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第158話【100の酒瓶と大量の芋】
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「えっ!?
品物は馬車にあるのではないのですか?」
ミミエルが驚くのも無理はない、トトルはもちろん同行している僕たちも大きな荷物を持っているようには見えないし、店の外に馬車があるような気配もないからだ。
「トトルさん。そんな意地悪をしては駄目ですよ」
僕はそう言いながらポーチを探って10枚ほどのカードを取り出してテーブルに並べた。
「カード?
これがお酒の商品だと言うのですか?」
ミミエルは並べられたカードに酒瓶の絵が書かれているのを見て不思議そうに手にとって眺めている。
「はい。
そうです、そのカード1枚に10の酒瓶が入っていますので全部で10枚、100の酒瓶となります」
「詐欺?」
どうやらミミエルはカード収納されたカードを見るのは初めてだったようで思わずでた言葉がそれだった。
「ははっ。
確かに知らなければそうとられても仕方ないですね。
あなたも聞いたことくらいはあるでしょう?
カード収納スキルというものがあることを」
「カード収納スキルですか?
聞いたことはありますけど実際に見たことはありませんね……ってこれがカード収納だと言うのですか?」
「はい。
品物をカード化して安全に軽く運べる有用性のあるスキルですよ」
僕の説明に穴があくほどしっかりとカードを見つめていたミミエルが僕にカード化の解除をもとめて一枚のカードを差し出した。
「出来ると言うのならばこの場でこれを元に戻してもらえますか?」
「良いですよ。
とりあえず一枚カード化を解いてみますからテーブルの上を片付けておいてくださいね」
僕はミミエルがテーブルの上を片付けたのを見計らって手渡されたカードを開放した。
「なっ!?
本当にお酒の瓶が10本もカード化してるなんて……」
「どうです?
これで本当だと信じてもらえましたか?」
僕がそう言ってミミエルを見ると彼女は出された酒瓶を品定めしながらも驚きを隠せなかった。
「こんなの見たことない!
いったい何をすればこんなことが出来るようになるのよ!?」
「神様にもらった大切なスキルを頑張って使いこなしただけですよ。
これは別に僕だけの特別なスキルじゃないので同じカード収納スキルをもつ人ならば努力次第で使いこなすことが出来ますよ」
僕はそう言いながら残りのカード化したものをまとめて彼女に手渡した。
「契約成立ですかな。
金額は先ほど提示して頂いたもので結構ですのでお支払いをお願いします」
あっけにとられた表情のミミエルにトトルはそう言って酒瓶の請求書を提示した。
「サービスで残りのカード化したものはあなたが任意のタイミングで開放できるようにしておきますね。
ちなみにカード化している間は品質の劣化をしないので必要ない分に関してはカードのまま保管しておいた方が良いかと思いますよ」
僕はそう言ってミミエルに手渡したカードに条件つけをして開放手順を教えておいた。
「――料金は確かに受け取りました。
ご購入ありがとうございました」
トトルはミミエルから料金を受け取ると商人らしくお礼を言うと雑貨店を後にする。
「トトルさんは先に戻られるのですね、それでは僕たちはお店の商品を見せてもらって良いですか?」
トトルが商談を終えて先に馬車に戻ったことにより、僕たちは雑貨店の品物を見てまわることにしたのだ。
「――これなんか良くないですか?」
「それよりもこっちの方が喜ばれるんじゃないかな?」
数は多くはなかったが小さな村にある雑貨店とは思えないほどの変わり種商品が目を引いた。
「これを頂けますか?」
結果的に僕とノエルで選んだのはこの村唯一の特産農産物の巨大な芋だった。
「そんなどこにでもありそうな芋で良いのですか?」
村の特産農産物とはいえ、芋などどこにでもあるものでこの村では食糧難を期に改良され大きく育つ特徴をもっただけの芋との認識にそれだけの価値は見出していなかったのだ。
「いやいや、何を言ってるのですか?
これほど見事で価値のある芋は初めて見ましたよ。
これは是非大量に購入していきたいと思いますがどのくらい準備できそうですか?」
興奮しながら話す僕に対してポカンとした表情でいたミミエルは突然ハッとしてバタバタと店の奥へと走っていった。
数分後、息を切らせながら戻ってきた彼女は手にしたメモを見ながら計算機で金額を確認する。
「今ある在庫全部でこのくらいの金額になりますがどれだけ買っていかれますか?」
そこに書かれていた金額を見た僕は「あ、そのくらいなら全部買わせてもらっていいですか?」と答えた。
「ぜ、ぜ、全部ですか?
本当に大丈夫なんですか?」
それは持って帰れるかの心配かそれとも代金を支払えるのかの心配か分からなかったがおそらくその両方だったのだろうがカウンターに金貨を2枚置いた途端に手を引かれて奥の倉庫に連れて行かれた。
「ここにある箱全部ですけど、本当に大丈夫なんですか?」
連れてこられた倉庫には天井近くまで積み上げられた木箱が所狭しと置かれていた。
「おお、これは良いですね。
これだけあればいろいろと試作をしてから販売しても十分足りそうですね。
あ、念のため確認ですけどこの部屋にある木箱全部ですよね?
あと、この木箱ごと持っていって大丈夫ですよね?」
「は、はい。
ここにある木箱全部になります。
木箱ももちろん持って行ってもらって大丈夫です」
僕はミミエルの言葉に満足してスキルで次々と木箱をカード化していった。
品物は馬車にあるのではないのですか?」
ミミエルが驚くのも無理はない、トトルはもちろん同行している僕たちも大きな荷物を持っているようには見えないし、店の外に馬車があるような気配もないからだ。
「トトルさん。そんな意地悪をしては駄目ですよ」
僕はそう言いながらポーチを探って10枚ほどのカードを取り出してテーブルに並べた。
「カード?
これがお酒の商品だと言うのですか?」
ミミエルは並べられたカードに酒瓶の絵が書かれているのを見て不思議そうに手にとって眺めている。
「はい。
そうです、そのカード1枚に10の酒瓶が入っていますので全部で10枚、100の酒瓶となります」
「詐欺?」
どうやらミミエルはカード収納されたカードを見るのは初めてだったようで思わずでた言葉がそれだった。
「ははっ。
確かに知らなければそうとられても仕方ないですね。
あなたも聞いたことくらいはあるでしょう?
カード収納スキルというものがあることを」
「カード収納スキルですか?
聞いたことはありますけど実際に見たことはありませんね……ってこれがカード収納だと言うのですか?」
「はい。
品物をカード化して安全に軽く運べる有用性のあるスキルですよ」
僕の説明に穴があくほどしっかりとカードを見つめていたミミエルが僕にカード化の解除をもとめて一枚のカードを差し出した。
「出来ると言うのならばこの場でこれを元に戻してもらえますか?」
「良いですよ。
とりあえず一枚カード化を解いてみますからテーブルの上を片付けておいてくださいね」
僕はミミエルがテーブルの上を片付けたのを見計らって手渡されたカードを開放した。
「なっ!?
本当にお酒の瓶が10本もカード化してるなんて……」
「どうです?
これで本当だと信じてもらえましたか?」
僕がそう言ってミミエルを見ると彼女は出された酒瓶を品定めしながらも驚きを隠せなかった。
「こんなの見たことない!
いったい何をすればこんなことが出来るようになるのよ!?」
「神様にもらった大切なスキルを頑張って使いこなしただけですよ。
これは別に僕だけの特別なスキルじゃないので同じカード収納スキルをもつ人ならば努力次第で使いこなすことが出来ますよ」
僕はそう言いながら残りのカード化したものをまとめて彼女に手渡した。
「契約成立ですかな。
金額は先ほど提示して頂いたもので結構ですのでお支払いをお願いします」
あっけにとられた表情のミミエルにトトルはそう言って酒瓶の請求書を提示した。
「サービスで残りのカード化したものはあなたが任意のタイミングで開放できるようにしておきますね。
ちなみにカード化している間は品質の劣化をしないので必要ない分に関してはカードのまま保管しておいた方が良いかと思いますよ」
僕はそう言ってミミエルに手渡したカードに条件つけをして開放手順を教えておいた。
「――料金は確かに受け取りました。
ご購入ありがとうございました」
トトルはミミエルから料金を受け取ると商人らしくお礼を言うと雑貨店を後にする。
「トトルさんは先に戻られるのですね、それでは僕たちはお店の商品を見せてもらって良いですか?」
トトルが商談を終えて先に馬車に戻ったことにより、僕たちは雑貨店の品物を見てまわることにしたのだ。
「――これなんか良くないですか?」
「それよりもこっちの方が喜ばれるんじゃないかな?」
数は多くはなかったが小さな村にある雑貨店とは思えないほどの変わり種商品が目を引いた。
「これを頂けますか?」
結果的に僕とノエルで選んだのはこの村唯一の特産農産物の巨大な芋だった。
「そんなどこにでもありそうな芋で良いのですか?」
村の特産農産物とはいえ、芋などどこにでもあるものでこの村では食糧難を期に改良され大きく育つ特徴をもっただけの芋との認識にそれだけの価値は見出していなかったのだ。
「いやいや、何を言ってるのですか?
これほど見事で価値のある芋は初めて見ましたよ。
これは是非大量に購入していきたいと思いますがどのくらい準備できそうですか?」
興奮しながら話す僕に対してポカンとした表情でいたミミエルは突然ハッとしてバタバタと店の奥へと走っていった。
数分後、息を切らせながら戻ってきた彼女は手にしたメモを見ながら計算機で金額を確認する。
「今ある在庫全部でこのくらいの金額になりますがどれだけ買っていかれますか?」
そこに書かれていた金額を見た僕は「あ、そのくらいなら全部買わせてもらっていいですか?」と答えた。
「ぜ、ぜ、全部ですか?
本当に大丈夫なんですか?」
それは持って帰れるかの心配かそれとも代金を支払えるのかの心配か分からなかったがおそらくその両方だったのだろうがカウンターに金貨を2枚置いた途端に手を引かれて奥の倉庫に連れて行かれた。
「ここにある箱全部ですけど、本当に大丈夫なんですか?」
連れてこられた倉庫には天井近くまで積み上げられた木箱が所狭しと置かれていた。
「おお、これは良いですね。
これだけあればいろいろと試作をしてから販売しても十分足りそうですね。
あ、念のため確認ですけどこの部屋にある木箱全部ですよね?
あと、この木箱ごと持っていって大丈夫ですよね?」
「は、はい。
ここにある木箱全部になります。
木箱ももちろん持って行ってもらって大丈夫です」
僕はミミエルの言葉に満足してスキルで次々と木箱をカード化していった。
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