悪役令嬢になった私は運命に抗う

花咲千之汰

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翌日、目が覚めた私は『おはようオリヴィア!』と言ってくる精霊達に返事を返しながら身支度を整えて部屋を出た。

今はまだ子供ということもあってドレスも簡単に着れるからメイドの手助けなしで身支度が出来るから楽だ。

私はそんなことを考えながら自分の後ろを付いてくる精霊達にクスクスと笑いながら庭に出てみる。

すると、庭に出た瞬間にぶわりと強い風が吹いたと思うと目の前に銀色の髪に碧の瞳をした青年と明るい茶髪に深緑の瞳をした青年が立っていた。

彼らはそれぞれ私を見るなり嬉しげに頬を緩めたと思うとこちらに近付いてきて、唐突に目の前にやって来た茶髪の青年が私を抱き上げてクルクルとその場で周り出した。

途端にそれを見て怒り出したのは精霊達。

彼らは口々に青年達に向かってこう言い始めた。

『オリヴィアが嫌がってる!リーフ降ろして!!』

『ウィングも止めて!!』

ここで何となく目の前の青年達がリームと同じ上位にいる精霊であることを察した私は偉い。

でも精霊達は上位の精霊に向かってこんなことを言ってもいいのだろうか。

私は内心でそれに対して冷や冷やしつつ、茶髪青年が私を地面に下ろして精霊達に話し掛けたのを眺める。

『もう、うるさいなぁ。オリヴィアは小さい頃はさっきの遊びが好きだったんだからいいじゃん!』

何となくリーフさんの性格は理解した。

あれだ、我が儘系だ。

プンプンと怒る精霊達とリーフさん。

私はそれに対して軽く呆れつつも、腕を組みながらこちらを見下げるウィングさんに目を向けた。

すると、目が合うなり優しげに笑った彼は私の頭を優しく撫でてこう言う。

『大きくなったな……』

軽くくしゃくしゃと混ぜられる髪の毛。

私はそれがなんだか擽ったくて私は自分の頭を抑えながら下を向く。 

なんだかよく分からないけどこの人達といると精神年齢が幼くなるような気がする。

でもまあそれも悪くは無いんだけど。

私はちらりとほんの少しだけ顔を上げて、微笑ましそうにこちらを見るリーフさんやウィングさんや精霊達を見て熱を持ち始めた頬を両手で抑えてまた俯く。
 
『相変わらず可愛いなぁ~』

『全くだな』

『オリヴィアお顔が真っ赤っか~!!』

「もう知らないっ!!」

私は揶揄うような声色でそう言ってきた彼らにそう叫ぶと、そのまま屋敷の中に走って戻った。
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