転生？したら男女逆転世界

プロローグ

天使さんの家で

「…こ、ここが私の家…だよ？」
「本当にご迷惑お掛けしますが宜しくお願いします」
「う、うん！任せて！」

　住宅地の中にある一軒の二階建ての家。黒い屋根に白い壁の洋風な家へと天使さんは入って行く。僕も後に付いて行く。

ガチャ…

「ただいま～」


「「お帰り」」

奥から声がすると共に玄関へと向かって来るスリッパの音が二つ…。天使さんが言っていたお母さんと妹さんかな？

「お客さん連れて来てるから驚かないでね？」
「あらあら…」
「お客さんなんて珍しい…」

「「どうぞ中へ…………えっ？」」

姿を表した女性２人。僕の姿を見て固まってるけど…？来て良かったのかな？

「…柚希……あなた…まさか…」
「おお、お姉…ちゃん…嘘だよね？」
「ど、どうしたの２人共？」

「「…男性を誘拐して来たの！？！？」」
「違っ…違うからね２人共？」
「そうじゃないと男性がこんな所に居る訳無いでしょう！」
「だ、だから…」
「最低！最低だよ！お姉ちゃん！私達捕まっちゃうよぉぉー！」
「梓希あずきは黙ってて！」
「黙る訳無いじゃん！共犯になっちゃうもん！捕まるならお姉ちゃんだけ捕まってよぉー！」
「…梓希そんなに薄情だったなんて…」
「薄情も何も梓希の言う通りよ！こんな事になるのなら柚希を産まなければ…ううっ…」
「ちょっ、ちょっと！？お母さんもお願いだから私の話を…」

　何か僕のせいだよね…コレ？カオスだ…。何故か天使さんのお母さん？泣いてるし、妹さん？は天使さんを何故か責めてるみたいだし…。それにしてもお母さん？若すぎない？大学生位に見えるし…妹？さんは天使さんをツインテールにして幼くした感じだしってそんなこと思ってる場合じゃ無かった！？

「あ、あの～？」

「はい！何でも致しますので娘をどうかどうか許して頂けないでしょうか？」

「そ、そうではなくて…」

「お姉ちゃんの体好きにして良いのでどうかお母さんと私は許して下さい！お願いしますお願いします！」

「あ、梓希…アンタ…」

「ふ、２人共落ち着いて下さい！僕は天使さん…柚希さんに助けて貰ったんです！」

「「………助け…た？？」」

「…はい」

「と、とにかくリビングで皆話しようよ？梓希…アンタは後で個人的に話があるから…ね？」

「ひっ…ちがっ…違うよ！お姉ちゃん！？お姉ちゃんが逆の立場なら絶対私みたいになると思うし、絶対そうなるから…許して？」


　と、とにかく皆リビングへと移動。お茶菓子とお茶がテーブルの上に展開。ようやく落ち着いて話が出来る状態へと変貌。天使さんがまず状況と事情を説明し始めた。

「─と、いうわけで公園にそのままに豊和君をしていたら拐われたりすると思って家へと連れ帰って来たの…」

「柚希…お母さんは信じてたわ…」
「お姉ちゃん…私も信じてたよ…」

「…２人共私を滅茶苦茶疑ってたけどね？」

「そういわけで名前と年齢以外分からなくて…」

「…そうなのね…。任せて豊和君。私が責任持って何とかしてあげるから！」
「ありがとうございます」
「でも…どうするのお母さん？」
「今から男性の戸籍を確認してみるから…」

そう言って天使さんのお母さんは携帯を取り出して何処かへと電話を掛け始めた…。

「あっもしもし？…私、天使と申しますが男性の戸籍課へと取り次ぎお願い出来ますか？……ええ…そうです………………………はい…申し訳無いのですが豊和って名前で男性の戸籍登録されてますでしょうか？……はい…はい……いいえ…そうです…でしたら…何処かでミスがあったのかと…はい…では…
…それで宜しくお願いします！…………」


　天使さんのお母さんの電話が終わったのは一時間後だった…。何でも男性の戸籍確認やら登録という事で時間が掛かったそうだ。何件か電話してたみたいだし…。

「─で、豊和という名前の男性は現在存在していなかったわね…」

「そう…ですか…。じゃあ僕はどうすれば…」

「それでね、豊和君にはうちの息子になって貰ったから(ニコニコ)」

「「「……………えっ？？？」」」

　俺と天使さん、妹さんの声が見事にハモッた瞬間だった…。