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後日談
番外編13話 スミカの思い出
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私、田村澄華は友人関係に恵まれたことを感謝しないではいられない。
正直、私は地味な部類に入っていると思います。
顔立ちも可愛げがあって、優しそうなお嬢さんと褒めてくれるのは年上の女性だけ。
同性からはライバルになりそうもないから、仲良くしておこう程度のポジション。
異性からもお堅い委員長と思われているから、必要以上に距離が近付くこともない。
特に近付きたいとも思わないから、いいのだけどね。
そんな私なのに友人の顔面偏差値は引いてしまうほど高いのです。
親友のアリスは小学生の頃から、モデルにスカウトされるような美少女。
部長もミレイも黙っていれば、完璧な深窓の令嬢だ。
タケルとカオルは非公式なファンクラブ(公式があってもおかしいけどね)があるほどのイケメンだ。
カオルの場合、イケメンというよりも美少女すぎて、どうして私を好きになってくれたのか、不思議で仕方ありませんでした。
🌺 🌺 🌺
久しぶりのことでした。
アリスとの出会いを思い出していたのです。
中学になって、私はこれまでの自分を変えてみようと思い立ちました。
いわゆる反抗期だったのでしょうか?
それとも思春期かな?
小学生の頃は本さえ読んでいれば、幸せ。
髪は無造作に束ねただけのおさげで牛乳瓶の底のような厚いレンズの眼鏡をかけた野暮ったい女の子でした。
そこでいわゆるイメチェンをしようと考えたのです。
偶然、見かけたきれいな女の子に憧れてたのだったのか、今考えても分かりません。
とにかく、私はまず、どうしようもなく無造作だった髪を美容院で初めて、きれいにカットしてもらいました。
まずはちゃんとしたおさげに変えてもらうことから始めたのです。
そして、眼鏡をやめ、コンタクトに変えたのです。
自分でも少しはまともに見えるようになったと感動したのを今でもよく覚えています。
そんな私は見た目が変わったことで少し、自信が付いた気がしていたのですから、今考えると随分、単純だったのだとおかしくなってきます。
入学式当日、そこで私は彼女――私を変えるきっかけになったきれいな女の子と出会ったのです。
彼女は桃色のように見えるブロンドに青くてきれいな目をしていて、まるでフランス人形みたい。
こんなにきれいな生き物が動いて、喋っていると驚いたのを覚えています。
どう見ても外国の人なのにきれいな日本語で喋っているのにさらに驚き、困っているようだと気付いた私は勇気を出して、話しかけたのです。
『自分のクラスが分からないの』と明るい調子で友達のように話しかけてくる子。
それがアリスでした。
幸いなことに私とアリスは同じクラスだったのです。
入学式の時に案内した縁もあってか、仲良くなるまで、そんなに時間がかかりませんでした。
最初は自分を引き立たせようとして、私みたいな地味な子と付き合っているのかと疑いました。
小学生の頃から、モデル活動をしている校内一の美少女です。
本が友達みたいな私と仲良くする意味が分からなかったのです。
「友達って、見た目で決めるものだっけ? あたしはスミカが好きだから、友達なの。本が好きであたしの知らないことをたくさん知ってて、優しいスミカは最高の友達なんだよ」
そんなこと言われたことない私が号泣して、アリスがおろおろして、二人で泣き合って、笑いあったのを今でもよく思い出せるほどです。
今でも思い出し泣き笑いが出来るかも。
あの頃の私って、まだかわいかったな……。
高校生になる頃には私も立派な地味子であることに慣れてきました。
むしろ誇りにさえ、思うようになっていたのです。
アリスやカオル、タケルも同じ高校に進学したので環境が変わるというほどのこともありません。
カオルと一緒に文芸部に入部したのであまりの変わらなさに苦笑してしまったほどですから。
その文芸部で師匠とでも言うべき、部長と出会ったのもきっと運命だったのでしょう。
アリスとの関係も変わらず、困っている時にはお互いを助け合い、悲しい時に一緒に泣いて、楽しい時に一緒に笑い合う、そんな大切な友人関係は続いていました。
恋愛は本の中でしか、知らなかった私ですがそんな大切な友人がずっと初恋を拗らせているのに気付かないほど、鈍感だった訳でもありません。
何とか、アリスを素直にさせて二人の関係を進ませようとするものの一進一退。
全く、進展しない二人にヤキモキしていました。
カオルはそのようなヤキモキを私の二倍以上の年月続けていたので、私と彼が同士という関係になったのも自然なことだったのかもしれません。
それがどうして、カオルが好きになってくれたのでしょう?
今、いくら考えても理解できないままです。
本が好きで地味でこれといって取柄の無い私ですからね。
しかし、カオルは私のことをとても大切にしてくれます。
デートはしますし、手を繋いでショッピングだってします。
でも、するのはキスまでです。
結婚するまでそういうことはしないのだとカオルから、言われていたので私もそれに従うつもりです。
私の家は古い神社だったりします。
カオルはそれを気にしてくれたのでしょうか?
そんなに気にしなくても求められたら、いつでも応じる覚悟をしていたのですから。
アリスなんて、あんなに頑なだったのに一旦、想いが通じたら、こちらが心配になるくらいアレなのです。
しかし、そろそろ、カオルとの関係を一歩、進めるべきなのでしょうか。
私がそう悩み始めたのは当然のように同じ文系に進むと思っていたカオルが理系を選んだからでした……。
正直、私は地味な部類に入っていると思います。
顔立ちも可愛げがあって、優しそうなお嬢さんと褒めてくれるのは年上の女性だけ。
同性からはライバルになりそうもないから、仲良くしておこう程度のポジション。
異性からもお堅い委員長と思われているから、必要以上に距離が近付くこともない。
特に近付きたいとも思わないから、いいのだけどね。
そんな私なのに友人の顔面偏差値は引いてしまうほど高いのです。
親友のアリスは小学生の頃から、モデルにスカウトされるような美少女。
部長もミレイも黙っていれば、完璧な深窓の令嬢だ。
タケルとカオルは非公式なファンクラブ(公式があってもおかしいけどね)があるほどのイケメンだ。
カオルの場合、イケメンというよりも美少女すぎて、どうして私を好きになってくれたのか、不思議で仕方ありませんでした。
🌺 🌺 🌺
久しぶりのことでした。
アリスとの出会いを思い出していたのです。
中学になって、私はこれまでの自分を変えてみようと思い立ちました。
いわゆる反抗期だったのでしょうか?
それとも思春期かな?
小学生の頃は本さえ読んでいれば、幸せ。
髪は無造作に束ねただけのおさげで牛乳瓶の底のような厚いレンズの眼鏡をかけた野暮ったい女の子でした。
そこでいわゆるイメチェンをしようと考えたのです。
偶然、見かけたきれいな女の子に憧れてたのだったのか、今考えても分かりません。
とにかく、私はまず、どうしようもなく無造作だった髪を美容院で初めて、きれいにカットしてもらいました。
まずはちゃんとしたおさげに変えてもらうことから始めたのです。
そして、眼鏡をやめ、コンタクトに変えたのです。
自分でも少しはまともに見えるようになったと感動したのを今でもよく覚えています。
そんな私は見た目が変わったことで少し、自信が付いた気がしていたのですから、今考えると随分、単純だったのだとおかしくなってきます。
入学式当日、そこで私は彼女――私を変えるきっかけになったきれいな女の子と出会ったのです。
彼女は桃色のように見えるブロンドに青くてきれいな目をしていて、まるでフランス人形みたい。
こんなにきれいな生き物が動いて、喋っていると驚いたのを覚えています。
どう見ても外国の人なのにきれいな日本語で喋っているのにさらに驚き、困っているようだと気付いた私は勇気を出して、話しかけたのです。
『自分のクラスが分からないの』と明るい調子で友達のように話しかけてくる子。
それがアリスでした。
幸いなことに私とアリスは同じクラスだったのです。
入学式の時に案内した縁もあってか、仲良くなるまで、そんなに時間がかかりませんでした。
最初は自分を引き立たせようとして、私みたいな地味な子と付き合っているのかと疑いました。
小学生の頃から、モデル活動をしている校内一の美少女です。
本が友達みたいな私と仲良くする意味が分からなかったのです。
「友達って、見た目で決めるものだっけ? あたしはスミカが好きだから、友達なの。本が好きであたしの知らないことをたくさん知ってて、優しいスミカは最高の友達なんだよ」
そんなこと言われたことない私が号泣して、アリスがおろおろして、二人で泣き合って、笑いあったのを今でもよく思い出せるほどです。
今でも思い出し泣き笑いが出来るかも。
あの頃の私って、まだかわいかったな……。
高校生になる頃には私も立派な地味子であることに慣れてきました。
むしろ誇りにさえ、思うようになっていたのです。
アリスやカオル、タケルも同じ高校に進学したので環境が変わるというほどのこともありません。
カオルと一緒に文芸部に入部したのであまりの変わらなさに苦笑してしまったほどですから。
その文芸部で師匠とでも言うべき、部長と出会ったのもきっと運命だったのでしょう。
アリスとの関係も変わらず、困っている時にはお互いを助け合い、悲しい時に一緒に泣いて、楽しい時に一緒に笑い合う、そんな大切な友人関係は続いていました。
恋愛は本の中でしか、知らなかった私ですがそんな大切な友人がずっと初恋を拗らせているのに気付かないほど、鈍感だった訳でもありません。
何とか、アリスを素直にさせて二人の関係を進ませようとするものの一進一退。
全く、進展しない二人にヤキモキしていました。
カオルはそのようなヤキモキを私の二倍以上の年月続けていたので、私と彼が同士という関係になったのも自然なことだったのかもしれません。
それがどうして、カオルが好きになってくれたのでしょう?
今、いくら考えても理解できないままです。
本が好きで地味でこれといって取柄の無い私ですからね。
しかし、カオルは私のことをとても大切にしてくれます。
デートはしますし、手を繋いでショッピングだってします。
でも、するのはキスまでです。
結婚するまでそういうことはしないのだとカオルから、言われていたので私もそれに従うつもりです。
私の家は古い神社だったりします。
カオルはそれを気にしてくれたのでしょうか?
そんなに気にしなくても求められたら、いつでも応じる覚悟をしていたのですから。
アリスなんて、あんなに頑なだったのに一旦、想いが通じたら、こちらが心配になるくらいアレなのです。
しかし、そろそろ、カオルとの関係を一歩、進めるべきなのでしょうか。
私がそう悩み始めたのは当然のように同じ文系に進むと思っていたカオルが理系を選んだからでした……。
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