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少女を連れて出た屋敷の廊下。
私は軽く周りを見渡すと誰もいないことを確認してから少女へと声を掛けた。
「えっと、それで貴女の名前はイズンということで合ってるかしら?」
『……うん、合ってる』
コクリと迷いなく目の前で頷く少女。
少女はじっと私を見ながらこう自己紹介を始めた。
『私、イズン。毒の上位、精霊。話すの、苦手。よろ、しく』
ポツリポツリと途切れながらにもそういう彼女。
私はそれに頷きながら聞き手を差し出した。
「そう、分かった。これからよろしくね」
途端にハッとした顔をしたかと思うと、つい先程まで無表情だった顔に薄らと笑みを浮かべたイズン。
何処と無く彼女の周りに花が飛んでいるような気がするのは気のせいなのだろうか。
私はそんなことを考えながら彼女に「取り敢えず今この部屋の中にいる彼に出すって言ったおやつを取りに行くけど着いてくる?」と問い掛ける。
すると、コクリと頷きながら『うん』と答えた彼女。
私は少女の手を取るなりその場から厨房の方へと歩き出す。
この際ふと隣にいる彼女の横顔を見た際に何となくハナに似ていると感じた私は何気なく彼女に「ハナに似てるのね」と告げると、彼女は『私、ハナ、妹』と言ってきた。
これにはもう私は思い切り驚いた。
私の知るハナと言えばそれはそれはもう喋りに喋るお喋りさんである。
例えばちょっと気になる花の名前を聞けば『え~っとね、これは○○っていう名前の花だよぉ~。因みにぃ、○○っていう薬になってぇ~花言葉はぁ~』なんて長々と説明してくれるような子だ。
それに対してこの子は話すのが苦手と来た。
もうこれはハナがこの子のトークスキルを全部持っていったに違いない。
ただ、ハナも随分と美少女だが個人的に言うとイズンはハナの上を行く美少女だと思う。
それにイズンはなんというか庇護欲をそそられるというかなんというか。
ハナとは違って口数が少ない分その可愛らしい見た目で守ってあげたくなる気がする。
とはいえ、自分とほぼ変わらない身長だから当たり前ではあるのだけれど。
と、そうこう考えている間に辿り着いた厨房。
私はそこにいたシェフにクッキーを頼むと、私のおやつ用にと作っておいてくれたのであろうクッキーを差し出してくれたので大人しくお礼を告げてそれを受け取ると、その場からまた自室へと足を向ける。
その際にクッキーを一つイズンに渡したのだが何処と無く美味しそうにクッキーを食べている辺り、彼女はクッキーなどが好きなのだろう。
「美味しい?」
『うん、とても』
「良かったわ」
『オリヴィア、好き』
「ありがとう。私も好きよ」
『うん』
私は少しだけはにかみつつも頷いた彼女にまた一つクッキーを差し出すと、そのまま今日は一度帰るという彼女に手を振ってアルバート王子の待つ自室へと大人しく足を向けたのだった。
私は軽く周りを見渡すと誰もいないことを確認してから少女へと声を掛けた。
「えっと、それで貴女の名前はイズンということで合ってるかしら?」
『……うん、合ってる』
コクリと迷いなく目の前で頷く少女。
少女はじっと私を見ながらこう自己紹介を始めた。
『私、イズン。毒の上位、精霊。話すの、苦手。よろ、しく』
ポツリポツリと途切れながらにもそういう彼女。
私はそれに頷きながら聞き手を差し出した。
「そう、分かった。これからよろしくね」
途端にハッとした顔をしたかと思うと、つい先程まで無表情だった顔に薄らと笑みを浮かべたイズン。
何処と無く彼女の周りに花が飛んでいるような気がするのは気のせいなのだろうか。
私はそんなことを考えながら彼女に「取り敢えず今この部屋の中にいる彼に出すって言ったおやつを取りに行くけど着いてくる?」と問い掛ける。
すると、コクリと頷きながら『うん』と答えた彼女。
私は少女の手を取るなりその場から厨房の方へと歩き出す。
この際ふと隣にいる彼女の横顔を見た際に何となくハナに似ていると感じた私は何気なく彼女に「ハナに似てるのね」と告げると、彼女は『私、ハナ、妹』と言ってきた。
これにはもう私は思い切り驚いた。
私の知るハナと言えばそれはそれはもう喋りに喋るお喋りさんである。
例えばちょっと気になる花の名前を聞けば『え~っとね、これは○○っていう名前の花だよぉ~。因みにぃ、○○っていう薬になってぇ~花言葉はぁ~』なんて長々と説明してくれるような子だ。
それに対してこの子は話すのが苦手と来た。
もうこれはハナがこの子のトークスキルを全部持っていったに違いない。
ただ、ハナも随分と美少女だが個人的に言うとイズンはハナの上を行く美少女だと思う。
それにイズンはなんというか庇護欲をそそられるというかなんというか。
ハナとは違って口数が少ない分その可愛らしい見た目で守ってあげたくなる気がする。
とはいえ、自分とほぼ変わらない身長だから当たり前ではあるのだけれど。
と、そうこう考えている間に辿り着いた厨房。
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その際にクッキーを一つイズンに渡したのだが何処と無く美味しそうにクッキーを食べている辺り、彼女はクッキーなどが好きなのだろう。
「美味しい?」
『うん、とても』
「良かったわ」
『オリヴィア、好き』
「ありがとう。私も好きよ」
『うん』
私は少しだけはにかみつつも頷いた彼女にまた一つクッキーを差し出すと、そのまま今日は一度帰るという彼女に手を振ってアルバート王子の待つ自室へと大人しく足を向けたのだった。
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