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「汝ら、この国の繫栄のために互いを認め敬い、ともに力を合わせ進むことを誓うか」
「「はい、誓います」」
「神はその誓いをお聞きになりました。ここからは私個人の祝辞と思って聞いてください」
そう言うと大教会長はニコッと笑って2人の顔を見た。
「あなたが愛する人の幸せを望むなら、まずあなたが幸せになりなさい。それは、夫の幸せこそが妻の喜びであり、妻の幸せこそが夫の喜びだからです。愛する者のために、自分が幸せでいられるよう互いに努めなさい。そして愛する者を常に見つめ、言葉を交わしなさい。夫婦とは全ての始まりです。あなた達は神に祝福され、今日ここに夫婦となりました。夫婦とはこの世でもっとも信頼しあえる親友でもあるのです。安易に自分を犠牲にして相手を救おうとしてはなりません。一緒に苦しみ悩み傷つき、一緒に喜び楽しみ互いを幸せにしなさい」
「心に刻みます」
そう言って頭を下げたアマデウスの目は充血していた。
アリアの横でアランが号泣している。
「あんた……もしかして人情派?」
「いや、クールなポーカーフェイスだと思っているが」
「……残念なやつ」
ふと見ると、メリディアン侯爵がじっと目を瞑っていた。
その横でモネ公爵と兄のノーベンが大泣きしている。
「どいつもこいつも……」
アリアの呟きは拍手の音でかき消された。
純白で屋根のない馬車に乗り込んだふたりはパレードへと出発した。
その前後左右は盛装した近衛騎士が固め、各国からの招待客は王宮の饗応の間へと移動していく。
アリアの側にロックス侯爵が近寄ってきた。
「今日は例の女は来てないのか?」
「うん、なぜか噂が噓みたいに消えてるでしょう? お父様たちが何かやったの?」
「やったというほどの事はしていないさ。来ていないのなら重畳だ」
まさか殺したわけではないだろななどと不穏なことを考えながら、アリアとアランも王宮へと移動した。
今日は海外からの招待客と高位貴族だけが参加する披露宴で、明日は国内の貴族たちが招待されている。
そして、明日の披露宴の前にそれぞれの側近が発表される予定となっていた。
王宮で身だしなみを整えなおしたアリアが饗応の間に向かうと、入口でアラン親子が立っている。
古い付き合いということもあり、それぞれの妻が談笑を始めた。
そうこうしているうちに、新郎新婦を乗せた馬車が帰ってくる。
ずらっと並んで出迎えた貴族たちに笑顔を向けながら、アマデウスとルルーシアは控室へと向かった。
「ご苦労様。疲れただろう? ルルは冷たいジュースでいいかな?」
「ええ、ではそれを」
「ねえルル。やっと夫婦になれたんだ。僕のことはアマディって呼んで欲しい。それと口調も堅苦しいものでなくて良いんだよ」
「アマディ? はい、承知……ええ、わかったわ。頑張ってみるけれど、徐々にってことで許してね」
「うん。なんだか凄くうれしいよ。そして僕を見捨てないでくれて本当にありがとう。そして今日からよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
すっかり安心しきった顔になったアマデウスが、一気にジュースを飲み干した。
「安心したら喉が渇いた」
「緊張なさいましたの?」
「そりゃ緊張したさ。ルルは平気だったの?」
「もちろん緊張しましたけれど、なんて言うか……夢の中みたいな? 非現実的な感じでふわふわ浮いているような気分でしたわ」
その時、宰相が入室してきた。
「本日は誠におめでとうございます。お支度の合間にこちらをご確認下さい。明日発表されるおふたりの側近の名簿でございます」
「ああ、ありがとう。確認しておくよ」
宰相が出た後で、二人並んで書類を覗き込んだ。
「えっ! どういうことですか?」
「うん……これは叔父上からの提言なんだ。本人たちが了承しないと却下という事だったのだけれど、どうやら受け入れたみたいだね」
「だってアリアは……ああどうすれば良いのかしら」
「大丈夫だよ、これは僕からの提案なんだけど、もし君さえ良ければ執務室を一緒にしないか? そうすれば互いの動きもすぐにわかるし、相談もし易いだろう? 一応担当者としてはこういう割り振りになるけれど、側近も共同で仕えてもらうって感じで……」
「少し考えさせてください」
「うん……わかった」
困惑の表情を浮かべながらルルーシアが睨む書類には、予想通りの名前と予定外の配置が掛かれていた。
「「はい、誓います」」
「神はその誓いをお聞きになりました。ここからは私個人の祝辞と思って聞いてください」
そう言うと大教会長はニコッと笑って2人の顔を見た。
「あなたが愛する人の幸せを望むなら、まずあなたが幸せになりなさい。それは、夫の幸せこそが妻の喜びであり、妻の幸せこそが夫の喜びだからです。愛する者のために、自分が幸せでいられるよう互いに努めなさい。そして愛する者を常に見つめ、言葉を交わしなさい。夫婦とは全ての始まりです。あなた達は神に祝福され、今日ここに夫婦となりました。夫婦とはこの世でもっとも信頼しあえる親友でもあるのです。安易に自分を犠牲にして相手を救おうとしてはなりません。一緒に苦しみ悩み傷つき、一緒に喜び楽しみ互いを幸せにしなさい」
「心に刻みます」
そう言って頭を下げたアマデウスの目は充血していた。
アリアの横でアランが号泣している。
「あんた……もしかして人情派?」
「いや、クールなポーカーフェイスだと思っているが」
「……残念なやつ」
ふと見ると、メリディアン侯爵がじっと目を瞑っていた。
その横でモネ公爵と兄のノーベンが大泣きしている。
「どいつもこいつも……」
アリアの呟きは拍手の音でかき消された。
純白で屋根のない馬車に乗り込んだふたりはパレードへと出発した。
その前後左右は盛装した近衛騎士が固め、各国からの招待客は王宮の饗応の間へと移動していく。
アリアの側にロックス侯爵が近寄ってきた。
「今日は例の女は来てないのか?」
「うん、なぜか噂が噓みたいに消えてるでしょう? お父様たちが何かやったの?」
「やったというほどの事はしていないさ。来ていないのなら重畳だ」
まさか殺したわけではないだろななどと不穏なことを考えながら、アリアとアランも王宮へと移動した。
今日は海外からの招待客と高位貴族だけが参加する披露宴で、明日は国内の貴族たちが招待されている。
そして、明日の披露宴の前にそれぞれの側近が発表される予定となっていた。
王宮で身だしなみを整えなおしたアリアが饗応の間に向かうと、入口でアラン親子が立っている。
古い付き合いということもあり、それぞれの妻が談笑を始めた。
そうこうしているうちに、新郎新婦を乗せた馬車が帰ってくる。
ずらっと並んで出迎えた貴族たちに笑顔を向けながら、アマデウスとルルーシアは控室へと向かった。
「ご苦労様。疲れただろう? ルルは冷たいジュースでいいかな?」
「ええ、ではそれを」
「ねえルル。やっと夫婦になれたんだ。僕のことはアマディって呼んで欲しい。それと口調も堅苦しいものでなくて良いんだよ」
「アマディ? はい、承知……ええ、わかったわ。頑張ってみるけれど、徐々にってことで許してね」
「うん。なんだか凄くうれしいよ。そして僕を見捨てないでくれて本当にありがとう。そして今日からよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
すっかり安心しきった顔になったアマデウスが、一気にジュースを飲み干した。
「安心したら喉が渇いた」
「緊張なさいましたの?」
「そりゃ緊張したさ。ルルは平気だったの?」
「もちろん緊張しましたけれど、なんて言うか……夢の中みたいな? 非現実的な感じでふわふわ浮いているような気分でしたわ」
その時、宰相が入室してきた。
「本日は誠におめでとうございます。お支度の合間にこちらをご確認下さい。明日発表されるおふたりの側近の名簿でございます」
「ああ、ありがとう。確認しておくよ」
宰相が出た後で、二人並んで書類を覗き込んだ。
「えっ! どういうことですか?」
「うん……これは叔父上からの提言なんだ。本人たちが了承しないと却下という事だったのだけれど、どうやら受け入れたみたいだね」
「だってアリアは……ああどうすれば良いのかしら」
「大丈夫だよ、これは僕からの提案なんだけど、もし君さえ良ければ執務室を一緒にしないか? そうすれば互いの動きもすぐにわかるし、相談もし易いだろう? 一応担当者としてはこういう割り振りになるけれど、側近も共同で仕えてもらうって感じで……」
「少し考えさせてください」
「うん……わかった」
困惑の表情を浮かべながらルルーシアが睨む書類には、予想通りの名前と予定外の配置が掛かれていた。
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