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高等部 一年目 皐月 ゴールデンウィーク
061 GW 最終日 1
しおりを挟む**颯視点**
昨日のパーティーの後はホテルにそのまま一泊した。
俺と京夜はスイートルームでイチャイチャ楽しい夜を過ごした。
そうそう、ルームサービス頼んだらオレの神・佐藤シェフがデザートの仕上げを目の前でしてくれた!
強面のゴリマッチョ系なのに美味しくて繊細なスイーツを生み出す神!
大好き!
でも、オレがあまりにも長く佐藤シェフのデザートの余韻に浸っていたから、京夜が嫉妬して夜がいつもより少し激しかった。
本当はケン兄も一緒に夕飯食べたかったけど、凪姉にケン兄は城山先生とデートだから駄目だと釘を刺された。
城山先生は先生の中では一番優しくて大好きだけど、ケン兄の彼氏として認めるかどうかは別問題だ。
ケン兄には頼り甲斐というか、包容力がある大人なパートナーが必要だと思うんだ。
ん・・・?
城山先生ってもしかして理想的かも!
時々オレの夢の中に出てくる綺麗な白い犬が大好きな伯父さんと同じ優しい目をしているし!
とりあえず、朝は駄目って言われてないから「朝ご飯一緒にスイートルームで食べようよ」ってメールした。
そしたら、
「おはよう、神月と狗遠寺」
「オハヨウ、京夜、颯・・・」
ケン兄が城山先生と一緒にスイートルームに来た。
「「オハヨウゴザイマス」」
どゆこと?
城山先生は雪成先生と凪姉と朝ご飯食べるからとケン兄を置いて隣のスイートルームに行った。
オレ達は三人並んでソファーに座ってルームサービスで注文した軽食をつまみながら話しを始めた。
「城山先生、ケン兄とお泊まり?」
「添い寝しただけだ。」
ケン兄が照れくさそうにしてる!
「ディナーデートしたんだよね?」
「それがさ、蘭って校医が、颯から俺にシフトチェンジしたから。」
「「は?」」
「実はさ、昨日、パーティー抜けた後・・・」
ケン兄から昨日の顛末を詳しく聞かされた。
「・・・で、結局、ディナーは姉貴達と一緒にする事になってさ、デートっていうよりミーティングになった。」
「ミーティング・・・?」
「これ、」
ケン兄が自分の荷物を入れたトランクを開けてA4サイズの茶封筒を取り出した。
更に茶封筒の中からオレとケン兄の名前が一番上に記入された何かの検査結果の書類が一部づつ出てきた。
「これは?」
「危機管理を徹底するためにって、雪成義兄さんから渡された。俺と颯と相性がいいαとΩの一覧だ。」
俺の名前が書かれた方は京夜の名前の隣に99%という数値、そしてその下に数人90%台、85~89%台も数人の名前が書かれてあった。
ケン兄の方はオレの方と同じαの名前が何人か被ってる他、オレの従兄弟とセクハラ野郎の名前が加わっていて、Ωの名前もあった。
オレの方は
狗遠寺京夜(16)99%
鬼柳院陽翔(16)95%
和泉冬馬(17)89%
乾大和(16)89%
宇佐美吹雪(六カ月)85%
バ会長とチャラ男、乾さんは知らない人、吹雪くんは雪成先生とバ会長の甥っ子でゼロ歳、全員α
ケン兄の方は
神月大輝(21)98% Ω
乾大和(16)97%
蘭悠聖(27)94%
天野すばる(15)93%
和泉冬馬(17)89%
天野朔夜(28)89%
長尾一朗(15)86% Ω
早乙女真琴(16)85% Ω
大輝はオレの父方の従兄弟で大学生、オレの方と被ってる乾さんはケン兄との方が数値高め、セクハラ野郎に続いて、すばる、チャラ男、理事長、ポメチワのイチローきゅん、副会長・・・
「これ、何?」
「運命の番度、要は遺伝子の相性が良い奴のリスト。」
「こんなにいるの?」
「颯は最高位Ωと遺伝子キメラのせい。」
「ケン兄も多いね。」
「俺さ、αとΩの両性具有なんだってさ。そのせいで多いんだって。通常は90%以上が一人いるかどうかでグレーゾーンの85~89%台も数人らしい。」
「オレのグレーゾーンにゼロ歳児とか、大輝とセクハラ野郎がケン兄の運命って何かヤダ。」
「はげしく同意だ・・・」
大輝は男性Ωなんだけど、αにしか見えない体型と顔、頭脳を持っているせいか、男女バース性関係無くモテている。
それと、昔、凪姉から聞いたんだけど、大輝はオレの父ちゃんと母ちゃんの結婚式で生後半年のケン兄を勝手にお持ち帰りしようとしたらしい。
そのせいでずっとケン兄と接近禁止になってるんだけど、まさかの運命・・・
オレと京夜並に相性抜群じゃん。
大輝は知ってんのかな?
それとは別に、城山先生の名前が載ってないのが不思議だ。
絶対、ケン兄と相性抜群な筈なのに!
「颯と俺はフェロモンの匂い、似ているよな。」
「自分の匂いはよく分かんないけど、ケン兄の匂い大好きだぞ。」
オレは隣に座っているケン兄をギュッとした。
「健太より颯の方がほんのり甘いぞ。」
京夜がそう言ってケン兄に戯れ付いているオレの頭を撫でた。
「ちょっとした違いは俺と颯、両方と面識があるαとΩなら気づける。だから、初対面の蘭って奴は俺のフェロモンと颯のフェロモンを誤認した。それで、念のために乾大和って奴に気を付けろって言われた。」
「転校生か・・・」
「転校生?」
「2年の、俺等の組に休み明けに来る奴だ。」
「だから颯は暫くの間は単独行動禁止。マーキングも京夜のだけにしよう。昼は教室か風紀委員会室で弁当。京夜、お前の分も俺が作るけどいいか?」
「健太の手作り弁当なら大歓迎だ。美味いし、颯の好物の味の勉強にもなるしな。」
暫く学食行けないのは残念だけど、毎日ケン兄の手作り弁当食べられるならいっか。
オレ、出汁巻きとか甘い卵焼きは苦手なんだよな。
ケン兄の卵焼きはその日の気分で刻み葱とか魚肉ソーセージ、カニ風味かまぼことかを混ぜ込んだ塩コショウ味で白いご飯に合うから大好き。
だけど・・・
ケン兄の手作り弁当が原因であんな事になるなんて、この時のオレ達は思いもしなかった。
──────────
颯には前世の胎内記憶と誕生時の記憶がありますが、記憶ではなく夢だと思ってます。
吹雪君は数年後に産まれる京夜と颯の子供の運命です。
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