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第三章
こうなるのか
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「──いたいた!ちょっとそこのあんた!」
見知らぬ女性を助けたその日の昼休み。教室へ入るドア前の廊下からそん声が教室内に響いてきた。
イヤな予感を覚えつつそちらの方角に視線を向けると…エメラルドグリーンの髪の知った顔の女性の姿が…。
知ってた…。内心来るとは思っていた。顔をバッチリ見られたわけだし…。たぶん…捜すとは思っていた。
だからこそ俺を認識できないように魔法を掛けておいた筈なんだけどな?どうやらまた魔法がその効果を発揮してないようだ。
「ちょっ!聞いてんの!あんたよ、あんた!」
仕方ないとばかりにその女性の元に向かう。ちなみにその女性が声をあげているのにも関わらず教室内が何事かと騒ぎになっていないのは魔法で何事もないようにしているからだ。
美樹子達は美樹子達でまた増えてるとか呟いているが増えてないからな?
「ええと…何…?」
「いや、何じゃないしょっ!?私の唇を後ろからいきなり塞いできたくせにっ!」
「ちょっ!?」
人聞きが悪いだろっ!?まあ、実際そうなんだけど、ちょっとだけ語弊があると思うんだよね!?美樹子達もギョッとした目でこちらに視線を送っているし…。
「と、とりあえず…場所を移動しても…?」
「…別に…それはいいけど…ちゃんと答えてよね?」
とりあえず屋上へと向かう。当然向かうまでの間に人払いはしておく。
人払いしたからといって…変な事はしないからな?念の為。
♢♢♢
「それで…?」
「それでじゃないわよ!あれはどういう事!あ~しの前からいきなり消えるしっ!」
さて…どうすっかな…。魔法が使ったと言ってもいいものやら…。まあ、信じる信じないは別として言った方が手っ取り早いか…。他に説明しようがないしな。
「俺は魔法が使えるんだよ」
「………」
「君がVチューバーをしている事をたまたま耳にしたんだよ」
「っ!?」
「で、君がミスしたのかは分からないけど、あの男にその事で脅されてたろ?だから…彼の記憶から君の事を消して、君がミスした事もなかった事にしたんだよ」
「……だから…アイツはあ~しを呼び出した事も憶えていなかった…?」
「そうなんだけど…信じるの…?」
「そりゃあね…。そうじゃないと説明つかないしょっ?」
「まあね。その後その場から立ち去ろうとしてたんだけど、立ち去れなかったんだ。君にも魔法を掛けた筈なのに魔法が効果を発揮してなくて…だから君があの男に食って掛かったタイミングで君の口を塞いだわけなんだけど…一応言っておくとやましい事をしようと思ったわけじゃないからね?」
「…それはなんとなく分かってる」
「それならいいけど…」
「それより黙っていなくなるのは酷くない?」
「そこ気にするところじゃなくない…?」
「気にするよ!だって助けられたわけっしょっ?」
「…まあ…たまたま前日に君の歌枠を聴いてたから」
「聴いてたのっ!?」
「凄く良かった。歌声が透き通ってるようで、時に力強くて…」
「マジ言ってるっ!?めっちゃっ恥ずっ!?だから顔バレしないようにVしてるのに!?」
「いや…まあ…それは仕方なくない…?」
知ったのたまたまだし…。
「と、とにかく…お礼を言っておく!ありがとう!助けてくれて。しかもやらかしてたの帳消しにしてくれたしょっ?」
「あ、うん」
「その分もまとめて本当にありがとう!ええと…そういえば名前聞いてないね?」
「…早房豊和」
「あ~しは釘先アカリ。一応言っておくと三年だから」
「ええと…宜しく、先輩」
「宜しく。それでお礼なんだけど…」
「受け取ったけど…?」
「それはお礼を伝えただけしょっ?お礼はちゃんとするから」
「別にいいですよ、お礼なんて」
「そうはいかないっしょ?だから…放課後付き合ってよ?」
これは了承した方がいいんだろうな…。まあ、おかしな事にはならないだろうし…それくらいいいか。
「…分かりました」
「それじゃあ放課後ね?」
「…はい。釘先先輩」
「アカリでいいよ?」
「…アカリ先輩」
「じゃあ放課後」
「了解」
そうして放課後アカリ先輩にお礼をされる事に。教室に戻ってその事を美樹子達に話すとほらやっぱりとか意味不明な事を言われたのはやるせない…。ただのお礼だから…。
見知らぬ女性を助けたその日の昼休み。教室へ入るドア前の廊下からそん声が教室内に響いてきた。
イヤな予感を覚えつつそちらの方角に視線を向けると…エメラルドグリーンの髪の知った顔の女性の姿が…。
知ってた…。内心来るとは思っていた。顔をバッチリ見られたわけだし…。たぶん…捜すとは思っていた。
だからこそ俺を認識できないように魔法を掛けておいた筈なんだけどな?どうやらまた魔法がその効果を発揮してないようだ。
「ちょっ!聞いてんの!あんたよ、あんた!」
仕方ないとばかりにその女性の元に向かう。ちなみにその女性が声をあげているのにも関わらず教室内が何事かと騒ぎになっていないのは魔法で何事もないようにしているからだ。
美樹子達は美樹子達でまた増えてるとか呟いているが増えてないからな?
「ええと…何…?」
「いや、何じゃないしょっ!?私の唇を後ろからいきなり塞いできたくせにっ!」
「ちょっ!?」
人聞きが悪いだろっ!?まあ、実際そうなんだけど、ちょっとだけ語弊があると思うんだよね!?美樹子達もギョッとした目でこちらに視線を送っているし…。
「と、とりあえず…場所を移動しても…?」
「…別に…それはいいけど…ちゃんと答えてよね?」
とりあえず屋上へと向かう。当然向かうまでの間に人払いはしておく。
人払いしたからといって…変な事はしないからな?念の為。
♢♢♢
「それで…?」
「それでじゃないわよ!あれはどういう事!あ~しの前からいきなり消えるしっ!」
さて…どうすっかな…。魔法が使ったと言ってもいいものやら…。まあ、信じる信じないは別として言った方が手っ取り早いか…。他に説明しようがないしな。
「俺は魔法が使えるんだよ」
「………」
「君がVチューバーをしている事をたまたま耳にしたんだよ」
「っ!?」
「で、君がミスしたのかは分からないけど、あの男にその事で脅されてたろ?だから…彼の記憶から君の事を消して、君がミスした事もなかった事にしたんだよ」
「……だから…アイツはあ~しを呼び出した事も憶えていなかった…?」
「そうなんだけど…信じるの…?」
「そりゃあね…。そうじゃないと説明つかないしょっ?」
「まあね。その後その場から立ち去ろうとしてたんだけど、立ち去れなかったんだ。君にも魔法を掛けた筈なのに魔法が効果を発揮してなくて…だから君があの男に食って掛かったタイミングで君の口を塞いだわけなんだけど…一応言っておくとやましい事をしようと思ったわけじゃないからね?」
「…それはなんとなく分かってる」
「それならいいけど…」
「それより黙っていなくなるのは酷くない?」
「そこ気にするところじゃなくない…?」
「気にするよ!だって助けられたわけっしょっ?」
「…まあ…たまたま前日に君の歌枠を聴いてたから」
「聴いてたのっ!?」
「凄く良かった。歌声が透き通ってるようで、時に力強くて…」
「マジ言ってるっ!?めっちゃっ恥ずっ!?だから顔バレしないようにVしてるのに!?」
「いや…まあ…それは仕方なくない…?」
知ったのたまたまだし…。
「と、とにかく…お礼を言っておく!ありがとう!助けてくれて。しかもやらかしてたの帳消しにしてくれたしょっ?」
「あ、うん」
「その分もまとめて本当にありがとう!ええと…そういえば名前聞いてないね?」
「…早房豊和」
「あ~しは釘先アカリ。一応言っておくと三年だから」
「ええと…宜しく、先輩」
「宜しく。それでお礼なんだけど…」
「受け取ったけど…?」
「それはお礼を伝えただけしょっ?お礼はちゃんとするから」
「別にいいですよ、お礼なんて」
「そうはいかないっしょ?だから…放課後付き合ってよ?」
これは了承した方がいいんだろうな…。まあ、おかしな事にはならないだろうし…それくらいいいか。
「…分かりました」
「それじゃあ放課後ね?」
「…はい。釘先先輩」
「アカリでいいよ?」
「…アカリ先輩」
「じゃあ放課後」
「了解」
そうして放課後アカリ先輩にお礼をされる事に。教室に戻ってその事を美樹子達に話すとほらやっぱりとか意味不明な事を言われたのはやるせない…。ただのお礼だから…。
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