15 / 21
14
二人との出会い
しおりを挟む
高校二年の時、オレはいつも学校帰りに馴染みの喫茶店に寄っていた。
その日も友達と喫茶店で喋っていると、ひとりの男がふらりとオレたちのテーブルに近づいてきた。
そして、「よう、久しぶり!」と言って、オレの友達に話しかけた。
友達は「よう、江州田やんけ! 久しぶりやのう」と言い、
「こいつ、中学校のツレやねん」と、オレに紹介してくれた。
その時の江州田は、ジージャンにジーンズというラフな、というか、ちょっとダサい服装だった。
しかし、伏し目がちな顔からは、親しみやすい一面も覗かせていた。
オレは直感的に、こいつとはすぐに親しくなる、と感じた。
そして、その直感通り、一ヶ月後には、江州田の家に遊びに行っていた。
江州田はその時、ヤマハGT50という、小さなトレールバイクに乗っていた。
江州田の家の前。
「こいつはミニトレっていう愛称なんや。ちっちゃいけど、けっこうパワーあるで」
と、江州田はGT50のことをオレに教えてくれた。
「これは二代目のミニトレで、モノサスっていうサスペンションが付いたモデルなんや。どや?かっこええやろ」
と江州田は夢中に話していた。
オレはその頃、友達のホンダ・カブを借りて、たまに乗っていたくらいなので、他のバイクはあまり良く知らなかった。
人見知りが激しく、伏し目がちの江州田だけど、バイクの話をしている時は、まったくその傾向が見られなかった。
「おまえも何かバイクを買うたらどうや? 一緒に走れへんか?」
と江州田が言ったので、
「ああ、近いうちにスクーターでも買おうと思ってるんや」
とオレは答えた。
その時、江州田の母親が自転車で帰ってきた。
そして、江州田を睨みながら、
「もうすぐ御飯やで」と言った。
江州田は、それまでのキラキラした目ではなく、少し暗い表情で
「ああ、わかった」と言った。
高校三年になると、オレはバイトを始めた。
友達に紹介されたうどん屋の出前持ちだった。
そのうどん屋で同じようにバイトしていたのが王崎だった。
王崎はオレよりも体が大きく、がっちりしていたので、重いものも平気で持っていた。
オレは細くて、筋力もなかったので、最初は配達にとても苦労していたけど、王崎がいろいろと要領を教えてくれた。
王崎は誰とでも親しくなれる社交性を持っていて、オレもすぐに仲良くなった。
王崎と江州田が親しくなるのも早かった。
江州田の家に王崎を連れて行くと、人見知りの江州田ともすぐに話が弾んだ。
オレたちは、週末は必ず一緒に遊んでいた。
そして、高校を卒業してからも三人で頻繁に会うようになっていった。
高校三年の時に買ったタクトと、江州田のミニトレで、あちこち良く走りに行った。
時には奈良の山を越え、そして時には神戸の海まで走った。
江州田はメカに強かったので、バイクのことをいろいろと教えてもらった。
王崎が一緒の時は、王崎のゴルフに乗って、三人で良くドライブをした。
ドライブ中には、いつも江州田がダビングしてきた洋楽を聴いた。
オレはその頃、あまり洋楽は知らなかったが、江州田の影響で、少しずつ洋楽が好きになっていった。
話のつきないオレたちは、毎週あてもなく、洋楽を聴きながら、深夜のドライブに興じていた。
その日も友達と喫茶店で喋っていると、ひとりの男がふらりとオレたちのテーブルに近づいてきた。
そして、「よう、久しぶり!」と言って、オレの友達に話しかけた。
友達は「よう、江州田やんけ! 久しぶりやのう」と言い、
「こいつ、中学校のツレやねん」と、オレに紹介してくれた。
その時の江州田は、ジージャンにジーンズというラフな、というか、ちょっとダサい服装だった。
しかし、伏し目がちな顔からは、親しみやすい一面も覗かせていた。
オレは直感的に、こいつとはすぐに親しくなる、と感じた。
そして、その直感通り、一ヶ月後には、江州田の家に遊びに行っていた。
江州田はその時、ヤマハGT50という、小さなトレールバイクに乗っていた。
江州田の家の前。
「こいつはミニトレっていう愛称なんや。ちっちゃいけど、けっこうパワーあるで」
と、江州田はGT50のことをオレに教えてくれた。
「これは二代目のミニトレで、モノサスっていうサスペンションが付いたモデルなんや。どや?かっこええやろ」
と江州田は夢中に話していた。
オレはその頃、友達のホンダ・カブを借りて、たまに乗っていたくらいなので、他のバイクはあまり良く知らなかった。
人見知りが激しく、伏し目がちの江州田だけど、バイクの話をしている時は、まったくその傾向が見られなかった。
「おまえも何かバイクを買うたらどうや? 一緒に走れへんか?」
と江州田が言ったので、
「ああ、近いうちにスクーターでも買おうと思ってるんや」
とオレは答えた。
その時、江州田の母親が自転車で帰ってきた。
そして、江州田を睨みながら、
「もうすぐ御飯やで」と言った。
江州田は、それまでのキラキラした目ではなく、少し暗い表情で
「ああ、わかった」と言った。
高校三年になると、オレはバイトを始めた。
友達に紹介されたうどん屋の出前持ちだった。
そのうどん屋で同じようにバイトしていたのが王崎だった。
王崎はオレよりも体が大きく、がっちりしていたので、重いものも平気で持っていた。
オレは細くて、筋力もなかったので、最初は配達にとても苦労していたけど、王崎がいろいろと要領を教えてくれた。
王崎は誰とでも親しくなれる社交性を持っていて、オレもすぐに仲良くなった。
王崎と江州田が親しくなるのも早かった。
江州田の家に王崎を連れて行くと、人見知りの江州田ともすぐに話が弾んだ。
オレたちは、週末は必ず一緒に遊んでいた。
そして、高校を卒業してからも三人で頻繁に会うようになっていった。
高校三年の時に買ったタクトと、江州田のミニトレで、あちこち良く走りに行った。
時には奈良の山を越え、そして時には神戸の海まで走った。
江州田はメカに強かったので、バイクのことをいろいろと教えてもらった。
王崎が一緒の時は、王崎のゴルフに乗って、三人で良くドライブをした。
ドライブ中には、いつも江州田がダビングしてきた洋楽を聴いた。
オレはその頃、あまり洋楽は知らなかったが、江州田の影響で、少しずつ洋楽が好きになっていった。
話のつきないオレたちは、毎週あてもなく、洋楽を聴きながら、深夜のドライブに興じていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
『 ゆりかご 』
設楽理沙
ライト文芸
- - - - - 非公開予定でしたがもうしばらく公開します。- - - -
◉2025.7.2~……本文を少し見直ししています。
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
――――
「静かな夜のあとに」― 大人の再生を描く愛の物語
『静寂の夜を越えて、彼女はもう一度、愛を信じた――』
過去の痛み(不倫・別離)を“夜”として象徴し、
そのあとに芽吹く新しい愛を暗示。
[大人の再生と静かな愛]
“嵐のような過去を静かに受け入れて、その先にある光を見つめる”
読後に“しっとりとした再生”を感じていただければ――――。
――――
・・・・・・・・・・
芹 あさみ 36歳 専業主婦 娘: ゆみ 中学2年生 13才
芹 裕輔 39歳 会社経営 息子: 拓哉 小学2年生 8才
早乙女京平 28歳 会社員
(家庭の事情があり、ホストクラブでアルバイト)
浅野エリカ 35歳 看護師
浅野マイケル 40歳 会社員
❧イラストはAI生成画像自作
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる

