37 / 100
高等部 一年目 皐月 新入生歓迎会
028 新入生歓迎会 10
しおりを挟む
理事長の憂鬱
**鳳堂学園理事長視点**
今日は高等部の祭り、新入生歓迎会だ。
私──鳳堂学園理事長・天野朔夜は、いつもなら主催者側の本部席でのんびり監視カメラの映像を眺めて表彰式出て終わりなのだが、今年は可愛い甥っ子のすばるが参加するので近くで様子を見守ることにした。
私は監視員として怪人二十面相のコスプレをしている。
怪人二十面相のコスプレは監視員だけで10人程扮装しているが、人気があるキャラクターなせいか、探偵と怪盗チームでも扮装している者が多い。
因みに私は「当たり」だ。
すばるに依頼して欲しくて後を着いて回っているのだが、一向に気付いて貰えない。
まあ、まだ始まったばかり。
時期じゃないしな。
すばるは一番難易度の高いスポーツゾーンを一人でクリアすると校舎へと向かった。
捜査員を躱しつつ、謎解きもしつつ進むすばる。
数年前まで食も細く、か細かったすばる。
今は健康になったが、αとしては小柄で愛らしい見た目だ。
悪い虫が纏わり付かないようにしなければ!
S組は選りすぐりのαとβしかいないからクラスメイト達と切磋琢磨しながら才能を伸ばせるだろう。
しかし、帰国して早々に髪を染めてアフロになった時は驚いたが、編入してすぐに丸坊主になってしまったのには更に驚かされた。
変な眼鏡も止めて、毎日楽しそうにしている様なので良いのだが、理事長室になかなか遊びに来てくれなくて淋しい。
切ない気持ちを抱え、すばるの後を追う。
今度はミニシアターのステージで暗唱をするようだ。
すばるの暗唱を聞く為に客席へ向かう。
客席には私と同じ「怪人」の腕章をつけた監視員が二人いた。
一人はすばるの担任の城山、もう一人は扇で顔を隠しているので誰なのか判らない。
私は入り口近くの目立たない場所ですばるの暗唱を聞いた。
幼少期より音楽の英才教育を叩き込まれたすばるの美声に聞き惚れる。
ステージ中央でスタンプカードを受け取るすばるに惜しみない拍手を送る。
何となく、城山の方に視線を向けた時、私は「女神」を見た!
女神は、すばるに惜しみない拍手を送っていた。
我が学園にこんな美しい人がいたなんて!
しかし、何処かで会ったことがあるような既視感を覚える。
城山が顧問を務める演劇部は脚本、役者、衣装、メイク、舞台装置など、どれもプロの劇団や歌劇団に勝るとも劣らない技術と実力を兼ね備えている。
おそらく「女神」は城山率いる演劇部の技術の結晶に違いない。
「そろそろ撮影するぞ。」
「了解」
城山の言葉に肯き、女神は腕章を外して席を立った。
私は二人の後を追った。
ロビーに出た二人は背景スクリーンの方へ移動した。
二人が打ち合わせをしているうちに何十人ものギャラリーが何処からともなく集まって来た。
女神が城山の指示でポーズをとる度にチャイナドレスのスリットから覗く脚線美に性的欲求が刺激される。
女神を自分だけのものにしたい!
女神を組み敷いて啼かせたい!!
性別もバース性も関係無く「欲しい」、そう思ったのは二度目だ。
一度目は去年、理事長に就任後、高等部の入学式で黒峯君を初めて見た時だった。
すばるが小さい頃から、黒峯君がいかに素晴らしくカッコ良いかとか、可愛いとかいう話をしょっちゅう聞かされて辟易していたし、可愛いうちのすばるの心を鷲掴みにしている彼に嫉妬して嫌っていたのに、一目見て惹かれた。
一回りも年が離れているし、すばるの想い人だから気持ちに蓋をしなければ、と彼への激情を押し殺して接して来たんだ。
女神の撮影会を見守っていると、すばるのお気に入りの神月君がやって来て女神に声をかけた。
人見知りが激しい神月君が、躊躇無く声をかけるのは珍しい。
もしかして知り合いか?
「!!」
ほんの僅かの会話、ほんの数十秒の僅かな時間、女神は慈愛のこもった眼差しを神月君に向けていた。
黒峯君?
女神の慈愛の眼差しは、私が女神──黒峯君に抱いていた愚かな劣情を更に刺激した。
すばるの為に諦められるのか?
唯一無二の人を
────────
理事長が勝手に闇堕ちヤンデレ化しそうです・・・
**鳳堂学園理事長視点**
今日は高等部の祭り、新入生歓迎会だ。
私──鳳堂学園理事長・天野朔夜は、いつもなら主催者側の本部席でのんびり監視カメラの映像を眺めて表彰式出て終わりなのだが、今年は可愛い甥っ子のすばるが参加するので近くで様子を見守ることにした。
私は監視員として怪人二十面相のコスプレをしている。
怪人二十面相のコスプレは監視員だけで10人程扮装しているが、人気があるキャラクターなせいか、探偵と怪盗チームでも扮装している者が多い。
因みに私は「当たり」だ。
すばるに依頼して欲しくて後を着いて回っているのだが、一向に気付いて貰えない。
まあ、まだ始まったばかり。
時期じゃないしな。
すばるは一番難易度の高いスポーツゾーンを一人でクリアすると校舎へと向かった。
捜査員を躱しつつ、謎解きもしつつ進むすばる。
数年前まで食も細く、か細かったすばる。
今は健康になったが、αとしては小柄で愛らしい見た目だ。
悪い虫が纏わり付かないようにしなければ!
S組は選りすぐりのαとβしかいないからクラスメイト達と切磋琢磨しながら才能を伸ばせるだろう。
しかし、帰国して早々に髪を染めてアフロになった時は驚いたが、編入してすぐに丸坊主になってしまったのには更に驚かされた。
変な眼鏡も止めて、毎日楽しそうにしている様なので良いのだが、理事長室になかなか遊びに来てくれなくて淋しい。
切ない気持ちを抱え、すばるの後を追う。
今度はミニシアターのステージで暗唱をするようだ。
すばるの暗唱を聞く為に客席へ向かう。
客席には私と同じ「怪人」の腕章をつけた監視員が二人いた。
一人はすばるの担任の城山、もう一人は扇で顔を隠しているので誰なのか判らない。
私は入り口近くの目立たない場所ですばるの暗唱を聞いた。
幼少期より音楽の英才教育を叩き込まれたすばるの美声に聞き惚れる。
ステージ中央でスタンプカードを受け取るすばるに惜しみない拍手を送る。
何となく、城山の方に視線を向けた時、私は「女神」を見た!
女神は、すばるに惜しみない拍手を送っていた。
我が学園にこんな美しい人がいたなんて!
しかし、何処かで会ったことがあるような既視感を覚える。
城山が顧問を務める演劇部は脚本、役者、衣装、メイク、舞台装置など、どれもプロの劇団や歌劇団に勝るとも劣らない技術と実力を兼ね備えている。
おそらく「女神」は城山率いる演劇部の技術の結晶に違いない。
「そろそろ撮影するぞ。」
「了解」
城山の言葉に肯き、女神は腕章を外して席を立った。
私は二人の後を追った。
ロビーに出た二人は背景スクリーンの方へ移動した。
二人が打ち合わせをしているうちに何十人ものギャラリーが何処からともなく集まって来た。
女神が城山の指示でポーズをとる度にチャイナドレスのスリットから覗く脚線美に性的欲求が刺激される。
女神を自分だけのものにしたい!
女神を組み敷いて啼かせたい!!
性別もバース性も関係無く「欲しい」、そう思ったのは二度目だ。
一度目は去年、理事長に就任後、高等部の入学式で黒峯君を初めて見た時だった。
すばるが小さい頃から、黒峯君がいかに素晴らしくカッコ良いかとか、可愛いとかいう話をしょっちゅう聞かされて辟易していたし、可愛いうちのすばるの心を鷲掴みにしている彼に嫉妬して嫌っていたのに、一目見て惹かれた。
一回りも年が離れているし、すばるの想い人だから気持ちに蓋をしなければ、と彼への激情を押し殺して接して来たんだ。
女神の撮影会を見守っていると、すばるのお気に入りの神月君がやって来て女神に声をかけた。
人見知りが激しい神月君が、躊躇無く声をかけるのは珍しい。
もしかして知り合いか?
「!!」
ほんの僅かの会話、ほんの数十秒の僅かな時間、女神は慈愛のこもった眼差しを神月君に向けていた。
黒峯君?
女神の慈愛の眼差しは、私が女神──黒峯君に抱いていた愚かな劣情を更に刺激した。
すばるの為に諦められるのか?
唯一無二の人を
────────
理事長が勝手に闇堕ちヤンデレ化しそうです・・・
2
あなたにおすすめの小説
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
世話焼き風紀委員長は自分に無頓着
二藤ぽっきぃ
BL
非王道学園BL/美形受け/攻めは1人
都心から離れた山中にある御曹司や権力者の子息が通う全寮制の中高一貫校『都塚学園』
高等部から入学した仲神蛍(なかがみ けい)は高校最後の年に風紀委員長を務める。
生徒会長の京本誠一郎(きょうもと せいいちろう)とは、業務連絡の合間に嫌味を言う仲。
5月の連休明けに怪しい転入生が現れた。
問題ばかりの転入生に関わりたくないと思っていたが、慕ってくれる後輩、風紀書記の蜂須賀流星(はちすか りゅうせい)が巻き込まれる______
「学園で終わる恋愛なんて、してたまるか。どうせ政略結婚が待っているのに……」
______________
「俺は1年の頃にお前に一目惚れした、長期戦のつもりが邪魔が入ったからな。結婚を前提に恋人になれ。」
「俺がするんで、蛍様は身を任せてくれたらいいんすよ。これからもずっと一緒っすよ♡」
♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢
初投稿作品です。
誤字脱字の報告や、アドバイス、感想などお待ちしております。
毎日20時と23時に投稿予定です。
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
転化オメガの優等生はアルファの頂点に組み敷かれる
さち喜
BL
優等生・聖利(ひじり)と校則破りの常習犯・來(らい)は、ともに優秀なアルファ。
ライバルとして競い合ってきたふたりは、高等部寮でルームメイトに。
來を意識してしまう聖利は、あるとき自分の身体に妙な変化を感じる。
すると、來が獣のように押し倒してきて……。
「その顔、煽ってんだろ? 俺を」
アルファからオメガに転化してしまった聖利と、過保護に執着する來の焦れ恋物語。
※性描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※2021年に他サイトで連載した作品です。ラストに番外編を加筆予定です。
☆登場人物☆
楠見野聖利(くすみのひじり)
高校一年、175センチ、黒髪の美少年アルファ。
中等部から学年トップの秀才。
來に好意があるが、叶わぬ気持ちだと諦めている。
ある日、バース性が転化しアルファからオメガになってしまう。
海瀬來(かいせらい)
高校一年、185センチ、端正な顔立ちのアルファ。
聖利のライバルで、身体能力は聖利より上。
海瀬グループの御曹司。さらに成績優秀なため、多少素行が悪くても教師も生徒も手出しできない。
聖利のオメガ転化を前にして自身を抑えきれず……。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
全寮制男子高校 短編集
天気
BL
全寮制男子高校 御影学園を舞台に
BL短編小説を書いていきます!
ストーリー重視のたまにシリアスありです。
苦手な方は避けてお読みください!
書きたい色んな設定にチャレンジしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる