19 / 36
18.身分
しおりを挟む
「あの、本当に大丈夫なんですか?」
門の前で辺境の魔族を束ねる代表がやってくるのを何魔もの魔族に囲まれて待っていると、クローナがフラウダにそんなことを聞いた。
「ん? 何が?」
「いえ、軍団長といえば魔王軍でもかなり位の高い魔族のはずです。仕方のないこととはいえ、いきなり来て呼び出すのは拙いのでは」
そこいらの大人であればたとえ兵士であっても勝つ自信があるクローナではあるが、さすがに魔族の中でも上から数えた方が早い強者に敵うと思うほど自惚れてはいなかった。
「大丈夫だよ。こう見えて僕結構顔が広いから、軍団長となら話し合いで上手くやれる……はず」
「そう……ですか?」
最後に言葉を濁したのが少しだけ引っかかったが、森の中で見せた信じられない魔力を思い出すことで、クローナは自分の中の不安を抑え込んだ。
(あれだけ強いんだし、軍団長が相手でも簡単に負けないはず。……いや、ひょっとしてこの魔族も軍団長?)
ふと沸いた考えは案外的を射てるのではとクローナは思った。
「それにしても若い子が結構いるね」
フラウダが警戒の為自分達を遠巻きに観察している魔族を眺めながらポツリと呟いた。
「記録ではここに魔王軍が派遣されたのは百年以上前ニャ。若い世代が育ってても不思議は無いニャ」
「百年って流石に長いね。派遣された部隊は? 当時から軍団長なら流石にまったく知らないと言うことはないと思うんだけど」
「それが誰が派遣されたかはまったく記憶に残ってないニャ。辺境に軍団長がいることもさっき知ったくらいニャ。まぁ、百年近く公の場に顔を見せてない軍団長なら数えるほどしかいなから予想はつくけどニャ。逆にフラウダ様は思いつかないニャ?」
「え? ……あっ、まさか!?」
フラウダが声を上げるのと同時、突然周囲に霧が満ちた。
「何?」
警戒に体を強張らせるクローナ。それとは逆にフラウダの顔に花のような笑みが浮かんだ。
「驚いた。秘密の任務地ってここだったんだね」
「フラウダ先輩! 会いたかったぞ!!」
霧が空中で一点に集まりそれがパッと黒いドレスを纏った女の姿へと変わる。女は重力に引かれるままフラウダの胸の中に飛び込んでーー
「おっと」
「ぶっ!? フ、フラウダ先輩? 再開のハグを避けるとはつれないではないか?」
地面に四肢をついた吸血鬼が涙目で元四天王を見上げる。
「いや、そんなこと言われてもね。子供がいるから仕方ないでしょ」
フラウダが片腕で抱っこしているニアをアピールしてみせれば、幼子と吸血鬼の目があった。
「む? その子供はどうしたのだ?」
「僕の子供だよ」
「なるほど。フラウダ先輩の……フラウダ、先輩、NOOOOOッ!?」
「もう、大声出さないでよ。ニアがびっくりするだろう」
「あっ、す、すまぬ。妾としたことが」
「ねぇ、ママ。この人誰?」
「ママの友達さ。あと人じゃなくて吸血鬼ね」
フラウダの訂正にニアは不思議そうに首を傾げた。
「ごめんね。でも見ての通り幼いから悪気はないんだ。許してあげてよ」
「許すも何も、そんなことで誇り高き妾は怒らぬ」
「あれ? でも確かグラシデアって、根絶派だったよね。それも結構過激な方の」
「そ、それは昔の話だ。今では、その……」
そこでためらうように言葉を切る吸血鬼。迷うように深紅の瞳が宙を泳ぐがーー
「ん?」
と、フラウダが優しい微笑みと共に首を傾げれば、グラシデアは意を決したように口を開いた。
「妾は今、共存派に属する考えを持ち、それに基づいて行動しておる。フラウダ様なら既にお気づきであろうが、妾が統括する村にも多くの人間が住んでおる。そして妾はこの者達を守りたいと考えておるのだ」
魔王軍の頂点、その一魔に対してあまりにも堂々と発せられた背信行為に、隣で話を聞いていたネココのこめかみに青筋が浮かんだ。
「なっ!? こ、こいつ……」
「グ、グラシデア様、お下がりください!」
アサシンが放つアサシンらしからぬ強烈な殺気に、黙って成り行きを見守っていた吸血鬼の部下達が主を守るべく前へと出る。
「下がれ! この方に刃を向けることは妾が許さぬぞ」
「し、しかしグラシデア様。その者達を生かして帰しては我等はもとよりグラシデア様のお立場がーー」
「たわけ! このお方を誰と心得る。魔王軍最高幹部四天王にして、大地の支配者と謳われるフラウダ•ウルネリア様だぞ」
「………………え?」
「我等が敵うお方ではない。武器を引けい」
「ひけい」
娘の真似をして吸血鬼の言葉尻を繰り返して胸を張るフラウダ。自分達を束ねるリーダーの言葉と花のような笑みを浮かべる魔族がもたらす印象にあまりにもギャップがありすぎて、元より事情を知る者以外に時が止まったような静寂が訪れた。
やがて誰となく呟いた。
「し、四天王?」
それは多種多様な強者がひしめく魔族の世界において一つの頂点にして伝説。魔王が王であるが故に気軽に戦場に赴けないのに対して、四天王は様々な戦場をその力で君臨し、存分に己の力量を示してきた。必然その人気は凄まじく一部では魔王ではなく四天王に忠誠を誓っていると主張する魔族もいるほどだ。
生ける伝説。そして単機で戦況を変えうる魔王軍最大の切り札。
四天王。その絶対的なカリスマを前にようやくグラシデアの言葉を理解できた全ての魔族がその場に跪く。
「「「「も、申し訳ありませんでした」」」」
殺気立った魔族が一転して頭を垂れる。そんな光景に幼い天才が呆気に取られていると、その母親は微笑みを浮かべたままーー
「それじゃあ早速で悪いけど、ご飯の用意をお願いね。あと住む場所の手配も。勿論、なるべくいい所で頼むよ」
図々しいとも取れる言葉を発した。無論、否定の言葉は返っては来なかった。
門の前で辺境の魔族を束ねる代表がやってくるのを何魔もの魔族に囲まれて待っていると、クローナがフラウダにそんなことを聞いた。
「ん? 何が?」
「いえ、軍団長といえば魔王軍でもかなり位の高い魔族のはずです。仕方のないこととはいえ、いきなり来て呼び出すのは拙いのでは」
そこいらの大人であればたとえ兵士であっても勝つ自信があるクローナではあるが、さすがに魔族の中でも上から数えた方が早い強者に敵うと思うほど自惚れてはいなかった。
「大丈夫だよ。こう見えて僕結構顔が広いから、軍団長となら話し合いで上手くやれる……はず」
「そう……ですか?」
最後に言葉を濁したのが少しだけ引っかかったが、森の中で見せた信じられない魔力を思い出すことで、クローナは自分の中の不安を抑え込んだ。
(あれだけ強いんだし、軍団長が相手でも簡単に負けないはず。……いや、ひょっとしてこの魔族も軍団長?)
ふと沸いた考えは案外的を射てるのではとクローナは思った。
「それにしても若い子が結構いるね」
フラウダが警戒の為自分達を遠巻きに観察している魔族を眺めながらポツリと呟いた。
「記録ではここに魔王軍が派遣されたのは百年以上前ニャ。若い世代が育ってても不思議は無いニャ」
「百年って流石に長いね。派遣された部隊は? 当時から軍団長なら流石にまったく知らないと言うことはないと思うんだけど」
「それが誰が派遣されたかはまったく記憶に残ってないニャ。辺境に軍団長がいることもさっき知ったくらいニャ。まぁ、百年近く公の場に顔を見せてない軍団長なら数えるほどしかいなから予想はつくけどニャ。逆にフラウダ様は思いつかないニャ?」
「え? ……あっ、まさか!?」
フラウダが声を上げるのと同時、突然周囲に霧が満ちた。
「何?」
警戒に体を強張らせるクローナ。それとは逆にフラウダの顔に花のような笑みが浮かんだ。
「驚いた。秘密の任務地ってここだったんだね」
「フラウダ先輩! 会いたかったぞ!!」
霧が空中で一点に集まりそれがパッと黒いドレスを纏った女の姿へと変わる。女は重力に引かれるままフラウダの胸の中に飛び込んでーー
「おっと」
「ぶっ!? フ、フラウダ先輩? 再開のハグを避けるとはつれないではないか?」
地面に四肢をついた吸血鬼が涙目で元四天王を見上げる。
「いや、そんなこと言われてもね。子供がいるから仕方ないでしょ」
フラウダが片腕で抱っこしているニアをアピールしてみせれば、幼子と吸血鬼の目があった。
「む? その子供はどうしたのだ?」
「僕の子供だよ」
「なるほど。フラウダ先輩の……フラウダ、先輩、NOOOOOッ!?」
「もう、大声出さないでよ。ニアがびっくりするだろう」
「あっ、す、すまぬ。妾としたことが」
「ねぇ、ママ。この人誰?」
「ママの友達さ。あと人じゃなくて吸血鬼ね」
フラウダの訂正にニアは不思議そうに首を傾げた。
「ごめんね。でも見ての通り幼いから悪気はないんだ。許してあげてよ」
「許すも何も、そんなことで誇り高き妾は怒らぬ」
「あれ? でも確かグラシデアって、根絶派だったよね。それも結構過激な方の」
「そ、それは昔の話だ。今では、その……」
そこでためらうように言葉を切る吸血鬼。迷うように深紅の瞳が宙を泳ぐがーー
「ん?」
と、フラウダが優しい微笑みと共に首を傾げれば、グラシデアは意を決したように口を開いた。
「妾は今、共存派に属する考えを持ち、それに基づいて行動しておる。フラウダ様なら既にお気づきであろうが、妾が統括する村にも多くの人間が住んでおる。そして妾はこの者達を守りたいと考えておるのだ」
魔王軍の頂点、その一魔に対してあまりにも堂々と発せられた背信行為に、隣で話を聞いていたネココのこめかみに青筋が浮かんだ。
「なっ!? こ、こいつ……」
「グ、グラシデア様、お下がりください!」
アサシンが放つアサシンらしからぬ強烈な殺気に、黙って成り行きを見守っていた吸血鬼の部下達が主を守るべく前へと出る。
「下がれ! この方に刃を向けることは妾が許さぬぞ」
「し、しかしグラシデア様。その者達を生かして帰しては我等はもとよりグラシデア様のお立場がーー」
「たわけ! このお方を誰と心得る。魔王軍最高幹部四天王にして、大地の支配者と謳われるフラウダ•ウルネリア様だぞ」
「………………え?」
「我等が敵うお方ではない。武器を引けい」
「ひけい」
娘の真似をして吸血鬼の言葉尻を繰り返して胸を張るフラウダ。自分達を束ねるリーダーの言葉と花のような笑みを浮かべる魔族がもたらす印象にあまりにもギャップがありすぎて、元より事情を知る者以外に時が止まったような静寂が訪れた。
やがて誰となく呟いた。
「し、四天王?」
それは多種多様な強者がひしめく魔族の世界において一つの頂点にして伝説。魔王が王であるが故に気軽に戦場に赴けないのに対して、四天王は様々な戦場をその力で君臨し、存分に己の力量を示してきた。必然その人気は凄まじく一部では魔王ではなく四天王に忠誠を誓っていると主張する魔族もいるほどだ。
生ける伝説。そして単機で戦況を変えうる魔王軍最大の切り札。
四天王。その絶対的なカリスマを前にようやくグラシデアの言葉を理解できた全ての魔族がその場に跪く。
「「「「も、申し訳ありませんでした」」」」
殺気立った魔族が一転して頭を垂れる。そんな光景に幼い天才が呆気に取られていると、その母親は微笑みを浮かべたままーー
「それじゃあ早速で悪いけど、ご飯の用意をお願いね。あと住む場所の手配も。勿論、なるべくいい所で頼むよ」
図々しいとも取れる言葉を発した。無論、否定の言葉は返っては来なかった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる