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物理的に断罪する令嬢
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あぁ、殿下は今日も麗しいです。
殿下――エクトル第二王子殿下は天が遣わした御使いのように麗しいのです。
ただ、そこにおられるだけで全ての人々を幸せにできる至高の人。
しかし、最近、殿下を悩ませる存在があります。
身の程知らずの害虫です。
私はコンスタンス・コンプリス。
殿下には太陽のように憂いなく、微笑んでいただきたい。
だから、私は動きます。
私はコンスタンス。
殿下の憂いを払う者。
第一候補を発見しました。
デジレ・テネーブルはテネーブル伯爵家の一人娘です。
オーシャンブルーの手入れされて、長くきれいな髪。
垂れ目の大きな目には宝石のエメラルドのような美しい瞳。
肌も透き通るように白く、常に丁寧で物腰の柔らかさから、性別問わず人気のある令嬢でした。
いわゆる清楚系美少女かしら?
あくまで表向きは……。
テネーブル家は裏稼業で成り上がっただけのしがない貧乏貴族でした。
彼の家が如何にして、成り上がったのかを知れば、殿下のお相手にふさわしくないのは明白です。
金品と引き換えに殺しを請け負っています。
そのような家の輩が殿下の婚約者候補になるなど、許されるはずがありません。
いや、天が許そうともこのコンスタンスが許しません。
絶対に……です。
そう。
これは天が私に機会を与えてくれたに違いないのです。
天は言っています。
殿下の暗雲を晴らせと……。
「……っ」
迂闊に一人でいた貴女が悪いのです。
私は悪くありません。
何とも呆気なかったです。
手元の刃はデジレに吸い込まれるように深々と刺さりました。
純白のドレスが見る間に赤く、染まっていきます。
人を刺した感触は悪くないです。
刃が語り掛けます。
もっと刺せと……。
刺して、刺して、殿下の憂いを払うのだと訴えてくるのでs。
だから、馬乗りになって、完全に息絶えるまで何度も刃を突き立てました。
肉塊になるまで何度も、何度も。
飛び散る真っ赤な液体がきれいです。
咽かえるような血の匂いに酔いそう。
「貴女みたいな汚い人が殿下に近付いてはいけないの」
デジレだった肉塊はもう物を言いません。
単なる骸。
それも汚い骸です。
しかし、このままでは殿下のお目汚しになります。
許せません。
どうすべきでしょう?
迷うまでもありません。
この刃は特別だから。
私のナイフ――コンダネは自由自在に取り出せて、消せます。
勢いよく振り払うとあまりの威力に火花が散ります。
そう。
火花です。
骸は丁寧に燃やしましょう。
跡形もなくなるまでじっくりと焼けばいいのです……。
問題ありません。
世はなべてこともなし。
殿下――エクトル第二王子殿下は天が遣わした御使いのように麗しいのです。
ただ、そこにおられるだけで全ての人々を幸せにできる至高の人。
しかし、最近、殿下を悩ませる存在があります。
身の程知らずの害虫です。
私はコンスタンス・コンプリス。
殿下には太陽のように憂いなく、微笑んでいただきたい。
だから、私は動きます。
私はコンスタンス。
殿下の憂いを払う者。
第一候補を発見しました。
デジレ・テネーブルはテネーブル伯爵家の一人娘です。
オーシャンブルーの手入れされて、長くきれいな髪。
垂れ目の大きな目には宝石のエメラルドのような美しい瞳。
肌も透き通るように白く、常に丁寧で物腰の柔らかさから、性別問わず人気のある令嬢でした。
いわゆる清楚系美少女かしら?
あくまで表向きは……。
テネーブル家は裏稼業で成り上がっただけのしがない貧乏貴族でした。
彼の家が如何にして、成り上がったのかを知れば、殿下のお相手にふさわしくないのは明白です。
金品と引き換えに殺しを請け負っています。
そのような家の輩が殿下の婚約者候補になるなど、許されるはずがありません。
いや、天が許そうともこのコンスタンスが許しません。
絶対に……です。
そう。
これは天が私に機会を与えてくれたに違いないのです。
天は言っています。
殿下の暗雲を晴らせと……。
「……っ」
迂闊に一人でいた貴女が悪いのです。
私は悪くありません。
何とも呆気なかったです。
手元の刃はデジレに吸い込まれるように深々と刺さりました。
純白のドレスが見る間に赤く、染まっていきます。
人を刺した感触は悪くないです。
刃が語り掛けます。
もっと刺せと……。
刺して、刺して、殿下の憂いを払うのだと訴えてくるのでs。
だから、馬乗りになって、完全に息絶えるまで何度も刃を突き立てました。
肉塊になるまで何度も、何度も。
飛び散る真っ赤な液体がきれいです。
咽かえるような血の匂いに酔いそう。
「貴女みたいな汚い人が殿下に近付いてはいけないの」
デジレだった肉塊はもう物を言いません。
単なる骸。
それも汚い骸です。
しかし、このままでは殿下のお目汚しになります。
許せません。
どうすべきでしょう?
迷うまでもありません。
この刃は特別だから。
私のナイフ――コンダネは自由自在に取り出せて、消せます。
勢いよく振り払うとあまりの威力に火花が散ります。
そう。
火花です。
骸は丁寧に燃やしましょう。
跡形もなくなるまでじっくりと焼けばいいのです……。
問題ありません。
世はなべてこともなし。
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