まつろわぬ番【完結済・番解除した僕らの末路シリーズ】

藍生らぱん

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まつろわぬ番・裏 V視点

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月日はあっという間に流れ、寄宿学校を卒業した俺はロンドン郊外にある名門大学の薬学部に入学した。
アーサーも同じ大学で、医学部に入学した。
アーサーの友人たちも学部は違うが、同じ大学に入学していた。

その企みを知ったのは偶然だった。

「僕、どうしてもアーサーの番になりたいんだ。協力してくれない?」
「俺も混ぜてくれるなら、いい薬もってるぜ。」
「薬? 危ないやつじゃないよね?」
「睡眠薬とラットの誘発剤。」
「お前、ベータのくせに何でラットの誘発剤なんか持ってるのさ。」
「気に入らないアルファにいつか一服~的な?」
「でもアーサーに使うんだ?」
「だって咬まれたいんだろう?」
「そうだけど・・・」
「俺はお前に夢中になってるアーサーの処女もらうだけだからさ。」

あんなにアーサーと仲が良くて、いつも助けてもらっていたくせに、アーサーの友人を名乗る者たちは最悪な形でアーサーを裏切ろうとしている。

「いつにする?」
「週末の、ダンスパーティーの日ならみんな酔っぱらってるだろうし、丁度いいよ。」

どうしよう・・・
アーサーに告げ口する?
でも、面と向かって話したこともない俺の話、信じてくれるかな?
友達の悪口を言う酷いやつだって嫌われたらどうしよう・・・

迷って、悩んでいるうちに時間だけが過ぎていった。

そして、とうとうその日になってしまった。

その日、大学のキャンパスは毎年恒例の新入生歓迎会のダンスパーティーでお祭り騒ぎをしていた。
アーサーはその騒ぎに乗じた友人のベータとオメガに薬を盛られた。
ぐったりとしたアーサーを担いで、ヨタヨタと人気のない寄宿舎に向かう道を歩いていたベータとオメガを威圧で沈め、俺はアーサーを抱き上げた。
そして、アーサーを自分の部屋に連れてきてしまっていた。

最初は医務室にと思ったけれど、酔っ払いや、ダンスで足をくじいたとか、転んだとかいう生徒たちでごった返していたので、仕方なく、だ。
だって、こんな状態のアーサーを他の奴らに見せたくない。
アーサーを俺のベッドに寝かせてから、外科医をしている叔父に電話をかけた。

「ウィル、知り合いが睡眠薬とラットの誘発剤盛られた。介抱ってどうすればいい?」
『症状は?』
「息が苦しそうで、顔が赤い。あと、発汗と、股間が大変そう。」
『服を楽にさせて、吐かせて水を飲ませろ。もし改善しない場合、暴れる可能性があるから縛りつけて女かオメガ呼んで処理させた方がいい。朝になっても収まらないときは電話よこせ。特別に往診してやる。』
「わかった。ありがとう。」

アーサーの服が汚れたら大変だから、全部脱がせてからバスルームに横向きで寝かせ、指を口の中に突っ込んで吐かせた。
「ううっ・・・」
うっすらと目を開けたアーサーに口の中を濯ぐように言ってペットボトルの水を含ませたらちゃんとできたから、次は水を飲むように言ったけれど、その時には意識が飛んでいた。
「アーサー、水飲んで・・・」
ペットボトルの水を何度か含ませたけれど、ダラダラと零して全然飲み込んでくれない。
だから試しに口移しで飲ませてみたら、ちゃんと飲んでくれた。

ペットボトルの水が空になるまで口移ししてから、吐しゃ物で少し汚れてしまったアーサーの体を綺麗に洗った。
アーサーはやせ気味だったけれど、程よく筋肉がついていて綺麗な裸だった。
セックスの経験はないのかもしれない。
アーサーのペニスは肌の色と同じでうっすらピンクががっているし、陥没気味の小さな乳首もピンク色だった。

「暴れるかもしれないから、縛って女かオメガに処理させる・・・」

タオルで拭いて、再びベッドに寝かせたあと、叔父ウィルが電話で言っていたことを復唱する。

「いやだ・・・」

他の誰かとアーサーがセックスするなんて、絶対に嫌だ。
せっかくあいつらからアーサーの貞操を守ったのに、他のやつになんかにやれない。

俺はネクタイでアーサーの両手を縛ってベッドの柵に括りつけると、ベッドサイドの引き出しからローションとスキンを取り出した。
スキンをアーサーのペニスに被せて手で何度か扱くと、呆気なく射精した。
「あ・・・はぁ・・・」
気持ち良さそうに喘ぎながら射精するアーサーの両足を広げ、その間に入り込んだ。

「他の誰かになんかやらない。誰かの番にもさせない。アーサー、俺のものになって・・・」

アーサーの後孔を指でほぐしながら何度も口づけ、舌を絡めた。
指先で前立腺を刺激すると中が収縮して俺の指を締め付け、アーサーは気持ちよさそうに喘いだ。
俺は指を抜くと、自分の猛ったペニスをアーサーの中にゆっくりと沈めた。




──────────
余談

イギリスの飲酒可能年齢は早い
調べてビックリ( ゚Д゚)

外出時は保護者同伴で食事中のみ16~17歳から
保護者同伴無しでの飲酒可能年齢は18歳から

自宅で保護者の監督付きなら、もっと早い年齢で宅飲みができるイギリス・・・

ということで、舞台がイギリスなので18歳での飲酒表現があることをご了承下さい。

日本での飲酒可能年齢は二十歳から!!


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