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新体制づくり
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片眉を上げて考え込むハーベンにリリベルが叫ぶように懇願する。
「ハーベン様!どうか・・・どうかお許しください。一生ご奉仕いたします。何でもします。この前嫌がってしまった体位も頑張ります。ですからどうか・・・どうか・・・」
「えっ!良いの?アレはちょっときつそうだけど。頑張れる?じゃあ許そうかなぁ~。兄上、どうしましょう。愛はありませんがリリベルは良い感じでバカですし、あっちの方は最高なんですよ」
ハーベストは深い溜め息を吐いた。
「勝手にしろ。だたしお前が管理しろよ?俺は知らんぞ」
「はい!立派なセックスドールに仕込み上げます!」
キリウスが下を向いて笑いをかみ殺している。
リリベルは近衛騎士に引き摺られるようにして出て行った。
ハーベストがさっと手をあげるといつもの顔に戻したキリウスが貴族たちに言う。
「引き続きあなたたちの今後の処遇について決めていきましょう。まずハーベン殿下を担ぎ皇太后に忠誠を誓っていた方たち。何か申し開きがありますか?」
ハーベン派の一団にいた者たちが続々とハーベストの前に集まり、口々に言い訳を並べ始める。
「一度に言われても判りませんよ?順番にお願いします。あれ?あなたたちは申し開きしないのですか?今が最後のチャンスですよ?」
キリウスが淡々と微動だにしない数人の貴族に向かって声をかけた。
「我々は・・・信念を持って・・・行動を起こしました」
「そうですか。わかりました。それではあなたたちとは別室でお話ししましょう。その信念とやらをお聞かせください。ああ、あなたたちは一旦帰ってもらって結構です。追って連絡しますので。急いで国外逃亡とか企てなくて良いですからね?自宅待機でお願いします」
ハーベストのもとに集まっていた貴族達を追い出すように手を振ったキリウスはハーベスト派の一団に向かって声を掛けた。
「大勢で話し合っても埒があきませんから、皆さんで話し合って代表者を5名ほど出してください。代表者以外の方は今日のところはお帰り下さい。勿論あなた方に悪いようにはしませんから安心して下さいね」
ハーベスト派の貴族が集まって協議を始め、ハーベストとキリウスが予想していた通りのメンバーが選出された。
代表以外の者たちがハーベストに向かって礼をすると粛々と大広間を出て行く。
残っているのはハーベストとハーベン、キリウスと近衛騎士団長、そしてハーベン派の残党五名とハーベスト派代表の五名だけだ。
ハーベストが王杖を撫でながら言った。
「こいつを宝物殿に納めてくるから会議室に集まってくれ。キリウス、お茶の用意を頼む。皆も少し冷静になる必要があるだろう」
「畏まりました」
王杖を握り歩き出すハーベストの前後を屈強な近衛騎士が固め、騎士団長が先頭を歩いた。
「さあさあみなさん。お茶でも飲みながら次期国王のお帰りを待ちましょう」
ぞろぞろと大広間から出る貴族たちはひと言も発することなく歩いて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「さあみなさん。そんなに緊張なさらずに。お茶が冷めてしまいますよ?」
シレっとキリウスが言う。
真四角の大きな会議テーブルを囲み、右側と左側にハーベン派(皇太后派)とハーベスト派が睨み合っている。
上座には次期王位継承者となったハーベストと皇弟となるハーベン、補佐官キリウスが、霜座には近衛騎士団の団長と副団長が座っている。
お茶を運ぶメイドたちも緊張のあまり顔色が悪い。
「ところでハーベスト殿下、王杖は無事に格納されましたか?」
終始一貫ハーベスト派の先頭を突き進んできた現首相であるロベルト公爵が口を開いた。
「ああ、無事にあるべき場所に納めたよ。いろいろご苦労だったなロベルト公爵」
「そのお言葉だけで報われます。ところで・・・」
「ああ、この者たちの処遇だろ?」
「はい。いささか思うところはございますが、言い分も聞かず排除というには少々勿体ない人物もいるかと思いますが」
「そうだな。散々そなたの手を煩わせてきたであろうに、恨みつらみより才能重視とは流石だ。ところでロベルト公爵は引き続き首相を任せるつもりだがそれで良いか?」
ハーベスト派の全員が拍手をしたがハーベン派はまばらな拍手を三人が送っただけだった。
「ん?異存があるのか?」
ハーベストがムスッと横を向いているアンダンテ侯爵に意見を求めた。
「ハーベン様!どうか・・・どうかお許しください。一生ご奉仕いたします。何でもします。この前嫌がってしまった体位も頑張ります。ですからどうか・・・どうか・・・」
「えっ!良いの?アレはちょっときつそうだけど。頑張れる?じゃあ許そうかなぁ~。兄上、どうしましょう。愛はありませんがリリベルは良い感じでバカですし、あっちの方は最高なんですよ」
ハーベストは深い溜め息を吐いた。
「勝手にしろ。だたしお前が管理しろよ?俺は知らんぞ」
「はい!立派なセックスドールに仕込み上げます!」
キリウスが下を向いて笑いをかみ殺している。
リリベルは近衛騎士に引き摺られるようにして出て行った。
ハーベストがさっと手をあげるといつもの顔に戻したキリウスが貴族たちに言う。
「引き続きあなたたちの今後の処遇について決めていきましょう。まずハーベン殿下を担ぎ皇太后に忠誠を誓っていた方たち。何か申し開きがありますか?」
ハーベン派の一団にいた者たちが続々とハーベストの前に集まり、口々に言い訳を並べ始める。
「一度に言われても判りませんよ?順番にお願いします。あれ?あなたたちは申し開きしないのですか?今が最後のチャンスですよ?」
キリウスが淡々と微動だにしない数人の貴族に向かって声をかけた。
「我々は・・・信念を持って・・・行動を起こしました」
「そうですか。わかりました。それではあなたたちとは別室でお話ししましょう。その信念とやらをお聞かせください。ああ、あなたたちは一旦帰ってもらって結構です。追って連絡しますので。急いで国外逃亡とか企てなくて良いですからね?自宅待機でお願いします」
ハーベストのもとに集まっていた貴族達を追い出すように手を振ったキリウスはハーベスト派の一団に向かって声を掛けた。
「大勢で話し合っても埒があきませんから、皆さんで話し合って代表者を5名ほど出してください。代表者以外の方は今日のところはお帰り下さい。勿論あなた方に悪いようにはしませんから安心して下さいね」
ハーベスト派の貴族が集まって協議を始め、ハーベストとキリウスが予想していた通りのメンバーが選出された。
代表以外の者たちがハーベストに向かって礼をすると粛々と大広間を出て行く。
残っているのはハーベストとハーベン、キリウスと近衛騎士団長、そしてハーベン派の残党五名とハーベスト派代表の五名だけだ。
ハーベストが王杖を撫でながら言った。
「こいつを宝物殿に納めてくるから会議室に集まってくれ。キリウス、お茶の用意を頼む。皆も少し冷静になる必要があるだろう」
「畏まりました」
王杖を握り歩き出すハーベストの前後を屈強な近衛騎士が固め、騎士団長が先頭を歩いた。
「さあさあみなさん。お茶でも飲みながら次期国王のお帰りを待ちましょう」
ぞろぞろと大広間から出る貴族たちはひと言も発することなく歩いて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「さあみなさん。そんなに緊張なさらずに。お茶が冷めてしまいますよ?」
シレっとキリウスが言う。
真四角の大きな会議テーブルを囲み、右側と左側にハーベン派(皇太后派)とハーベスト派が睨み合っている。
上座には次期王位継承者となったハーベストと皇弟となるハーベン、補佐官キリウスが、霜座には近衛騎士団の団長と副団長が座っている。
お茶を運ぶメイドたちも緊張のあまり顔色が悪い。
「ところでハーベスト殿下、王杖は無事に格納されましたか?」
終始一貫ハーベスト派の先頭を突き進んできた現首相であるロベルト公爵が口を開いた。
「ああ、無事にあるべき場所に納めたよ。いろいろご苦労だったなロベルト公爵」
「そのお言葉だけで報われます。ところで・・・」
「ああ、この者たちの処遇だろ?」
「はい。いささか思うところはございますが、言い分も聞かず排除というには少々勿体ない人物もいるかと思いますが」
「そうだな。散々そなたの手を煩わせてきたであろうに、恨みつらみより才能重視とは流石だ。ところでロベルト公爵は引き続き首相を任せるつもりだがそれで良いか?」
ハーベスト派の全員が拍手をしたがハーベン派はまばらな拍手を三人が送っただけだった。
「ん?異存があるのか?」
ハーベストがムスッと横を向いているアンダンテ侯爵に意見を求めた。
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