マンションのオーナーは十六歳の不思議な青年 〜マンションの特別室は何故か女性で埋まってしまう〜

美鈴

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第三章

カラオケ

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 放課後…。

 アカリ先輩と待ち合わせて向かった先はカラオケ。お礼とはなんぞや?コレってデートでは?そう思った俺は不思議ではないよな?

 まあ、歌ってみたの動画やら、生配信で歌枠を行うVチューバーがアカリ先輩のもう一つの顔なわけだから、その歌声を生も生で聴けるのはとんでもないお礼になるのか。

 俺自身、彼女の歌声が凄く胸やらに響いたから、彼女の動画を漁って観て回ったわけだしな。

「──飲み物とか勝手に注文しといたから」

「ありがとうございます。後でお金払いますんで」

「それじゃあお礼になんないでしょうが」

「……分かりました…。お言葉に甘える事にします」

「それでいいよ!じゃあ…先に歌う?」

「一番目はアカリ先輩からお願いできます?まあ、こういう時に言うのもなんなんですが、俺…先輩の事好きなんですよね」

「………へっ…?」

 うん?途端に顔を赤らめるアカリ先輩…。俺…おかしな事言ったか…?

 そう思い…思い返してみると…言ってるぅぅぅぅぅぅう!?いやいや…違うんです!?

「し、失礼!今のは違うくて…先輩の歌声が好きなんですよ!?そ、それは屋上でも言いましたけど!だから出してる動画は一応全部観ました!」

「何で今それ言ったしっ!?全部観たなんて聞いてないしっ!?そんな事このタイミングで言われたら歌えんからね!?さ、先に歌ってくれる!?」


「え、ええと…」


 顔を伏せるアカリ先輩…。し、仕方ないか。歌に自信はないけど…とりあえず…以前歌った曲入れるか。美樹子とカラオケに行った時に歌った曲だ。そういえば歌ってる最中、俺の事を少し熱っぽいような視線を送ってきてたな…?今思うと見惚れていたとか…?ま、まさかな?いくら昔から好きだったとは言われたけど…そんな事はないよな…?


 ──────♪♪♪


 あっ…ヤベッ!?音楽が鳴り響く。

 俺はマイク片手に音楽に合わせて歌い出す。






♢♢♢


「こ、後輩君…」

「な、なんでしょう…?へ、下手くそでした?」

「そうじゃない、そうじゃないんよ!?凄く歌上手いじゃん!?私より数段も上だよ!?」

「いやいや…それは言い過ぎでは…?」

「言い過ぎじゃないからね!?自覚しよう?」

 以前美樹子からは「…ま、まぁまぁだったわ」としか言われてないような…。そういえば…「私の前以外で歌うの禁止ね」とか言われてたから決して下手ではないが、上手いまではいかないくらいに思っていたんだけど…? 


「それに…」

「それに?」

「あ~しを堕としにきてるよね?」

「なんでですっ!?」

 どうしてそうなる!?

「その歌」

「歌がどうしました?」

「めちゃくちゃじゃん…」


 なるほど…。選曲をミスったわけか…。そまで考えていなかったんだが…。もしかして…あの時美樹子の顔が赤かったのは…それが原因だったり…?




「な、なんで…そんなに歌うまいの?」

 しいて言わせてもらうとするなら…

「それは…異世界に行ったからかな」

 向こうで身体の使い方を覚えたからだろう。声も自由自在に出せるんだよな。女性の声から子供の声まで…。なので自慢じゃないが誰のモノマネでもできる。

「い…異世界とか…とんでもないワード飛んできたよ…」

「それは魔法が使える時点で…ねぇ?」

「予想つかないから!?魔法が使える時点でも驚気はしたけど異世界に行ったまで思うわけないしょっ!?」

 天音なら…軽々予想をつけるだろうけどな。

「とりあえず、はい。アカリ先輩の番ですよ」

 俺はアカリ先輩にマイクを握らせる。

「普通歌えんよ?」

「大丈夫!先程も言いましたがアカリ先輩の歌声最高ですんで…」

「…もう…やだ…絶対…堕としにきとるよ…この後輩…」

「堕としてませんからねっ!?」

「聞くな!?」

「マイク握ったままだから聞こえたんですよ!?」

「この後輩は…もう…」



 とりあえず…アカリ先輩の歌声は最高だった事は明記しておこう…。ホント素晴らしかった。
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