59 / 68
57 救出
しおりを挟む
長らく中断しておりましたが、やっと再開の目途が立ちました。
全速力で駆け抜けますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
走り去るジョアンの背中を見送っていた私は、どうも泣いていたようです。
優しく頬に当てられたハンカチでそれに気づいた私は、涙を拭ってくれる手の主を見て微笑みました。
「ありがとうね、エスメラルダ。心配したでしょう?ごめんね…迂闊だったよね。本当にごめんね」
「ローゼリア?大丈夫?」
私を心配しているローゼリアの方が不安そうな顔です。
「うん、もう大丈夫。エスメラルダも大丈夫?」
「うん。エヴァンの声…聞こえた」
「えっ!どこで?」
「さっきの部屋。姿は見えなかったけど…聞こえた」
私は先ほどの事を思い返しました。
確かに一瞬ではありましたが、懐かしい声に呼びかけられたような…
「うん、私も聞こえたような気がしたの…では軍艦にいるエヴァン様って?」
「ジョアンが確かめる」
「そうね。でも気になるわ…エスメラルダはここでいい子にしていられる?」
「一人で待てるよ」
「だめよ。一人にはしないわ。アンナお姉さまと一緒にいてちょうだい。もしもまた地震があったら、アンナお姉さまの言うことを聞いて避難するのよ?私たちは離れていても会話ができるでしょう?心配ないわ」
「わかった」
私はアンナお姉さまに事情を話しました。
予想通りかなり反対されましたが、脳内で連絡が取り合える私の方が、緊急時に対処しやすいからと説得しました。
「わかりました。確認だけですよね?無茶はしませんよね?」
「もちろんよ。どうしても気になるの…エスメラルダを守ってくださいね」
私は走り出しました。
橋も城壁も崩れてはいませんが、室内は倒れた家具が散乱していることでしょう。
私は自分の靴を確認し、ゆっくりと階段を昇って行きました。
「壁に亀裂が入っているわ…」
不安な心を押さえるように、思ったことを口にしながら昇って行きます。
あの赤の塊のようなクズ男の部屋は二階でしたが、皇太子妃の部屋がどこだったのかは分かりません。
仕方なく片っ端からドアを開けて行きました。
部屋の中には、倒れた家具で怪我をした使用人がいました。
その場にいる全員の命に別状はないことを確認してから、その中でまだ歩けそうな人に声を掛けて、外にいる騎士に助けを求めるように言って、皇太子妃の寝室の場所を聞きます。
「皇太子妃の寝室は、皇太子殿下の私室の横です。あの真っ赤な飾りのドアの横の扉です」
「ありがとう」
私はその部屋を出て、真っ赤な飾りのついた扉に向かいました。
「ここね…」
先ほどの恐怖を思い出して少し怯みましたが、勇気を振り絞ります。
『ローゼリア、そこからぐるっと見まわしてくれ。ゆっくりとだ』
いきなり飛び込んできたサミュエル殿下の声に、ビクッと肩が跳ねました。
『わかりました。時計回りに回りますね』
私はゆっくりと、なるべく全体を視野に納めるように見まわしていきます。
『そうだ。その速さでいいよ。そう言えばローゼリアは何か武器になるものを持っていきたのかな?』
『武器ですか?持っていません。持っていても使え無いし。もしも襲われたらそこらじゅうのものを投げてぶつけてみます』
『わかった…健闘を祈ろう。気を付けてくれ。ああ、それと叔母上は安全確保のために隣の街で待機されている。ジョアンにもこの情報は送ったから、ジョン殿下にも伝わっているはずだ』
『わかりました。ではドアを開けますね』
『慎重にな』
ゆっくりとドアを開けて、誰もいないことを確認します。
シーンと静まり返った室内は、その華美な装飾と相反して静寂を保っていました。
「誰もいませんか?」
小さめの声を出してみましたが、予想通り反応はありません。
ふと見ると壁に大きな亀裂が入っていて、先ほどの衝撃の大きさを再確認しました。
そっと手で亀裂を触っていると、何か違和感を感じます。
「ん?なぜこちら側に壁が割れているの?何か大きなものが倒れかかったみたい…」
構造的には皇太子妃殿下の私室のはずですが、壁を壊すほどの重さのものがあるとは思えません。
もしかしたら柱でも折れて倒れかかってしまったのでしょうか?
私はその部屋に入るための扉を探しましたが、こちらから出入りできるような扉はありません。
しかも寝室であるはずのこの部屋には、寝台のほか小さな机や飾り棚など、本来は私室にあるべき家具が並んでいます。
「もしかしたら寝室兼私室なのかしら?」
仮にそうだとしても問題ないほどの広さもあり、生活するには十分です。
となるとあちらのスペースは?
「廊下から回るのかしら」
そう思った私は、一旦部屋を出て廊下に出ました。
しかし、寝室に入るための扉の向こうは壁が続きいているだけで、正面は小さなバルコニーに出るためのガラス戸になっています。
「となると、やっぱり室内から?それとも部屋なんてないのかしら?」
私はもう一度皇太子妃の部屋に戻りました。
「お~い、誰かいますか?」
壁の亀裂に向って少し大きな声を出してから、壁に耳を当てました。
すると声は聞こえませんが、瓦礫が微かに落ちるような音がします。
「やはり空間があるのだわ…どうやって入るのかしら」
私は窓側からゆっくりと壁を調べてみました。
壁の真ん中に大きな本棚が置いてあります。
「いかにもカラクリ棚って感じよね…小説ではよくこうやって本を動かすと…」
私は冗談半分に、ひときわ厚い本を引っ張り出しました。
ギギギ…
「えっ!マジで?噓みたい…」
本棚の横の壁が浮いてきています。
本当ならきれいに開くのかもしれませんが、あちら側で何かが邪魔をしているのか、それ以上開きそうにもありません。
隙間から中を覗いてみると、壁や天井が壊れて瓦礫の山になっています。
「男性には無理でも、私くらいなら通れるかしら」
隙間から体をねじ込んでみます。
動物は頭さえ通れば体は入ると聞きますが、人間はどうも違うようです。
頭は入りましたがそれ以上は無理そうでした。
私は頭だけ突っ込んだ状態で、中に声を掛けました。
「誰かいませんか?エヴァン様?もしかしてエヴァン様はいませんか?」
するとカラッという音と共に、瓦礫が少しだけ動きました。
「えっ!エヴァン様?」
返事はありませんが、落ちた天井の板が微かに動きました。
「すぐに救助に行きます!もう少し頑張ってください!」
私は慌てて脳内で救援を叫びました。
『誰かいます!もしかしたらエヴァン様かもしれません!助けに来てください!』
『ローゼリア?』
エスメラルダの声です。
『エスメラルダ!そこにマリアお姉さまはいる?すぐに来てほしいの。できれば騎士を連れてきて!できれば五人は欲しいわ。皇太子妃の寝室よ。さっきまでいた部屋よ!』
『わかった』
『ジョアン!サミュエルだ。すぐにジョン殿下に伝えてくれ!医者の手配も頼む!』
サミュエル殿下の声も響きました。
私は救護を待つ間、できるだけのことをしようと思い、その隙間から手を伸ばして、ドアの前の瓦礫を奥に押し込む作業を続けました。
少しずつですが、ドアの隙間が広がってきました。
「これなら入れるかもしれない」
そう思った私は、無理やり体をねじ込んでみました。
頭は問題なく入り、少し痛みましたが肩も入れることができました。
胸は問題なく入りましたが、お尻のところで止まってしまいます。
「でもこれなら…」
上半身は隠し部屋に入ることができたので、そこから体をひねってドアの前に散乱している瓦礫を地道にどけていきます。
「入った!」
するっと体が抜けた私は、先ほどまで動いていた場所に近寄りました。
「エヴァン様?エヴァン様ですか?」
そう言いながら、次々と瓦礫をどけて行きます。
小さなものは簡単でしたが、崩落した天井板はびくともしません。
足元にできた隙間から、中を覗いてみましたが、暗くて何も見えませんでした。
無理に動かして、絶妙なバランスで空間を作っているであろう瓦礫を崩すのも得策とはいえないと考えた私は、救援隊の進入路を確保することが先決だと考え、ドアの前の崩れた壁の撤去に掛かりました。
その間も、声はかけ続けました。
「すぐに助けが来ます!気を確かに持って頑張ってください!すぐに助けます!」
ふと見ると私の指先は血がにじんで爪がめくれています。
それでも作業は止めませんでした。
「ローゼリア様!」
アンナお姉さまの声です。
「ここです!本棚の横から入れます!」
ドアの隙間からアンナお姉さまの顔がぬっと突き出されました。
「ご無事ですか!」
「はい、やっと入れたのですがこれ以上は一人では動かせなくてまだ救助できていないのです。他の方は?」
「来ています。このドアを壊すそうですので、安全な場所まで下がれますか?」
「はい、わかりました。お願いします」
私は窓際のスペースに避けました。
どかんどかんという地響きがするような音と共に、隠し扉が破壊されました。
「ローゼリア様!大丈夫ですか」
一番にアンナお姉さまが入ってきました。
「私は大丈夫です。そこの大きな板の下に人がいます。もしかしたらエヴァン様かもしれません」
私がそう叫ぶと、騎士たちは頷いて慎重に作業を開始しました。
全速力で駆け抜けますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。
走り去るジョアンの背中を見送っていた私は、どうも泣いていたようです。
優しく頬に当てられたハンカチでそれに気づいた私は、涙を拭ってくれる手の主を見て微笑みました。
「ありがとうね、エスメラルダ。心配したでしょう?ごめんね…迂闊だったよね。本当にごめんね」
「ローゼリア?大丈夫?」
私を心配しているローゼリアの方が不安そうな顔です。
「うん、もう大丈夫。エスメラルダも大丈夫?」
「うん。エヴァンの声…聞こえた」
「えっ!どこで?」
「さっきの部屋。姿は見えなかったけど…聞こえた」
私は先ほどの事を思い返しました。
確かに一瞬ではありましたが、懐かしい声に呼びかけられたような…
「うん、私も聞こえたような気がしたの…では軍艦にいるエヴァン様って?」
「ジョアンが確かめる」
「そうね。でも気になるわ…エスメラルダはここでいい子にしていられる?」
「一人で待てるよ」
「だめよ。一人にはしないわ。アンナお姉さまと一緒にいてちょうだい。もしもまた地震があったら、アンナお姉さまの言うことを聞いて避難するのよ?私たちは離れていても会話ができるでしょう?心配ないわ」
「わかった」
私はアンナお姉さまに事情を話しました。
予想通りかなり反対されましたが、脳内で連絡が取り合える私の方が、緊急時に対処しやすいからと説得しました。
「わかりました。確認だけですよね?無茶はしませんよね?」
「もちろんよ。どうしても気になるの…エスメラルダを守ってくださいね」
私は走り出しました。
橋も城壁も崩れてはいませんが、室内は倒れた家具が散乱していることでしょう。
私は自分の靴を確認し、ゆっくりと階段を昇って行きました。
「壁に亀裂が入っているわ…」
不安な心を押さえるように、思ったことを口にしながら昇って行きます。
あの赤の塊のようなクズ男の部屋は二階でしたが、皇太子妃の部屋がどこだったのかは分かりません。
仕方なく片っ端からドアを開けて行きました。
部屋の中には、倒れた家具で怪我をした使用人がいました。
その場にいる全員の命に別状はないことを確認してから、その中でまだ歩けそうな人に声を掛けて、外にいる騎士に助けを求めるように言って、皇太子妃の寝室の場所を聞きます。
「皇太子妃の寝室は、皇太子殿下の私室の横です。あの真っ赤な飾りのドアの横の扉です」
「ありがとう」
私はその部屋を出て、真っ赤な飾りのついた扉に向かいました。
「ここね…」
先ほどの恐怖を思い出して少し怯みましたが、勇気を振り絞ります。
『ローゼリア、そこからぐるっと見まわしてくれ。ゆっくりとだ』
いきなり飛び込んできたサミュエル殿下の声に、ビクッと肩が跳ねました。
『わかりました。時計回りに回りますね』
私はゆっくりと、なるべく全体を視野に納めるように見まわしていきます。
『そうだ。その速さでいいよ。そう言えばローゼリアは何か武器になるものを持っていきたのかな?』
『武器ですか?持っていません。持っていても使え無いし。もしも襲われたらそこらじゅうのものを投げてぶつけてみます』
『わかった…健闘を祈ろう。気を付けてくれ。ああ、それと叔母上は安全確保のために隣の街で待機されている。ジョアンにもこの情報は送ったから、ジョン殿下にも伝わっているはずだ』
『わかりました。ではドアを開けますね』
『慎重にな』
ゆっくりとドアを開けて、誰もいないことを確認します。
シーンと静まり返った室内は、その華美な装飾と相反して静寂を保っていました。
「誰もいませんか?」
小さめの声を出してみましたが、予想通り反応はありません。
ふと見ると壁に大きな亀裂が入っていて、先ほどの衝撃の大きさを再確認しました。
そっと手で亀裂を触っていると、何か違和感を感じます。
「ん?なぜこちら側に壁が割れているの?何か大きなものが倒れかかったみたい…」
構造的には皇太子妃殿下の私室のはずですが、壁を壊すほどの重さのものがあるとは思えません。
もしかしたら柱でも折れて倒れかかってしまったのでしょうか?
私はその部屋に入るための扉を探しましたが、こちらから出入りできるような扉はありません。
しかも寝室であるはずのこの部屋には、寝台のほか小さな机や飾り棚など、本来は私室にあるべき家具が並んでいます。
「もしかしたら寝室兼私室なのかしら?」
仮にそうだとしても問題ないほどの広さもあり、生活するには十分です。
となるとあちらのスペースは?
「廊下から回るのかしら」
そう思った私は、一旦部屋を出て廊下に出ました。
しかし、寝室に入るための扉の向こうは壁が続きいているだけで、正面は小さなバルコニーに出るためのガラス戸になっています。
「となると、やっぱり室内から?それとも部屋なんてないのかしら?」
私はもう一度皇太子妃の部屋に戻りました。
「お~い、誰かいますか?」
壁の亀裂に向って少し大きな声を出してから、壁に耳を当てました。
すると声は聞こえませんが、瓦礫が微かに落ちるような音がします。
「やはり空間があるのだわ…どうやって入るのかしら」
私は窓側からゆっくりと壁を調べてみました。
壁の真ん中に大きな本棚が置いてあります。
「いかにもカラクリ棚って感じよね…小説ではよくこうやって本を動かすと…」
私は冗談半分に、ひときわ厚い本を引っ張り出しました。
ギギギ…
「えっ!マジで?噓みたい…」
本棚の横の壁が浮いてきています。
本当ならきれいに開くのかもしれませんが、あちら側で何かが邪魔をしているのか、それ以上開きそうにもありません。
隙間から中を覗いてみると、壁や天井が壊れて瓦礫の山になっています。
「男性には無理でも、私くらいなら通れるかしら」
隙間から体をねじ込んでみます。
動物は頭さえ通れば体は入ると聞きますが、人間はどうも違うようです。
頭は入りましたがそれ以上は無理そうでした。
私は頭だけ突っ込んだ状態で、中に声を掛けました。
「誰かいませんか?エヴァン様?もしかしてエヴァン様はいませんか?」
するとカラッという音と共に、瓦礫が少しだけ動きました。
「えっ!エヴァン様?」
返事はありませんが、落ちた天井の板が微かに動きました。
「すぐに救助に行きます!もう少し頑張ってください!」
私は慌てて脳内で救援を叫びました。
『誰かいます!もしかしたらエヴァン様かもしれません!助けに来てください!』
『ローゼリア?』
エスメラルダの声です。
『エスメラルダ!そこにマリアお姉さまはいる?すぐに来てほしいの。できれば騎士を連れてきて!できれば五人は欲しいわ。皇太子妃の寝室よ。さっきまでいた部屋よ!』
『わかった』
『ジョアン!サミュエルだ。すぐにジョン殿下に伝えてくれ!医者の手配も頼む!』
サミュエル殿下の声も響きました。
私は救護を待つ間、できるだけのことをしようと思い、その隙間から手を伸ばして、ドアの前の瓦礫を奥に押し込む作業を続けました。
少しずつですが、ドアの隙間が広がってきました。
「これなら入れるかもしれない」
そう思った私は、無理やり体をねじ込んでみました。
頭は問題なく入り、少し痛みましたが肩も入れることができました。
胸は問題なく入りましたが、お尻のところで止まってしまいます。
「でもこれなら…」
上半身は隠し部屋に入ることができたので、そこから体をひねってドアの前に散乱している瓦礫を地道にどけていきます。
「入った!」
するっと体が抜けた私は、先ほどまで動いていた場所に近寄りました。
「エヴァン様?エヴァン様ですか?」
そう言いながら、次々と瓦礫をどけて行きます。
小さなものは簡単でしたが、崩落した天井板はびくともしません。
足元にできた隙間から、中を覗いてみましたが、暗くて何も見えませんでした。
無理に動かして、絶妙なバランスで空間を作っているであろう瓦礫を崩すのも得策とはいえないと考えた私は、救援隊の進入路を確保することが先決だと考え、ドアの前の崩れた壁の撤去に掛かりました。
その間も、声はかけ続けました。
「すぐに助けが来ます!気を確かに持って頑張ってください!すぐに助けます!」
ふと見ると私の指先は血がにじんで爪がめくれています。
それでも作業は止めませんでした。
「ローゼリア様!」
アンナお姉さまの声です。
「ここです!本棚の横から入れます!」
ドアの隙間からアンナお姉さまの顔がぬっと突き出されました。
「ご無事ですか!」
「はい、やっと入れたのですがこれ以上は一人では動かせなくてまだ救助できていないのです。他の方は?」
「来ています。このドアを壊すそうですので、安全な場所まで下がれますか?」
「はい、わかりました。お願いします」
私は窓際のスペースに避けました。
どかんどかんという地響きがするような音と共に、隠し扉が破壊されました。
「ローゼリア様!大丈夫ですか」
一番にアンナお姉さまが入ってきました。
「私は大丈夫です。そこの大きな板の下に人がいます。もしかしたらエヴァン様かもしれません」
私がそう叫ぶと、騎士たちは頷いて慎重に作業を開始しました。
53
あなたにおすすめの小説
言いたいことはそれだけですか。では始めましょう
井藤 美樹
恋愛
常々、社交を苦手としていましたが、今回ばかりは仕方なく出席しておりましたの。婚約者と一緒にね。
その席で、突然始まった婚約破棄という名の茶番劇。
頭がお花畑の方々の発言が続きます。
すると、なぜが、私の名前が……
もちろん、火の粉はその場で消しましたよ。
ついでに、独立宣言もしちゃいました。
主人公、めちゃくちゃ口悪いです。
成り立てホヤホヤのミネリア王女殿下の溺愛&奮闘記。ちょっとだけ、冒険譚もあります。
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
良いものは全部ヒトのもの
猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。
ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。
翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。
一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。
『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』
憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。
自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。
完結 女性に興味が無い侯爵様 私は自由に生きます。
ヴァンドール
恋愛
私は絵を描いて暮らせるならそれだけで幸せ!
そんな私に好都合な相手が。
女性に興味が無く仕事一筋で冷徹と噂の侯爵様との縁談が。 ただ面倒くさい従妹という令嬢がもれなく付いてきました。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
婚約破棄された私は、号泣しながらケーキを食べた~限界に達したので、これからは自分の幸せのために生きることにしました~
キョウキョウ
恋愛
幼い頃から辛くて苦しい妃教育に耐えてきたオリヴィア。厳しい授業と課題に、何度も心が折れそうになった。特に辛かったのは、王妃にふさわしい体型維持のために食事制限を命じられたこと。
とても頑張った。お腹いっぱいに食べたいのを我慢して、必死で痩せて、体型を整えて。でも、その努力は無駄になった。
婚約相手のマルク王子から、無慈悲に告げられた別れの言葉。唐突に、婚約を破棄すると言われたオリヴィア。
アイリーンという令嬢をイジメたという、いわれのない罪で責められて限界に達した。もう無理。これ以上は耐えられない。
そしてオリヴィアは、会場のテーブルに置いてあったデザートのケーキを手づかみで食べた。食べながら泣いた。空腹の辛さから解放された気持ちよさと、ケーキの美味しさに涙が出たのだった。
※本作品は、少し前に連載していた試作の完成版です。大まかな展開や設定は、ほぼ変わりません。加筆修正して、完成版として連載します。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
【完結】すり替えられた公爵令嬢
鈴蘭
恋愛
帝国から嫁いで来た正妻キャサリンと離縁したあと、キャサリンとの間に出来た娘を捨てて、元婚約者アマンダとの間に出来た娘を嫡子として第一王子の婚約者に差し出したオルターナ公爵。
しかし王家は帝国との繋がりを求め、キャサリンの血を引く娘を欲していた。
妹が入れ替わった事に気付いた兄のルーカスは、事実を親友でもある第一王子のアルフレッドに告げるが、幼い二人にはどうする事も出来ず時間だけが流れて行く。
本来なら庶子として育つ筈だったマルゲリーターは公爵と後妻に溺愛されており、自身の中に高貴な血が流れていると信じて疑いもしていない、我儘で自分勝手な公女として育っていた。
完璧だと思われていた娘の入れ替えは、捨てた娘が学園に入学して来た事で、綻びを見せて行く。
視点がコロコロかわるので、ナレーション形式にしてみました。
お話が長いので、主要な登場人物を紹介します。
ロイズ王国
エレイン・フルール男爵令嬢 15歳
ルーカス・オルターナ公爵令息 17歳
アルフレッド・ロイズ第一王子 17歳
マルゲリーター・オルターナ公爵令嬢 15歳
マルゲリーターの母 アマンダ・オルターナ
エレインたちの父親 シルベス・オルターナ
パトリシア・アンバタサー エレインのクラスメイト
アルフレッドの側近
カシュー・イーシヤ 18歳
ダニエル・ウイロー 16歳
マシュー・イーシヤ 15歳
帝国
エレインとルーカスの母 キャサリン帝国の侯爵令嬢(前皇帝の姪)
キャサリンの再婚相手 アンドレイ(キャサリンの従兄妹)
隣国ルタオー王国
バーバラ王女
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる