んっ…?もしかして…君は私に…唇にキスされたかったちょねっ?」
「…ええと…」
返答に困るな…。されたらされたで構わないと思っていたし、キスして彼女が気絶したらその隙に逃げようと思っていたわけで…。
「まっ、男性をあまり困らせたら悪かね…。冗談はこれくらいしちょくね?私は春先愛歌。愛歌って呼んでよかけん。で、君の名前はなんて言うちょ?」
「…天使豊和…です」
彼女は俺をどうしたいんだろうか?襲われる覚悟もある程度持っていたんだけど…。
もしかして…油断した時にガバっと来たり?
「豊和君かぁ…。あっ…ごめん!マジでごめんやけん?豊和君に警戒させる事しちょう私が言うのもなんやけど、そんなにもう警戒せんでよかけんね!もうせんよ?豊和君があまりにも無用心やったけん身を持って教えてあげないといけんて思っただけやけん」
「…た、確かにお世話になってる人達にも注意はされましたけど…」
「それにしては無防備過ぎやけんね?」
「…そんなにですかね?」
「女は狼やけん」
「そういうのも聞きはしましたけど…」
「言っても分かりゃん男の子には、私という狼さんが襲いかかっちゃうけんね?ガオッー!─って感じで」
愛歌さんはポーズをつけながらそんな事を言ってくるんだけど、そのポーズはライオンというより可愛い子猫みたいに見える…。
そんな可愛い愛歌さんを見ていると見られるのが恥ずかしくなったのか咳払いを一つして…
「──こほん……と・に・か・く!豊和君は1人で何でコンビニに来たとね…?」
──なくなった醤油を買いに来た事。んで、ここは醤油が売り切れていてなかった事。だからスーパーの場所を聞いて、スーパーに醤油を買いに行こうとしてた事などを愛歌さんに説明する事に。
「あちゃぁ…醤油はそういえばきらしちょったねぇ…確か…今発注かけてた筈やけん…」
「今更なんだけど…店は大丈夫なの?店の物盗まれたりとか?誰も店内に居ないんだよね?」
「ああ、それは大丈夫やけん。この時間帯は元々お客さんの入りは悪いんよ。それにお客さんが来たら、ほらっ、そこにチャイムがあるけん分かるようになっちょ」
「それならいいんですけど…。あっ、それと一つ聞いてもいいですか?」
「なにを?」
「愛歌さんって…少し男性慣れしてません?もしかして…彼氏がいたり?」
「それは…私にお父さんがおったけんかも」
「…そうなんですね」
「そうなんよ!だからこうして豊和君に襲い掛からずに普通に話せちょるやろ?まぁ、この話は今はおいておいてよかけん…」
一瞬だけ愛歌さんが見せた表情で分かった…。お父さんの事はあまり詳しく聞かない方がいいのだという事が…。さっき愛歌さんはおったと過去形で話してたしな…。
「それじゃあ…豊和君がここに来た理由は分かった訳やし、こっちの椅子に座ってくれんね」
「えっ?」
「そのままじゃ男性だとバレてしもうて大変な事になるけん」
一体何をするつもりなんだろうか?
「ぼ~っとしてないで早くこんねっ!」
「あ、はい…」
俺は愛歌さんの言う通りに席に座る事に。
「あ、あのぅ…愛歌さん?」
「いいけん。何も言わずに私に任せとけばよかけん」
「いや、でも…」
「豊和君?」
「…はい。何も言いませんし、聞きません」
有無を言わせないような雰囲気を漂わせる愛歌さんの言葉に黙って従う事にする…。決してその迫力に負けたわけではない…と、思う。
「まずはこれを塗るけん。動かんでよ?それとキスしたりはせんけん、安心して目を瞑っちょって!」
目を瞑ると柔らかい物が頬にポンポンと優しく当たる。時にそれは何かを広げるようにも動く。流石に何をされているのか分かった。俺は愛歌さんに化粧を施されているんだ。
そう…俺は今、コンビニの奥の小部屋に女性の店員に連れ込まれて襲われようとしているのだ…。たぶん……。
『キスされるっ!?』
息が吹き掛かる距離から更に相手が顔を近づけてくるんだぜ?そう思ってしまうのは仕方ないよな?
────だが…いつまで待っても唇に感触を感じない…。息は物凄く近くで吹き掛かっているのを感じるのに…。
俺は瞑っていた瞼をゆっくりと開けてみる。彼女の綺麗な顔が間近に見える。ただ…気になるのは彼女が顔を真っ赤に染めて、プルプルと震えている事だろうか…?
「あ、あのぅ…?」
俺が彼女に声を掛けると、俺の声に驚いた彼女は後方へと飛び退いた。
「ふぇっ!?ちょっ、ちょっと!?何で目を開いちょるとっ!?さっきまで瞑っちょったやろっ!?」
「え、ええと…キスされるかと思ったので、思わず目を瞑ってたんですけど、その…いつまで経っても唇にキスの感触を感じなかったので…」
「い、今…するちょこやったたい!は、はよう、また目を瞑るちょよ!」
「ええと…こ、これでいいですか?」
どうせ逃げられないし、早いとこ終わらせた方がいいだろう。そう思い目を閉じる。
それに…この女性…たぶん俺にキスしたら気絶するんじゃないかと思うんだよな。その隙に逃げる。
我ながら完璧な作戦なんじゃないだろうか?
「ホントに目を閉じちょるよ…こん人…」
いや…そりゃあ閉じろって言われたし、そう言ったのはあなたですよね?論破した方がいいかな?
「よよ、よかね?す、するけんね?キスするけんね?マジにマジにその唇奪っちゃるけん?覚悟はいいちょ?」
「どうぞ…」
俺のその言葉に意を決したのか、またお互いの距離は吐く息が掛かり合うくらい近くなる。
そして…頬に一瞬ちゅっ…とした感触…。
「ほ、ほら…き、キスしたけん…。く、唇はかわいそかけん頬で勘弁しちょくけん。君が普通の男性じゃない事は流石にもう分かったけんね。そんな態度を女性に対してとっちょったらホントに唇にキスされちゃうけんね?キスだけでは済まんけんね?」
「…へっ?」
呆けた声が思わず洩れてしまった。先程のように目を開くと、俺から少し離れた場所に彼女は立っている。
少し照れた表情を魅せながら、前屈みになると彼女は俺を見て…
「んっ…?もしかして…君は私に…唇にキスされたかったちょねっ?」
「…ええと…」
返答に困るな…。されたらされたで構わないと思っていたし、キスして彼女が気絶したらその隙に逃げようと思っていたわけで…。
「まっ、男性をあまり困らせたら悪かね…。冗談はこれくらいしちょくね?私は春先愛歌。愛歌って呼んでよかけん。で、君の名前はなんて言うちょ?」
「…天使豊和…です」
彼女は俺をどうしたいんだろうか?襲われる覚悟もある程度持っていたんだけど…。
もしかして…油断した時にガバっと来たり?
「豊和君かぁ…。あっ…ごめん!マジでごめんやけん?豊和君に警戒させる事しちょう私が言うのもなんやけど、そんなにもう警戒せんでよかけんね!もうせんよ?豊和君があまりにも無用心やったけん身を持って教えてあげないといけんて思っただけやけん」
「…た、確かにお世話になってる人達にも注意はされましたけど…」
「それにしては無防備過ぎやけんね?」
「…そんなにですかね?」
「女は狼やけん」
「そういうのも聞きはしましたけど…」
「言っても分かりゃん男の子には、私という狼さんが襲いかかっちゃうけんね?ガオッー!─って感じで」
愛歌さんはポーズをつけながらそんな事を言ってくるんだけど、そのポーズはライオンというより可愛い子猫みたいに見える…。
そんな可愛い愛歌さんを見ていると見られるのが恥ずかしくなったのか咳払いを一つして…
「──こほん……と・に・か・く!豊和君は1人で何でコンビニに来たとね…?」
──なくなった醤油を買いに来た事。んで、ここは醤油が売り切れていてなかった事。だからスーパーの場所を聞いて、スーパーに醤油を買いに行こうとしてた事などを愛歌さんに説明する事に。
「あちゃぁ…醤油はそういえばきらしちょったねぇ…確か…今発注かけてた筈やけん…」
「今更なんだけど…店は大丈夫なの?店の物盗まれたりとか?誰も店内に居ないんだよね?」
「ああ、それは大丈夫やけん。この時間帯は元々お客さんの入りは悪いんよ。それにお客さんが来たら、ほらっ、そこにチャイムがあるけん分かるようになっちょ」
「それならいいんですけど…。あっ、それと一つ聞いてもいいですか?」
「なにを?」
「愛歌さんって…少し男性慣れしてません?もしかして…彼氏がいたり?」
「それは…私にお父さんがおったけんかも」
「…そうなんですね」
「そうなんよ!だからこうして豊和君に襲い掛からずに普通に話せちょるやろ?まぁ、この話は今はおいておいてよかけん…」
一瞬だけ愛歌さんが見せた表情で分かった…。お父さんの事はあまり詳しく聞かない方がいいのだという事が…。さっき愛歌さんはおったと過去形で話してたしな…。
「それじゃあ…豊和君がここに来た理由は分かった訳やし、こっちの椅子に座ってくれんね」
「えっ?」
「そのままじゃ男性だとバレてしもうて大変な事になるけん」
一体何をするつもりなんだろうか?
「ぼ~っとしてないで早くこんねっ!」
「あ、はい…」
俺は愛歌さんの言う通りに席に座る事に。
「あ、あのぅ…愛歌さん?」
「いいけん。何も言わずに私に任せとけばよかけん」
「いや、でも…」
「豊和君?」
「…はい。何も言いませんし、聞きません」
有無を言わせないような雰囲気を漂わせる愛歌さんの言葉に黙って従う事にする…。決してその迫力に負けたわけではない…と、思う。
「まずはこれを塗るけん。動かんでよ?それとキスしたりはせんけん、安心して目を瞑っちょって!」
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