10 / 20
10
しおりを挟む
あれからすぐに用を足し終えてお茶を入れて戻った部屋の中。
そこにはやはりギノはいる訳で、私は平然を装いながら彼の目の前にお茶を置きながら部屋の真ん中にある椅子に腰掛けた。
「で、未来予知に関してだったわよね」
すると、私の問い掛けに小さく頷く目の前の彼。
私はそれを確認するとどう彼にその内容を話すか考えながらも口を開く。
「私の知ってる未来では貴方はとある少女と出会う」
ここで敢えて私は人物名や事細かな出来事は黙って更に話を続ける。
「そして、貴方はその少女と軽い交流を重ねるうちに彼女に恋をする。そこから貴方は色んな障害にぶつかりながらも少女を求めて手を伸ばすんだけど、最終的にはその少女は自分とは別の男に取られてしまうって感じかしら。あと付け加えるならその後も貴方はその少女の側で彼女を守ってるわ」
「嘘でしょ」
「まあ確実な未来とは言わないけど嘘ではないわよ」
ギノは私の目を真っ直ぐ見詰め、私が目を逸らすこともせずに紅茶を啜るのを見てそのまま窓の方へと向かう。
そして彼は窓を開けたかと思うと月を背にこんなことを言い始めた。
「俺は使い捨ての道具だよ。そんな未来絶対に来る訳ない」
ちらりとこちらを振り返った彼は私がいつもゲーム内で見ていた無感情だった彼とは違い、物凄く苦しそうな顔をしていて私はやはりここは現実なんだなと再確認しながら彼に対してこう告げた。
「未来なんて自分の力でどうとでも出来るものよ。なんだったら私も今自分の未来を変えようとしてるところだし」
「そんなの……」
「出来ないって言いたいんでしょ。でもそう思ってたらずっと未来は変わらないままよ?自分の行動次第で未来なんていくらでも変えられるのよ」
「変な考え方」
「そうかもしれないわね。でも私もこれでも生き残るのに必死なのよ」
「……」
彼は私の言葉を黙って聞いたかと思うと静かにこちらに何かを投げてきたと同時に窓の外へ飛び出して行った。
そして、私は先程彼に投げられた物を見るためにゆっくりと自身の手な平にある物を見て思わず目を見開く。
「ちょっと、これって……」
私は手の平の上に乗る銀色の細く長い細かい装飾のされた笛。
これってあれじゃん、ゲーム内でギノがフェリナに手渡すギノを呼ぶための笛じゃん。
なんでこれを私に渡す。
てか使い方も何も言わずに投げて来るな。
私はそんなことを考えながら思わぬ彼からのアイテムに溜め息をつくと、それをベッドの隣にある小物入れに直し込むと、机の上にある紅茶を飲み干してそのまま再びベッドの中へ戻った。
そこにはやはりギノはいる訳で、私は平然を装いながら彼の目の前にお茶を置きながら部屋の真ん中にある椅子に腰掛けた。
「で、未来予知に関してだったわよね」
すると、私の問い掛けに小さく頷く目の前の彼。
私はそれを確認するとどう彼にその内容を話すか考えながらも口を開く。
「私の知ってる未来では貴方はとある少女と出会う」
ここで敢えて私は人物名や事細かな出来事は黙って更に話を続ける。
「そして、貴方はその少女と軽い交流を重ねるうちに彼女に恋をする。そこから貴方は色んな障害にぶつかりながらも少女を求めて手を伸ばすんだけど、最終的にはその少女は自分とは別の男に取られてしまうって感じかしら。あと付け加えるならその後も貴方はその少女の側で彼女を守ってるわ」
「嘘でしょ」
「まあ確実な未来とは言わないけど嘘ではないわよ」
ギノは私の目を真っ直ぐ見詰め、私が目を逸らすこともせずに紅茶を啜るのを見てそのまま窓の方へと向かう。
そして彼は窓を開けたかと思うと月を背にこんなことを言い始めた。
「俺は使い捨ての道具だよ。そんな未来絶対に来る訳ない」
ちらりとこちらを振り返った彼は私がいつもゲーム内で見ていた無感情だった彼とは違い、物凄く苦しそうな顔をしていて私はやはりここは現実なんだなと再確認しながら彼に対してこう告げた。
「未来なんて自分の力でどうとでも出来るものよ。なんだったら私も今自分の未来を変えようとしてるところだし」
「そんなの……」
「出来ないって言いたいんでしょ。でもそう思ってたらずっと未来は変わらないままよ?自分の行動次第で未来なんていくらでも変えられるのよ」
「変な考え方」
「そうかもしれないわね。でも私もこれでも生き残るのに必死なのよ」
「……」
彼は私の言葉を黙って聞いたかと思うと静かにこちらに何かを投げてきたと同時に窓の外へ飛び出して行った。
そして、私は先程彼に投げられた物を見るためにゆっくりと自身の手な平にある物を見て思わず目を見開く。
「ちょっと、これって……」
私は手の平の上に乗る銀色の細く長い細かい装飾のされた笛。
これってあれじゃん、ゲーム内でギノがフェリナに手渡すギノを呼ぶための笛じゃん。
なんでこれを私に渡す。
てか使い方も何も言わずに投げて来るな。
私はそんなことを考えながら思わぬ彼からのアイテムに溜め息をつくと、それをベッドの隣にある小物入れに直し込むと、机の上にある紅茶を飲み干してそのまま再びベッドの中へ戻った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
43
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる