くろいやつのくろいつらつらですわ～

くろいゆきと映画の話・英雄王伝説

　皆様、ごきげんようですわ～。

　アマプラのオススメが最近、微妙にあてにならない中、気になるタイトルがあったので見てみましたのよ？
　『キング・アーサー』ですわ。
　言わずと知れた有名なアーサー王伝説を下敷きにしたファンタジーアクション映画といったところかしら？

　日本人は三国志も大好きですけど、アーサー王も大好きですものね。
　某その体が鉄で出来ている物語だけではなく、アーサー王の伝説を下敷きにして、様々な作品が生み出されたのはその証拠だと思いますの。
　かの物語は西欧の人も大好きですしね。

　登場人物は主人公であるアーサー、魔法使いであるマーリンやアーサーの父ユーサーといった有名どころの名は出てくるのですけど、色々と新しい現代的な設定を盛り込みすぎた結果、迷走している感じがしましてよ。

　まず、気になるのがあらすじかしら？
　ユーサー王(アーサー王の父とされる人物)が弟であるヴォーティガン(何と、ジュード・ロウ！)の陰謀で殺されて、王位を奪われてしまい、一人逃げ延びた幼子のアーサーは貧民街の娼婦達に庇護され、成長するのでした。
　……なのですけど、思い切り『スラム街で育ったアーサー』と書いてますのよ？
　アーサー王はケルトの人なのでスラム街という単語はまだ、存在していなかったと思いますわ。
　全体的に中世のような世界観でありながら、魔法使いと魔法という不思議な要素もあるのでひょっとしたら、異世界が舞台かもしれないですわ💦

　しかも劇中でとある人物の吐く台詞が『ナポレオンの馬』。
　ヨーロッパの格言らしきものですわね。
　スラム街にナポレオンですわよ？
　設定がどうなってますの！？
　本当に異世界かもしれないわ。

　アーサーに力を貸してくれる謎の女性＝マーリンの命めいで力を貸してくれる魔法使いが、実はグィネヴィア(原典ではアーサー王の妃)なのですけど、ちょっとキャラが行方不明気味ですのよ。
　残念な点はもう一つあって、ヴォーティガンに力を与えた蛇の体を持った謎の女悪魔の存在が明かされないことかしら？
　最後の最後まで謎のまま、終わってしまいましたわ。
　代償として、愛する者の命を捧げるように求めてくるから、邪悪なのは間違いないのですけど……。
　そのせいでヴォーティガンは野望の為に愛する妻と娘に手を下してますもの。

　ただ、野望に憑りつかれて、命を奪うという行為は褒められたものではなく、単なるクズの暴君にしか見えませんけど……。
　王になっても暴政の限りを尽くしているだけ。
　最終的にどこに向かいたかったのかが分からない宿敵でもありますわね。

　評価するべき点としてはCGの出来は良くて、エクスカリバーを使って戦うアーサーはまるでクロックアップする某ライダーのように人外の戦い方を見せてくれますわ。
　正直、この作品、アーサーという名を出さないでオリジナルのファンタジーとして作っていたら、もっと伸び伸びと自由に作れていたのではないかしら？
　下手に古典的なアーサー王を題材にしたばかりにかえって、そこに囚われてしまったとも言えますわ。

　そして、どうやらこの映画、赤字が凄かったので続編がなかったことになったようでしてよ💦