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序章 友哉とあきらの異常な日常
(3) 窓を叩くもの 前編
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数歩先に腕が転がっている。人間の、男の右腕だ。その腕には、手の甲と肘のすぐ下と二の腕に動物の噛み跡がある。見覚えのある腕、毎日見ている男の腕だ。
「はぁ……」
心を落ち着けるために、大きく息を吐く。
分かっている。あれは幻覚だ。
本物の友哉は俺がちゃんと抱きしめている。
この家に入ってすぐに、友哉の姿をしたものがナイフや斧や刀を持って襲ってきた。グロテスクな化け物が襲ってくるよりはるかに心臓に悪い。友哉がそんなことをするわけがないし、どんなに姿を似せても本物と偽物の違いは分かる。すぐに式狼に排除させることができたけど、ものすごく不快だった。
友哉と話をしている間もそういう嫌な幻覚が途切れることなく襲ってきて、あまりのしつこさにいい加減慣れて来た頃に、友哉の首が落ちて来た。
さすがに悲鳴を上げそうになったが、大雅が瞬時に喰いついたので、それは砂のようにぱさりと消えていった。
でも、それで俺の弱点を知られてしまったようで、その後は次々と友哉のバラバラ死体が降ってきた。足でも肩でも指の一本でも、どのパーツも友哉の特徴をよく写し取っていたから、偽物だと分かっていても冷や汗が出て呼吸が苦しかった。
友哉が女子高生達と青春ドラマみたいなやり取りをしている間、俺は俺で不快な幻覚と戦っていたのだ。
「消えた」
俺の腕の中で友哉が呟く。
「うん、消えた……」
三人の女の子達と一緒に、友哉のバラバラ死体も消えていった。
やっと、腕の力を抜いて友哉を解放する。
「あの子達、成仏したの?」
「分からない……。今までに見た成仏とは違っていた」
「キラキラしていなかったもんね」
「ああ……」
近田花梨と中沢瑠衣、遠野芽衣が消えた。成仏したかどうかは定かじゃないけど、姿を消してしまったのでこれ以上はどうにもできない。
残るは近田夫妻と横山玲音だが、友哉はしんどそうに手の甲で汗を拭っている。
「疲れた? 今日はもうやめとく?」
「うん……。いや、ちょっと話だけ聞いてみる」
「りょーかい。とりあえずエアコン入れるね」
俺は室内を見回し、壁にかけられているリモコンを見つけた。
ここは、リビングとダイニングキッチンがくっついている13畳ほどの広い部屋だ。
山川が言っていた通り、ここは少し高台になっているようで、窓の外には一段低いところに田んぼが広がっていて、そのずっと向こうになだらかな山が見えていた。絵本になりそうなほど平和な景色なのに、今のこの状況のせいか不穏な空気が漂っているように見える。
「大雅につかまっといてね」
「分かった」
大雅を寄り添わせてから友哉のそばを離れ、俺は壁のリモコンのボタンを押した。
ウィー……ンと小さな稼働音がして、涼しい風が流れ始める。
「横山さん、近田さん、尚美さん」
友哉が三人に声をかけているが、反応は無い。
さっきまで女子高生達がさんざん大きな声を出していたのに、まったく反応しなかったことからも、こっちの声が聞こえていないことが分かる。
俺は三人を観察した。
ここはまるで平凡な家庭の、平凡な朝の風景だ。
近田信夫は椅子に座って新聞を広げている。
近田尚美はテーブルに料理を並べ、トーストにバターを塗っている。
横山玲音は向かい側に座ってニコニコとそんな二人を見つめている。
「俺の声が聞こえませんか? 近田さん、どうして花梨さんと一緒にいなかったんですか? どうして横山さんと親子みたいにテーブルについているんです?」
友哉の声を横に聞きながら、俺は周囲を警戒する。この場に巣食う怪異は精神的に嫌なところを突いてくる。次に何をしてくるのか分からない。
俺はふと、窓の外に気を引かれた。
ちりっと何かが俺の神経に障った。
何かが気にかかる。
何だろうか。
「あ……」
赤いもの。
窓の外、田んぼの真ん中に、くすんだ赤の小さな鳥居が見える。嫌な予感を覚えながら目を凝らす。古くて手入れのされていない、大人は屈まないと通れないような小さな鳥居だった。それはこの部屋の窓からちょうど真正面を向いていて、その位置関係が何だか気になる。
幽霊なら……友哉の目に見える幽霊なら、何も怖くはない。それは死んでしまったというだけで人と同じように思考するし、人と同じような感情があるから。
だが、この部屋の元凶は幽霊案件じゃなさそうだった。
鳥居の周囲には今のところ怪異らしいものは見えないが……窓の外を見つめている内に、俺は低い山の中腹にも小さな赤いものを見つけてしまった。
人間よりずっと視力が良い俺でも、さすがにこの距離ではその赤いものが何かははっきりとは分からない。とても嫌な感じがするからあまり確かめたくはないが、確かめるしかない。
俺はスマートフォンを出してカメラアプリを起動した。山を画面のフレームに入れて、親指と人差し指を広げるように滑らせてどんどん拡大していく。
そこに見えてきたのは……。
「うわ、やっぱり鳥居じゃん」
「え、どうした?」
「えっとね……」
友哉の方に振り向こうとして俺は気付いた。
この部屋の大きな窓に赤いテープが貼ってある。窓枠をうまく利用して、鳥居の形を作っている。
山の鳥居と、田んぼの鳥居を結ぶ線はまっすぐこの部屋にぶつかり、そしてここにも鳥居があるのだから……。
ぞわりと寒気が走った。
「うわこれ最悪。自称神様案件じゃん」
この国は、八百万の神様がいる国だ。神様と呼ばれるもの、神様を自称するものが無数に存在している。でも、神と一口に言っても、それは玉石混淆、種々雑多、良い神もいれば恐ろしい神もいる。中にはひどく厄介な悪霊のようなものも……。
「あきら? 神様案件って?」
俺は友哉のそばへ走り寄った。
「友哉、あとはハルに任せた方がいいかも知れない。この部屋、土地の神様を招き入れる構造になってる」
コンコンと小さく窓が鳴った。
ぎょっとして振り向くと、小学生くらいの女の子が立っている。
「あけて」
他の部屋の住人だろうか?
白いブラウスに赤いジャンパースカートを着て、赤い帽子を被っている。
「あけて」
幽霊アパートの噂がある部屋に、人が入るのを見て不思議に思ったんだろうか。
「ねぇ、あけてよ」
「君、どこから来たの? ここは危ないからおうちに帰った方がいいよ」
俺が言っても女の子は不思議そうに窓から覗き込んでいる。
「あきら? 誰と話しているんだ?」
「えっと、住人の女の子かな? 窓の外に……」
俺はハッとした。
「え? 友哉は聞こえなかった? 女の子の声」
「女の子? いや、何も」
ぞわっと全身に鳥肌が立つ。
俺はがばっと友哉を抱き寄せた。
「おわ!」
友哉が驚いた声を出したが、かまわず後ろに庇って俺はもう一度窓を見た。
女の子は一見普通の子供のようで、どこもぼやけていなくて、生きている人間のようにしか見えない。
「あきら、また幻覚か?」
「そうかも……」
ゴクリとつばを飲み込む。
女の子は笑顔のまま窓ガラスをたたき始める。
「あけて、あけてよ」
女の子の小さな手が何度も何度も窓を叩く。
「あーけーてー」
「友哉、ここを出よう」
「え、でも」
「あけてー、あけてー、あけてー」
女の子が両手でバンバンと窓を叩き始める。
「あけてー、あけてー、あけてー、あけて―……」
その声がどんどん大きくなっていく。
子供とは思えない力で、激しく窓を揺らして音を立てる。
「なんだ? 風が出てきたのか?」
友哉が窓の方を振り返った。
バン!
女の子が両手をついて窓に貼り付いた。
その目がぎょろりと友哉を見る。
俺が友哉を抱きかかえてびくりと一歩下がった時、強烈な光がピカリと目に刺さって来て、直後、ドスンバリバリと腹に響くような音が鳴り響いた。一瞬遅れてザーッと激しい雨が降り出す。
「わ、近くに落ちたな。夕立か?」
驚いている友哉を舐めるように凝視して、女の子はにぃっと唇を釣り上げる。
「いいもの見つけた」
蛇に睨まれた蛙みたいに、体が硬直する。
「う……やばいかも……」
その時、ひときわ大きな銀色の影が俺達の後ろから飛び上がり、頭の上を超えて窓の外のものへ襲いかかった。
「銀箭!?」
だが、その牙が届く前に少女の姿の怪異はふっと消え失せてしまった。
「銀箭、お前こんなところまで来たのか。久しぶりだなぁ」
友哉が嬉しそうに、大きな狼に手を差し伸べる。銀箭は俺の使う式狼ではなく、誰にも従属していない狼の魔物だ。理由は分からないが友哉を気に入っていて、しかも俺が持っているどの式狼よりも大きく、力が強い。
自分の意思で友哉を守っている銀箭がこの場に現れたということは、さっきの自称神様は相当にやばい奴だということだ。
「え、ちょ、銀箭、何だよ」
銀箭は友哉の体を押すようにして体を擦りつけるから、友哉がよろめく。銀箭は俺の顔をじっと見てくる。早く友哉をここから連れ出せと言いたいんだろう。
「友哉、ここはヤバイ。すぐ出よう」
「ヤバイ?」
「うん、ヤバい奴に目を付けられた」
「そうなのか? じゃぁ、土足で汚れたところを……」
「いや、のんきに掃除している場合じゃないって!」
「え、でも」
「ごめん、友哉!」
「うわっ?」
友哉の体は軽い。ひょいと抱え上げて肩に担ぐと、俺は全力で走ってその部屋を出た。
「わ、雨が……!」
大粒の雨の中を、そのまま全速力で車まで来てドアを開け、頭をぶつけないように押さえながら友哉を助手席に押し込む。
「急いでシートベルトして!」
「あきら、お前なぁ」
「お姫様抱っこじゃないだけましでしょ!」
「そういう問題じゃ……」
助手席のドアを閉め、車の前を回って運転席に滑り込む。
「戻って来い」
短い号令に、大雅、朧、琥珀、翆玉、つゆくさの五匹が俺の影にするりと戻ってきた。
俺はすぐにエンジンをかけて走り出した。
銀箭が追ってこないのは、あそこであの怪異を抑えているからかもしれない。
「友哉、ハルに電話して」
「いいけど、さっきエアコン入れっぱなし、ドア開けっぱなしで出てこなかったか?」
「そんなこと言っている場合じゃないって、今は逃げなきゃ!」
俺はアクセルを踏み込む。窓を叩く雨粒が横に流れていく。
「とにかく、あの田んぼと山が見えないところまで行かないと。県外まで出た方がいいかも知れない」
「そんなにヤバいのか」
「うん、雷落とすくらいだからね、かなりヤバイよ」
「でも、神様なんだろ? 話せば分かってくれるんじゃ……」
話せば分かる存在ならば、友哉の目にも見えていたはずだ。友哉には見えず、その声も聞こえなかったということは、意思疎通は不可能だということだ。
「とにかくハルに連絡……」
俺の焦った声を遮るかのように、友哉のスマートフォンが鳴り出す。
友哉が指を滑らすようにして通話状態にすると、スピーカーにしていないのにハルの大声が聞こえて来た。
『倉橋友哉、無事か!!』
「はい、無事です。ええと、今のところは」
「ハル! 変なやつに目を付けられた! どうすればいい?!」
俺ががなり声をあげると、向こうにも聞こえたらしい。
『大賀見家の四季の結界を張れ!』
「はぁ? そんなことをしたら俺が弾かれるだろ」
四季の結界というのは雪彦が友哉に伝授したものだが、半妖の俺まで外へ弾いてしまう強い結界だ。
「ハルも雪彦おじさんもここにいないのに、俺まで友哉から離れるわけにいかないって!」
そこでやっと友哉がスマートフォンをスピーカーにしたので、ハルの声がくっきり聞こえて来た。
『結界の外に狼を配置して、久豆葉あきらは外側から倉橋友哉を守ればよい! とにかく持ちこたえろ! すぐに行く!』
「行くって、場所は」
『倉橋友哉の居場所はGPSで常に分かっている』
「なにぃ! GPSってお前、いつの間に」
『好いた男の居場所は常に知っておきたいではないか』
「はぁ?」
「ええ?」
友哉がビックリしてスマートフォンを落としそうになる。
「ハルさん、困りますよ!」
『倉橋友哉、この蓮杖ハルが必ず助けに行くから、大船に乗った気で待っていればよい。電源は切るなよ!』
「え、ちょ」
「おい!」
ハルは言いたいことだけ言って通話を切った。
「はぁ、GPSか……」
勝手に追跡アプリを入れられていたらしいスマートフォンを、友哉は途惑ったようにポケットにしまう。
「ろくでもねぇな、ハルは」
「俺の何がいいのかな。あの人以外にはモテたことが無いんだけど」
それは、ハルには俺の力が効かないというだけの話なんだが、俺は「さぁ」と言って流した。
「とりあえず、どっかよさげなところで停めるから、すぐに結界張って」
「分かった」
あいつは日本各地に広く信仰されていた田の神と同じようなものなんだろう。冬は山に住み、春になると里に下りて来て田の神になり、秋に豊作をもたらした後、また山へ帰って行く。地域によっては他の土地神と結びつくこともあって、その姿や性質は千差万別だ。
鳥居がかなり小さなかったことからも、少女の姿はデフォルトなんだろう。その由来や対処方法はハルに解き明かしてもらうとして、俺は絶対に友哉と逃げ延びなくてはならない。
田んぼからも山からもできるだけ離れたいんだが、この田舎でいったいどこまで走ればいいのか。ふと、山川が言っていたことを思い出す。車で30分くらいのところに大規模なショッピングモールがあるとか。人が多い場所は適度に穢れているし、コンクリートに覆われているから、神を名乗るものを遠ざけるには都合が良いかもしれない。
カーナビの音声入力ボタンを押して「ショッピングモール」と言うと候補が三つ出て来たので、一番近いところに指で触れた。経路が表示される。
『目的地到着まで、あと23分です』
雨は嵐のようにどんどんひどくなっていく。風にあおられた雨が車体に当たってすごい音を立てている。
「まるで台風みたいだな。天気予報じゃ晴れって言っていたのに」
友哉の声が不安そうな色を帯びる。
俺はふとバックミラー越しに後ろを見て、愕然とした。この車が通り過ぎたはるか後方の道の上に虹が出ているのが見えたからだ。
周囲には不自然なくらいに車も人も通らない。この雨に降られているのは俺達だけなのか? あのアパートからずっと、雨が俺達を……友哉を追いかけてきているのか。
ガン、ゴン、と石礫でも降っているかのように、屋根に固いものが当たる音がした。
「なんだ?」
友哉がびくりとする。
フロントガラスに白い粒が当たってきた。
「え……雪?」
「雪?!」
俺の呟きに驚いて、友哉がこっちに顔を向ける。
「違う、雪じゃない、雹だ!」
「まじで?」
ガコン、ガコン、と間断なく屋根に雹が当たってくる。空から降る氷の粒が少しずつ大きくなって、さらに数を増してきて、しまいにはガガガガとマシンガンの連射を思わせるくらいの、身がすくむような派手な音を響かせていく。
フロントガラスに雹がぶつかってきて白くなり、ワイパーを動かしても追いつかずに前が見えにくくなっていく。
ビシッと目の前に小さな皹が走った。
「嘘だろ!」
ビシッ、ビシッとさらにフロントガラスの皹が広がっていく。
「あきら?」
「つかまってて!」
視界が悪い。路面が滑る。このままでは逃げ切る前に事故にあう。
ハザードを点け、ブレーキをかけて速度を落とす。滑る路面を必死にハンドルを切って車体を左に寄せて停車させた。
途端に、攻撃的なほど降っていた雹がぴたりと止む。
『まもなく、目的地周辺です』
カーナビが言って、勝手に電源が切れた。
静かすぎて、空気が張りつめる。
「ショッピングモールに着いたのか」
「ううん……違うみたいだよ」
びっしりと窓に貼り付いていた氷の粒が夏の日差しを受けて、徐々に溶けていく。周囲が見えるようになってきて、最悪なことに気付いた。ほかの住宅も商業施設も見えず、道路の左右は青々とした田んぼが広がっている。
「うー、孫悟空の気分……」
逃げても逃げても、神様の手のひらの上にいる。
「友哉、車から出ないでね」
「ああ……。俺達があの部屋に入ったのが気に喰わなかったのかな」
「多分ね」
本当はそういうことじゃない。あの自称神様は、友哉を一目見て自分のものにしたくなったんだ。力を持っているものほど、友哉の価値にすぐに気が付く。
「でも、あの子達は悲しいすれ違いを起こしていて、とても放っては置けなかったし……」
「うん、そうだよね」
友哉が気にしている女子高生達のことなんか、あいつはもうどうでも良くなっているはずだ。友哉はあんなメスガキどもより、ずっとずっときれいな存在だ。あいつは友哉を見てしまった。きっともう、友哉のことしか考えられなくなっている。俺にはそれがよく分かる。
「神様系はそういう理不尽なやつが多いらしいよ。崇められて祀られて力を持ったあやかしが、近代化以降、ずっと放置されたせいでおかしくなっちゃうんだって。きちんと手順を踏んで昇華させてあげないと、悪霊化することも多いって」
「しょうかさせる?」
「神様の卒業式だってさ、ハルが言うには」
「お前とハルさんって、俺の知らない内に色んな話をしているんだな。なんだかんだいって仲良いよな」
「は? そんなわけ……」
その時、助手席側の窓がコンコンと鳴った。
「久豆葉あきら、倉橋友哉、もう大丈夫だ。迎えに来たぞ」
いつも通りに偉そうな口調で、蓮杖ハルがそこで腕を組んで立っていた。
顔だけは整っているその女が、今だけは神々しく見えてくる。
「ハルー、遅いよ! そもそもあーゆー類いはハルの管轄だろ?」
シートベルトをはずして、助手席側のドアへ手を伸ばす。
「ハルさんが来たのか?」
友哉の問いに、俺の手がピクリと止まる。
「え……? 今の、聞こえなかった?」
「今の?」
「ハルの声」
「いや? あきら以外の声は聞こえないけど?」
「はぁ……」
心を落ち着けるために、大きく息を吐く。
分かっている。あれは幻覚だ。
本物の友哉は俺がちゃんと抱きしめている。
この家に入ってすぐに、友哉の姿をしたものがナイフや斧や刀を持って襲ってきた。グロテスクな化け物が襲ってくるよりはるかに心臓に悪い。友哉がそんなことをするわけがないし、どんなに姿を似せても本物と偽物の違いは分かる。すぐに式狼に排除させることができたけど、ものすごく不快だった。
友哉と話をしている間もそういう嫌な幻覚が途切れることなく襲ってきて、あまりのしつこさにいい加減慣れて来た頃に、友哉の首が落ちて来た。
さすがに悲鳴を上げそうになったが、大雅が瞬時に喰いついたので、それは砂のようにぱさりと消えていった。
でも、それで俺の弱点を知られてしまったようで、その後は次々と友哉のバラバラ死体が降ってきた。足でも肩でも指の一本でも、どのパーツも友哉の特徴をよく写し取っていたから、偽物だと分かっていても冷や汗が出て呼吸が苦しかった。
友哉が女子高生達と青春ドラマみたいなやり取りをしている間、俺は俺で不快な幻覚と戦っていたのだ。
「消えた」
俺の腕の中で友哉が呟く。
「うん、消えた……」
三人の女の子達と一緒に、友哉のバラバラ死体も消えていった。
やっと、腕の力を抜いて友哉を解放する。
「あの子達、成仏したの?」
「分からない……。今までに見た成仏とは違っていた」
「キラキラしていなかったもんね」
「ああ……」
近田花梨と中沢瑠衣、遠野芽衣が消えた。成仏したかどうかは定かじゃないけど、姿を消してしまったのでこれ以上はどうにもできない。
残るは近田夫妻と横山玲音だが、友哉はしんどそうに手の甲で汗を拭っている。
「疲れた? 今日はもうやめとく?」
「うん……。いや、ちょっと話だけ聞いてみる」
「りょーかい。とりあえずエアコン入れるね」
俺は室内を見回し、壁にかけられているリモコンを見つけた。
ここは、リビングとダイニングキッチンがくっついている13畳ほどの広い部屋だ。
山川が言っていた通り、ここは少し高台になっているようで、窓の外には一段低いところに田んぼが広がっていて、そのずっと向こうになだらかな山が見えていた。絵本になりそうなほど平和な景色なのに、今のこの状況のせいか不穏な空気が漂っているように見える。
「大雅につかまっといてね」
「分かった」
大雅を寄り添わせてから友哉のそばを離れ、俺は壁のリモコンのボタンを押した。
ウィー……ンと小さな稼働音がして、涼しい風が流れ始める。
「横山さん、近田さん、尚美さん」
友哉が三人に声をかけているが、反応は無い。
さっきまで女子高生達がさんざん大きな声を出していたのに、まったく反応しなかったことからも、こっちの声が聞こえていないことが分かる。
俺は三人を観察した。
ここはまるで平凡な家庭の、平凡な朝の風景だ。
近田信夫は椅子に座って新聞を広げている。
近田尚美はテーブルに料理を並べ、トーストにバターを塗っている。
横山玲音は向かい側に座ってニコニコとそんな二人を見つめている。
「俺の声が聞こえませんか? 近田さん、どうして花梨さんと一緒にいなかったんですか? どうして横山さんと親子みたいにテーブルについているんです?」
友哉の声を横に聞きながら、俺は周囲を警戒する。この場に巣食う怪異は精神的に嫌なところを突いてくる。次に何をしてくるのか分からない。
俺はふと、窓の外に気を引かれた。
ちりっと何かが俺の神経に障った。
何かが気にかかる。
何だろうか。
「あ……」
赤いもの。
窓の外、田んぼの真ん中に、くすんだ赤の小さな鳥居が見える。嫌な予感を覚えながら目を凝らす。古くて手入れのされていない、大人は屈まないと通れないような小さな鳥居だった。それはこの部屋の窓からちょうど真正面を向いていて、その位置関係が何だか気になる。
幽霊なら……友哉の目に見える幽霊なら、何も怖くはない。それは死んでしまったというだけで人と同じように思考するし、人と同じような感情があるから。
だが、この部屋の元凶は幽霊案件じゃなさそうだった。
鳥居の周囲には今のところ怪異らしいものは見えないが……窓の外を見つめている内に、俺は低い山の中腹にも小さな赤いものを見つけてしまった。
人間よりずっと視力が良い俺でも、さすがにこの距離ではその赤いものが何かははっきりとは分からない。とても嫌な感じがするからあまり確かめたくはないが、確かめるしかない。
俺はスマートフォンを出してカメラアプリを起動した。山を画面のフレームに入れて、親指と人差し指を広げるように滑らせてどんどん拡大していく。
そこに見えてきたのは……。
「うわ、やっぱり鳥居じゃん」
「え、どうした?」
「えっとね……」
友哉の方に振り向こうとして俺は気付いた。
この部屋の大きな窓に赤いテープが貼ってある。窓枠をうまく利用して、鳥居の形を作っている。
山の鳥居と、田んぼの鳥居を結ぶ線はまっすぐこの部屋にぶつかり、そしてここにも鳥居があるのだから……。
ぞわりと寒気が走った。
「うわこれ最悪。自称神様案件じゃん」
この国は、八百万の神様がいる国だ。神様と呼ばれるもの、神様を自称するものが無数に存在している。でも、神と一口に言っても、それは玉石混淆、種々雑多、良い神もいれば恐ろしい神もいる。中にはひどく厄介な悪霊のようなものも……。
「あきら? 神様案件って?」
俺は友哉のそばへ走り寄った。
「友哉、あとはハルに任せた方がいいかも知れない。この部屋、土地の神様を招き入れる構造になってる」
コンコンと小さく窓が鳴った。
ぎょっとして振り向くと、小学生くらいの女の子が立っている。
「あけて」
他の部屋の住人だろうか?
白いブラウスに赤いジャンパースカートを着て、赤い帽子を被っている。
「あけて」
幽霊アパートの噂がある部屋に、人が入るのを見て不思議に思ったんだろうか。
「ねぇ、あけてよ」
「君、どこから来たの? ここは危ないからおうちに帰った方がいいよ」
俺が言っても女の子は不思議そうに窓から覗き込んでいる。
「あきら? 誰と話しているんだ?」
「えっと、住人の女の子かな? 窓の外に……」
俺はハッとした。
「え? 友哉は聞こえなかった? 女の子の声」
「女の子? いや、何も」
ぞわっと全身に鳥肌が立つ。
俺はがばっと友哉を抱き寄せた。
「おわ!」
友哉が驚いた声を出したが、かまわず後ろに庇って俺はもう一度窓を見た。
女の子は一見普通の子供のようで、どこもぼやけていなくて、生きている人間のようにしか見えない。
「あきら、また幻覚か?」
「そうかも……」
ゴクリとつばを飲み込む。
女の子は笑顔のまま窓ガラスをたたき始める。
「あけて、あけてよ」
女の子の小さな手が何度も何度も窓を叩く。
「あーけーてー」
「友哉、ここを出よう」
「え、でも」
「あけてー、あけてー、あけてー」
女の子が両手でバンバンと窓を叩き始める。
「あけてー、あけてー、あけてー、あけて―……」
その声がどんどん大きくなっていく。
子供とは思えない力で、激しく窓を揺らして音を立てる。
「なんだ? 風が出てきたのか?」
友哉が窓の方を振り返った。
バン!
女の子が両手をついて窓に貼り付いた。
その目がぎょろりと友哉を見る。
俺が友哉を抱きかかえてびくりと一歩下がった時、強烈な光がピカリと目に刺さって来て、直後、ドスンバリバリと腹に響くような音が鳴り響いた。一瞬遅れてザーッと激しい雨が降り出す。
「わ、近くに落ちたな。夕立か?」
驚いている友哉を舐めるように凝視して、女の子はにぃっと唇を釣り上げる。
「いいもの見つけた」
蛇に睨まれた蛙みたいに、体が硬直する。
「う……やばいかも……」
その時、ひときわ大きな銀色の影が俺達の後ろから飛び上がり、頭の上を超えて窓の外のものへ襲いかかった。
「銀箭!?」
だが、その牙が届く前に少女の姿の怪異はふっと消え失せてしまった。
「銀箭、お前こんなところまで来たのか。久しぶりだなぁ」
友哉が嬉しそうに、大きな狼に手を差し伸べる。銀箭は俺の使う式狼ではなく、誰にも従属していない狼の魔物だ。理由は分からないが友哉を気に入っていて、しかも俺が持っているどの式狼よりも大きく、力が強い。
自分の意思で友哉を守っている銀箭がこの場に現れたということは、さっきの自称神様は相当にやばい奴だということだ。
「え、ちょ、銀箭、何だよ」
銀箭は友哉の体を押すようにして体を擦りつけるから、友哉がよろめく。銀箭は俺の顔をじっと見てくる。早く友哉をここから連れ出せと言いたいんだろう。
「友哉、ここはヤバイ。すぐ出よう」
「ヤバイ?」
「うん、ヤバい奴に目を付けられた」
「そうなのか? じゃぁ、土足で汚れたところを……」
「いや、のんきに掃除している場合じゃないって!」
「え、でも」
「ごめん、友哉!」
「うわっ?」
友哉の体は軽い。ひょいと抱え上げて肩に担ぐと、俺は全力で走ってその部屋を出た。
「わ、雨が……!」
大粒の雨の中を、そのまま全速力で車まで来てドアを開け、頭をぶつけないように押さえながら友哉を助手席に押し込む。
「急いでシートベルトして!」
「あきら、お前なぁ」
「お姫様抱っこじゃないだけましでしょ!」
「そういう問題じゃ……」
助手席のドアを閉め、車の前を回って運転席に滑り込む。
「戻って来い」
短い号令に、大雅、朧、琥珀、翆玉、つゆくさの五匹が俺の影にするりと戻ってきた。
俺はすぐにエンジンをかけて走り出した。
銀箭が追ってこないのは、あそこであの怪異を抑えているからかもしれない。
「友哉、ハルに電話して」
「いいけど、さっきエアコン入れっぱなし、ドア開けっぱなしで出てこなかったか?」
「そんなこと言っている場合じゃないって、今は逃げなきゃ!」
俺はアクセルを踏み込む。窓を叩く雨粒が横に流れていく。
「とにかく、あの田んぼと山が見えないところまで行かないと。県外まで出た方がいいかも知れない」
「そんなにヤバいのか」
「うん、雷落とすくらいだからね、かなりヤバイよ」
「でも、神様なんだろ? 話せば分かってくれるんじゃ……」
話せば分かる存在ならば、友哉の目にも見えていたはずだ。友哉には見えず、その声も聞こえなかったということは、意思疎通は不可能だということだ。
「とにかくハルに連絡……」
俺の焦った声を遮るかのように、友哉のスマートフォンが鳴り出す。
友哉が指を滑らすようにして通話状態にすると、スピーカーにしていないのにハルの大声が聞こえて来た。
『倉橋友哉、無事か!!』
「はい、無事です。ええと、今のところは」
「ハル! 変なやつに目を付けられた! どうすればいい?!」
俺ががなり声をあげると、向こうにも聞こえたらしい。
『大賀見家の四季の結界を張れ!』
「はぁ? そんなことをしたら俺が弾かれるだろ」
四季の結界というのは雪彦が友哉に伝授したものだが、半妖の俺まで外へ弾いてしまう強い結界だ。
「ハルも雪彦おじさんもここにいないのに、俺まで友哉から離れるわけにいかないって!」
そこでやっと友哉がスマートフォンをスピーカーにしたので、ハルの声がくっきり聞こえて来た。
『結界の外に狼を配置して、久豆葉あきらは外側から倉橋友哉を守ればよい! とにかく持ちこたえろ! すぐに行く!』
「行くって、場所は」
『倉橋友哉の居場所はGPSで常に分かっている』
「なにぃ! GPSってお前、いつの間に」
『好いた男の居場所は常に知っておきたいではないか』
「はぁ?」
「ええ?」
友哉がビックリしてスマートフォンを落としそうになる。
「ハルさん、困りますよ!」
『倉橋友哉、この蓮杖ハルが必ず助けに行くから、大船に乗った気で待っていればよい。電源は切るなよ!』
「え、ちょ」
「おい!」
ハルは言いたいことだけ言って通話を切った。
「はぁ、GPSか……」
勝手に追跡アプリを入れられていたらしいスマートフォンを、友哉は途惑ったようにポケットにしまう。
「ろくでもねぇな、ハルは」
「俺の何がいいのかな。あの人以外にはモテたことが無いんだけど」
それは、ハルには俺の力が効かないというだけの話なんだが、俺は「さぁ」と言って流した。
「とりあえず、どっかよさげなところで停めるから、すぐに結界張って」
「分かった」
あいつは日本各地に広く信仰されていた田の神と同じようなものなんだろう。冬は山に住み、春になると里に下りて来て田の神になり、秋に豊作をもたらした後、また山へ帰って行く。地域によっては他の土地神と結びつくこともあって、その姿や性質は千差万別だ。
鳥居がかなり小さなかったことからも、少女の姿はデフォルトなんだろう。その由来や対処方法はハルに解き明かしてもらうとして、俺は絶対に友哉と逃げ延びなくてはならない。
田んぼからも山からもできるだけ離れたいんだが、この田舎でいったいどこまで走ればいいのか。ふと、山川が言っていたことを思い出す。車で30分くらいのところに大規模なショッピングモールがあるとか。人が多い場所は適度に穢れているし、コンクリートに覆われているから、神を名乗るものを遠ざけるには都合が良いかもしれない。
カーナビの音声入力ボタンを押して「ショッピングモール」と言うと候補が三つ出て来たので、一番近いところに指で触れた。経路が表示される。
『目的地到着まで、あと23分です』
雨は嵐のようにどんどんひどくなっていく。風にあおられた雨が車体に当たってすごい音を立てている。
「まるで台風みたいだな。天気予報じゃ晴れって言っていたのに」
友哉の声が不安そうな色を帯びる。
俺はふとバックミラー越しに後ろを見て、愕然とした。この車が通り過ぎたはるか後方の道の上に虹が出ているのが見えたからだ。
周囲には不自然なくらいに車も人も通らない。この雨に降られているのは俺達だけなのか? あのアパートからずっと、雨が俺達を……友哉を追いかけてきているのか。
ガン、ゴン、と石礫でも降っているかのように、屋根に固いものが当たる音がした。
「なんだ?」
友哉がびくりとする。
フロントガラスに白い粒が当たってきた。
「え……雪?」
「雪?!」
俺の呟きに驚いて、友哉がこっちに顔を向ける。
「違う、雪じゃない、雹だ!」
「まじで?」
ガコン、ガコン、と間断なく屋根に雹が当たってくる。空から降る氷の粒が少しずつ大きくなって、さらに数を増してきて、しまいにはガガガガとマシンガンの連射を思わせるくらいの、身がすくむような派手な音を響かせていく。
フロントガラスに雹がぶつかってきて白くなり、ワイパーを動かしても追いつかずに前が見えにくくなっていく。
ビシッと目の前に小さな皹が走った。
「嘘だろ!」
ビシッ、ビシッとさらにフロントガラスの皹が広がっていく。
「あきら?」
「つかまってて!」
視界が悪い。路面が滑る。このままでは逃げ切る前に事故にあう。
ハザードを点け、ブレーキをかけて速度を落とす。滑る路面を必死にハンドルを切って車体を左に寄せて停車させた。
途端に、攻撃的なほど降っていた雹がぴたりと止む。
『まもなく、目的地周辺です』
カーナビが言って、勝手に電源が切れた。
静かすぎて、空気が張りつめる。
「ショッピングモールに着いたのか」
「ううん……違うみたいだよ」
びっしりと窓に貼り付いていた氷の粒が夏の日差しを受けて、徐々に溶けていく。周囲が見えるようになってきて、最悪なことに気付いた。ほかの住宅も商業施設も見えず、道路の左右は青々とした田んぼが広がっている。
「うー、孫悟空の気分……」
逃げても逃げても、神様の手のひらの上にいる。
「友哉、車から出ないでね」
「ああ……。俺達があの部屋に入ったのが気に喰わなかったのかな」
「多分ね」
本当はそういうことじゃない。あの自称神様は、友哉を一目見て自分のものにしたくなったんだ。力を持っているものほど、友哉の価値にすぐに気が付く。
「でも、あの子達は悲しいすれ違いを起こしていて、とても放っては置けなかったし……」
「うん、そうだよね」
友哉が気にしている女子高生達のことなんか、あいつはもうどうでも良くなっているはずだ。友哉はあんなメスガキどもより、ずっとずっときれいな存在だ。あいつは友哉を見てしまった。きっともう、友哉のことしか考えられなくなっている。俺にはそれがよく分かる。
「神様系はそういう理不尽なやつが多いらしいよ。崇められて祀られて力を持ったあやかしが、近代化以降、ずっと放置されたせいでおかしくなっちゃうんだって。きちんと手順を踏んで昇華させてあげないと、悪霊化することも多いって」
「しょうかさせる?」
「神様の卒業式だってさ、ハルが言うには」
「お前とハルさんって、俺の知らない内に色んな話をしているんだな。なんだかんだいって仲良いよな」
「は? そんなわけ……」
その時、助手席側の窓がコンコンと鳴った。
「久豆葉あきら、倉橋友哉、もう大丈夫だ。迎えに来たぞ」
いつも通りに偉そうな口調で、蓮杖ハルがそこで腕を組んで立っていた。
顔だけは整っているその女が、今だけは神々しく見えてくる。
「ハルー、遅いよ! そもそもあーゆー類いはハルの管轄だろ?」
シートベルトをはずして、助手席側のドアへ手を伸ばす。
「ハルさんが来たのか?」
友哉の問いに、俺の手がピクリと止まる。
「え……? 今の、聞こえなかった?」
「今の?」
「ハルの声」
「いや? あきら以外の声は聞こえないけど?」
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