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192 アリアの新魔法
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話し合いの結果がどうなるのかは、多分だけど何となく分かっちゃった。でも、あの様子だとアリリアナ達の話はもう少し掛かりそう。そこで、ふと気になった。
「そういえば、アリアは?」
「アリア様なら馬車の中におられるぞ」
「そうなんだ。……何してるんだろ?」
今回アリアが私達の馬車で移動するのは完全に想定外だったので、妹にクランのメンバーとして、これといった役割があるわけじゃない。ないんだけど、皆が働いてる時に一人だけ馬車に篭られると、姉として何かちょっとだけ……き、気になるかも。
アリリアナ達を見る。話し合いはまだ終わらなさそう。これが知らない人との交渉ならアリリアナをサポートできる距離を維持しなきゃだけど、ポタラさんやアリュウさんが相手ならその必要はない。それに周囲の警戒も万全だ。
ちょっとだけなら……いいよね?
「アリア? 何してるの?」
気になった私は馬車の中に戻った。するとそこではーー
「ピィイイ!! ピッ、ピィイイイ!!」
宙に浮かぶ銀の魔法陣に拘束されて、必死にもがいているドルドさん(小鳥バージョン)の姿があった。
「コラァ!! あ、貴方、何やってるのよ?」
「ドッペル族の魔力反応を見てる。記録に残したい。紙は? 魔力が刻める魔力紙がいい」
「あっ、魔力紙ならそこに……じゃなくて! ダメでしょ、そんなことしちゃ!!」
「ドッペル族……珍しい」
そう言って分かりやすい好奇心を瞳に宿してるアリアの姿こそ珍しい。もちろん私だって魔法使いだ。アリアの気持ちも少しは分かる
「そりゃ、魔族自体が今では希少だからね」
「そう。その中でもドッペル族は更に希少。その特異な能力含めて、未知な部分が非常に多い。例えば……」
ドルドさんを捉えてる魔法陣が銀の光を強烈に放った。
「ピィイ!?」
「ちょ、ちょっとアリア? ドルドさんに何してるの?」
「魔力を封じた上で軽い幻術をしかけ、対象の肉体が持つ魔力抵抗値を測定してる」
「魔力を封じるって、また簡単に言って。……痛かったり傷ついたりはしてないんだよね?」
「幻覚を見るだけ」
「そう。なら……」
いいのかな? ううん。全然良くないよね。止めなくっちゃ。
「もういいから、早く術を止めて。大体何よ、その複雑な術式は……ん? あっ、なるほど。この術式、ロジックストーンと同じで、魔力を拡散させてるんだ」
その上、拡散した魔力を再利用して幻術のエネルギー源にしてる。あれ? これってまさか……。
「メビウスサイクル?」
アリアが開発した新魔法。分解と再構築の効率化によって、極めれば永遠に近付けるのではないかと、今なお魔法界で強い注目を浴び続ける新時代の魔法。……妹の天才、その証明。
「姉さんは使える?」
「え? そりゃできるけど」
アリアの開発した魔法だから、一時期、ものすごく研究した。ただ、拡散した魔力を自分の術式に組み込む変換式の構築がものすごく難しくて、専用のロッドを使わないと、実戦レベルの行使は難しい。
「なら、私の術式の上に重ねがけして」
「えっ!? どうして?」
「魔力の拡散率が低い。保有魔力の問題なのか、拡散にレジストしてるのか、判断できない」
「ドルドさんは魔族だよ? 保有魔力が少ないってことはないんじゃないかな?」
「変身してる肉体の影響を受けてる可能性がある」
「小鳥の姿だから、魔力が低いってこと? そんなこと……ない、とは言えないか」
ドッペル族の変身能力は恐ろしいほどに高くて、変身対象が鍛えた技すら扱うほどだ。変身した体に合わせて魔力容量が変化する可能性は十分にある。
「もしかしてドルドさんが変身した体を調べたら、オリジナルの情報と寸分違わないデータがとれる?」
「可能性は高い。でもデータが足りない。……知らべたい個体が?」
脳裡に浮かぶのはラミアの正体を暴く際にドルドさんが変身した赤い目の狼。ラミアでさえ恐れたあれは一体なんだったんだろう? どうしてだか、すごく気になった。
「うん。いる」
「なら重ねがけ」
「ええっと、それは……ドルドさんの意思を聞いてからじゃないと」
「ピィイ! ピィイイイ!!」
「いや、あの、何言ってるのか分からないので、人間の姿になってもらってもいいですか?」
「ドルド? いつまで休んでますの? ……って、あ、貴方達!? 何してますの?」
「イリーナ!? ち、違うからね! これは、その、ち、違うからね!?」
何が違うのかは自分でも分ってないけど、とにかく否定しておかなきゃいけない気がした。
イリーナはムスッとした表情で両腕を組んだ。
「それでは言い訳をどうぞ。まずはお姉さんの方から」
「えっと、その……ご、ごめんなさい」
「そういえば、アリアは?」
「アリア様なら馬車の中におられるぞ」
「そうなんだ。……何してるんだろ?」
今回アリアが私達の馬車で移動するのは完全に想定外だったので、妹にクランのメンバーとして、これといった役割があるわけじゃない。ないんだけど、皆が働いてる時に一人だけ馬車に篭られると、姉として何かちょっとだけ……き、気になるかも。
アリリアナ達を見る。話し合いはまだ終わらなさそう。これが知らない人との交渉ならアリリアナをサポートできる距離を維持しなきゃだけど、ポタラさんやアリュウさんが相手ならその必要はない。それに周囲の警戒も万全だ。
ちょっとだけなら……いいよね?
「アリア? 何してるの?」
気になった私は馬車の中に戻った。するとそこではーー
「ピィイイ!! ピッ、ピィイイイ!!」
宙に浮かぶ銀の魔法陣に拘束されて、必死にもがいているドルドさん(小鳥バージョン)の姿があった。
「コラァ!! あ、貴方、何やってるのよ?」
「ドッペル族の魔力反応を見てる。記録に残したい。紙は? 魔力が刻める魔力紙がいい」
「あっ、魔力紙ならそこに……じゃなくて! ダメでしょ、そんなことしちゃ!!」
「ドッペル族……珍しい」
そう言って分かりやすい好奇心を瞳に宿してるアリアの姿こそ珍しい。もちろん私だって魔法使いだ。アリアの気持ちも少しは分かる
「そりゃ、魔族自体が今では希少だからね」
「そう。その中でもドッペル族は更に希少。その特異な能力含めて、未知な部分が非常に多い。例えば……」
ドルドさんを捉えてる魔法陣が銀の光を強烈に放った。
「ピィイ!?」
「ちょ、ちょっとアリア? ドルドさんに何してるの?」
「魔力を封じた上で軽い幻術をしかけ、対象の肉体が持つ魔力抵抗値を測定してる」
「魔力を封じるって、また簡単に言って。……痛かったり傷ついたりはしてないんだよね?」
「幻覚を見るだけ」
「そう。なら……」
いいのかな? ううん。全然良くないよね。止めなくっちゃ。
「もういいから、早く術を止めて。大体何よ、その複雑な術式は……ん? あっ、なるほど。この術式、ロジックストーンと同じで、魔力を拡散させてるんだ」
その上、拡散した魔力を再利用して幻術のエネルギー源にしてる。あれ? これってまさか……。
「メビウスサイクル?」
アリアが開発した新魔法。分解と再構築の効率化によって、極めれば永遠に近付けるのではないかと、今なお魔法界で強い注目を浴び続ける新時代の魔法。……妹の天才、その証明。
「姉さんは使える?」
「え? そりゃできるけど」
アリアの開発した魔法だから、一時期、ものすごく研究した。ただ、拡散した魔力を自分の術式に組み込む変換式の構築がものすごく難しくて、専用のロッドを使わないと、実戦レベルの行使は難しい。
「なら、私の術式の上に重ねがけして」
「えっ!? どうして?」
「魔力の拡散率が低い。保有魔力の問題なのか、拡散にレジストしてるのか、判断できない」
「ドルドさんは魔族だよ? 保有魔力が少ないってことはないんじゃないかな?」
「変身してる肉体の影響を受けてる可能性がある」
「小鳥の姿だから、魔力が低いってこと? そんなこと……ない、とは言えないか」
ドッペル族の変身能力は恐ろしいほどに高くて、変身対象が鍛えた技すら扱うほどだ。変身した体に合わせて魔力容量が変化する可能性は十分にある。
「もしかしてドルドさんが変身した体を調べたら、オリジナルの情報と寸分違わないデータがとれる?」
「可能性は高い。でもデータが足りない。……知らべたい個体が?」
脳裡に浮かぶのはラミアの正体を暴く際にドルドさんが変身した赤い目の狼。ラミアでさえ恐れたあれは一体なんだったんだろう? どうしてだか、すごく気になった。
「うん。いる」
「なら重ねがけ」
「ええっと、それは……ドルドさんの意思を聞いてからじゃないと」
「ピィイ! ピィイイイ!!」
「いや、あの、何言ってるのか分からないので、人間の姿になってもらってもいいですか?」
「ドルド? いつまで休んでますの? ……って、あ、貴方達!? 何してますの?」
「イリーナ!? ち、違うからね! これは、その、ち、違うからね!?」
何が違うのかは自分でも分ってないけど、とにかく否定しておかなきゃいけない気がした。
イリーナはムスッとした表情で両腕を組んだ。
「それでは言い訳をどうぞ。まずはお姉さんの方から」
「えっと、その……ご、ごめんなさい」
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