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第四章 百鬼夜行殲滅作戦
第二話*side陽真
百鬼夜行の発生原理は判っている。
はじめに知能のある妖魔が知能の低い妖魔を集め、さらにそれらが知能の皆無な妖魔を集めることで大規模な集団を形成していくのだ。
その痕跡で規模や発生しうる地域の予測ができる。
そのためこの作戦でもっとも重要となるのは親玉である知能のある妖魔を倒すこと。
まあ、親玉にたどり着くまでに大半の妖魔を切り捨てる必要があるわけだが、連携を知らない知能の低い妖魔を倒すのは難しいことではない。
今回の百鬼夜行は規模で言えば小規模だ。
百鬼と言いつつ、酷いときは千を超える妖魔が集っていることもある。それに比べれば百数十体などは大した数ではない。
五木が全体への攻撃で雑魚を蹴散らし、僕と薫子で残りを切り伏して、僕らが打ち仕損じたものを三枝が駆逐する。
衛は五木の護衛と僕らの援護だ。
役割が明確であり個々の能力が高いため、己の役目に専念できてとても効率がいい。僕の部隊は完璧な連携で敵の本陣に向けて突撃する。
予想通り他の部隊の応援はないが、むしろ邪魔をされない分動きやすい。
そう感じているのは僕だけではないはずだ。
「へぇ、噂とは当てにならないものだな」
既にお互い三十体は妖魔を葬った頃、薫子が戦闘が楽しいと言わんばかりの恍惚とした邪悪な笑顔とともに、そんな言葉を吐き出した。
「噂?」
僕は目の前の切っても切っても湧き出てくる妖魔と対峙しながらも薫子の言葉に耳を傾ける。
なぜなら、噂とは衛のことだろうと察しがついたからである。
「日凪は火力が弱くて使えない銃使い、と聞いていた。だけどあれは何だ? 一撃必殺じゃないか。しかも待機時間も無く常に撃ち続けている」
「ふふ、衛の才能に驚いただろう?」
僕が自慢気に言ったのが癪に障ったのか、薫子は顔をしかめる。
「なぜあれだけの逸材が無能呼ばわりされている?」
薫子の問いかけに答えるか躊躇したが、これから衛が背中を預けるかもしれない人間だ。
衛のことを少しでも理解しておいてもらった方がいいだろう。
「それはね、衛自身がうまく擬態していたからだよ」
「擬態? どういうことだ?」
「真正面からすべてを受け止められる君にはわからないと思うけど、衛は繊細でね。自分を守るためにそうするしかなかったんだ」
月読館でも目立たないよう立ち回っていた衛の評価は平均であり普通だった。
成績はすべて真ん中、退魔武器は珍しいが、発砲までに時間がかかり、当たりどころが良ければ致命傷になる。そう、まさしく弓と同程度の威力と思われていた。弓使いは多くはないが珍しくもない。
可もなく不可もなく、特徴のない人物。
数人に確認したが、衛への評価は面白いくらいに皆同じだった。
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