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高等部 一年目 皐月 ゴールデンウィーク
057 GW 4日目 1
しおりを挟む**颯視点**
今日は家族みんなで正装してホテルの宴会場に来ている。
京夜の母方のお祖父さまの誕生日パーティーだ。
「お祖父さま、お誕生日おめでとうございます!」
京夜と一緒にお祖父さまにご挨拶。
京夜のお祖父さまは芸術家で、洋画と日本画とか陶芸とかで世界的に有名らしい。
黒峯のじいちゃんも小説の挿絵とか表紙で何度かお世話になってる。
「颯君、よく来たね。佐藤君のお菓子いっぱいあるからたくさん食べておいで。」
「ありがとう~」
「じいちゃん、また後でな。」
他にも挨拶待ちの人がいるのでケーキバイキングのコーナーへ移動した。
「颯♡」
ケーキバイキングの所にホテルの給仕の格好をしたバ会長がいた。
会場がバ会長の実家の高級ホテルだし、バ会長も京夜のお祖父さまの孫だから仕方ないんだけどさ。
そう、京夜とバ会長ってば従兄弟なんだよ。
母親同士が姉弟なんだよな。
「陽翔、珍しいな。バイトか?」
「修行の一環だ。」
「ふーん、ご苦労さん。」
「颯、何食べたい? 取り分けてあげるよ。」
バ会長が営業スマイル全開で大皿とトングを手にした。
「NYチーズケーキとアップルパイとレモンパイと抹茶のシフォンケーキ。」
バ会長は大皿にオレの言ったケーキを綺麗に配置すると、シフォンケーキの横に生クリームを絞り出した。
お洒落なバラの形に!
「おお~、食べるの勿体ないな~」
「また作ってやるから、気にせずに食べてくれ。」
「ありがとう!」
バ会長に礼を言って皿を受け取り、オレと京夜はテーブル席の方へ移動した。
「颯くーん!」
テーブル席ではうちの両親と京夜の両親が仲良く談笑していた。
「パパ、ダディー、こんにちは!」
「颯くん、一カ月ぶり! 会いたかった~」
京夜のパパは男性Ωなんだけど、背の高い爽やか系のイケメンだ。
そして京夜のダディーは男性αでダンディーな偉丈夫だ。
そして京夜のパパとうちの母ちゃんは幼馴染みで仲がいい。
二人でキャッキャウフフしている姿を番のα二人が鼻の下を伸ばしながら見守っている構図が何とも言えない。
ソファー席でベッタリしてた母ちゃんとパパが間を開けてポンポンするので二人の間に入って腰を降ろした。
京夜がケーキの載った皿を置いて、紅茶を入れてくれた。
「颯くん、あーん」
パパと母ちゃんの二人にケーキを交互に給餌されるオレ。
それをデレデレとカメラにおさめるαが三人。
優しい両親達と番に囲まれて、
今世のオレは幸せだよ。
だからオレはもう大丈夫。
オレは祖父母達と一緒に京夜のお祖父さまと談笑しているケン兄を見つめた。
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