【R18】一匹狼は愛とか恋とか面倒くさい

藍生らぱん

文字の大きさ
65 / 100
高等部 一年目 皐月 ゴールデンウィーク 

055 GW 3日目 5

しおりを挟む

**健太視点**

姉貴のブランドのモデルの仕事バイトをするようになってから、祖父のお供で出版社やテレビ局に行くことが増えた。
姉貴のブランドの服を着て歩く広告塔、つまりは宣伝も兼ねている。
若い女性と男性Ωに姉貴のブランドの服は人気がある。
今日来た出版社の受付スタッフの何人かは姉貴のブランドのスーツを着ていた。

「「「キャー! 本物のシアンだー!」」」
応接室に入ると、今回の対談とは無関係の別の編集部の記者やら編集部員が何人か混じっていた。
「先生のお孫さんって本当だったんですね!」
『はい、リアル孫です』
「高校生なんでしょう?」
『高二です』
「どこの学校なの?」
『ナイショです』
「うちの読モにならない?」
『ごめんなさい』
質問攻めに合ったが、全て声色を変えて応えた。
因みに祖父はソファーに座ってドヤ顔でそのやり取りを茶を飲みながら見守っていた。

そうこうしているうちに対談相手のすばる達がやって来た。
すばるとマネージャーの向井さんだけじゃなく、理事長まで一緒だった。
すばるの所属事務所の社長だから、くっ付いて来たのか・・・
ソファーから立ち上がって会釈すると、向井さんがニコニコしながらペコリとかえしてくれた。
すばると理事長にはガン見された。
取り敢えず、知らん振りしよう。

祖父とすばるの写真撮影の間、向井さんに声をかけられた。
「シアンさん、この前の話、考えてくれた?」
『芸能界には興味ないです』
「そこを何とか! 君は大女優になれる!」
「向井君、」
理事長が向井さんに声をかけた。
「社長! 社長からも説得してくれませんか?」
「あ~、うん、ちょっとここではあれだから、後で場所を変えて、話だけでも、いいかな?」
理事長が向井さんと俺を交互に見つめた。
『無理です。どうしたって女優にはなれませんよ?』


固定カメラの後方の壁際で祖父とすばるの対談やすばるの演奏を見学していると、離れた位置に向井さんと一緒にいたはずの理事長がジリジリと近寄って来た。
人目があるせいか少し距離を空けて止まった。

一目惚れだからと理事長が良く知りもしない年下の高校生にグイグイ来る気持ちが解らない。
理事長に前世の記憶があるなら仕方ないと思えなくもないが、無さそうだしな。
魂が一緒でも、前世の人格に近くても、100パー同じじゃない。
だけど理事長の前世には、まあ色々と散々な目に合わされたので今世では関わり合いになりたくなかった。

「黒峯君はこのままモデルを続けるのかい?」
理事長の問いかけに俺は首を横に振った。
「役者に興味ある?」
『スタントとかスーツアクターならありますけど』
「スタント?!」

役者に興味が無い訳じゃない。
前世は軍の情報部に所属していてスパイ活動をしていた。
色んな知識を詰め込まれて様々な役割を演じた。

今世は平和な世界に生まれて、小さい頃は颯と京夜と一緒にヒーローもののごっこ遊びをするのが好きだった。
特撮とかアクション系のドラマとか映画が好きで、京夜の実家の系列会社の剣道とか体術系の道場にも颯と京夜と三人で通った。

「スタントなんて、そんな危険な」
『貴方には関係ない、ですよね?』
「黒峯君・・・」
『改めてスカウトはお断りします。貴方の事務所とは方向性が違うようですし、向井さんの言う大女優には絶対なれませんし。』

飼い殺しになるのが判りきっている所へなんか誰が行くものか。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。 が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。 そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め── ※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。 ※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。 ※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。 ※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。

世話焼き風紀委員長は自分に無頓着

二藤ぽっきぃ
BL
非王道学園BL/美形受け/攻めは1人 都心から離れた山中にある御曹司や権力者の子息が通う全寮制の中高一貫校『都塚学園』 高等部から入学した仲神蛍(なかがみ けい)は高校最後の年に風紀委員長を務める。 生徒会長の京本誠一郎(きょうもと せいいちろう)とは、業務連絡の合間に嫌味を言う仲。 5月の連休明けに怪しい転入生が現れた。 問題ばかりの転入生に関わりたくないと思っていたが、慕ってくれる後輩、風紀書記の蜂須賀流星(はちすか りゅうせい)が巻き込まれる______ 「学園で終わる恋愛なんて、してたまるか。どうせ政略結婚が待っているのに……」 ______________ 「俺は1年の頃にお前に一目惚れした、長期戦のつもりが邪魔が入ったからな。結婚を前提に恋人になれ。」 「俺がするんで、蛍様は身を任せてくれたらいいんすよ。これからもずっと一緒っすよ♡」 ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢♦︎ ♢ 初投稿作品です。 誤字脱字の報告や、アドバイス、感想などお待ちしております。 毎日20時と23時に投稿予定です。

そういった理由で彼は問題児になりました

まめ
BL
非王道生徒会をリコールされた元生徒会長が、それでも楽しく学校生活を過ごす話。

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

転化オメガの優等生はアルファの頂点に組み敷かれる

さち喜
BL
優等生・聖利(ひじり)と校則破りの常習犯・來(らい)は、ともに優秀なアルファ。 ライバルとして競い合ってきたふたりは、高等部寮でルームメイトに。 來を意識してしまう聖利は、あるとき自分の身体に妙な変化を感じる。 すると、來が獣のように押し倒してきて……。 「その顔、煽ってんだろ? 俺を」 アルファからオメガに転化してしまった聖利と、過保護に執着する來の焦れ恋物語。 ※性描写がありますので、苦手な方はご注意ください。 ※2021年に他サイトで連載した作品です。ラストに番外編を加筆予定です。 ☆登場人物☆ 楠見野聖利(くすみのひじり) 高校一年、175センチ、黒髪の美少年アルファ。 中等部から学年トップの秀才。 來に好意があるが、叶わぬ気持ちだと諦めている。 ある日、バース性が転化しアルファからオメガになってしまう。 海瀬來(かいせらい) 高校一年、185センチ、端正な顔立ちのアルファ。 聖利のライバルで、身体能力は聖利より上。 海瀬グループの御曹司。さらに成績優秀なため、多少素行が悪くても教師も生徒も手出しできない。 聖利のオメガ転化を前にして自身を抑えきれず……。

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

目立たないでと言われても

みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」 ****** 山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって…… 25話で本編完結+番外編4話

全寮制男子高校 短編集

天気
BL
全寮制男子高校 御影学園を舞台に BL短編小説を書いていきます! ストーリー重視のたまにシリアスありです。 苦手な方は避けてお読みください! 書きたい色んな設定にチャレンジしていきます!

処理中です...