異世界転生したら貧乳にしかモテなかった

十一屋 翠

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第53話 バルネス貧乳

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 バルネスに親善大使としてやって来て一ヶ月。
 俺の目には明確な差が見えてきた。
 それは巨乳と貧乳達だ。
 俺の強さを求めてきたバルネスの少女達は、俺の側室になって子供を産みたいと言って来た。
 そこには【貧乳モテ】スキルでは好意を示してこない筈の巨乳もいたのだ。

「ライト様、私達と遊びましょう」

「ああ、良いよ!」

 俺は有頂天だった。
 だって異世界に転生して、本当の意味で巨乳にモテたのは今回が初めてだったからだ。
 だから俺は巨乳達と沢山楽しんだ。
 子供の体だからエロイ事はできなかったが、その柔らかさを楽しむ事はできるからだ。
 だがそれがいけなかったらしい。
 俺が巨乳達ばかり可愛がっていたから貧乳達に不満が溜まって来たのだ。
 その結果、貧乳達は巨乳から俺を奪う様に組織だって行動を開始した。
 巨乳達も抵抗したが、スキルの力もあわさって俺にメロメロな貧乳達とでは熱意が違った。
 結果、次第に巨乳達は俺へのアプローチを減らしていった。

「なんか最近巨乳達と遊べない」

 悲しいかな。コレが【貧乳モテ】の呪いよ。
 とはいえ、今回は俺も悪い。
 ほとぼりが冷めるまでは貧乳達を愛でるとしよう。

 ◆

「ライト様~」

 やって来たのはバルネス国第10王女アルベーラだ。

「お暇でしたら私と遊びましょう」

 アルベーラが俺の腕に抱きついてくる。
 当然アルベーラの慎ましいおっぱいが俺の腕に押し付けられた。
 バルネスの女は薄着が多い。それは戦い事を生業とする戦士が多いからなのかもしれない。
 だからアルベーラのおっぱいの感触が非常に生々しく伝わる。

「今日は美味しい果物が届いたんですよ」

 アルベーラは俺の腕に抱きついたまま俺を引っ張っていく。
 親善大使である俺ではあるが、子供である以上仕事などできるはずも無い。
 なので俺の仕事はもっぱら王女達の遊び相手になる事だった。
 厳密には王女達の、そして貴族の娘達の未来の種馬だ。
 トリアド側も俺の血がバルネスの王族に混ざる事で両国の関係を親密に出来ると判断し、ソレを容認した。恐らくはレミュ様達トリアド王女あたりが大反対をしただろうが、そこは大人の判断。国王陛下が強行したのだろう。
 そう言うわけで俺はリアレイラ達のご機嫌取りをする事になるのだった。
 とはいえ、ずっと遊んでいた訳ではない。
 騎士達の訓練に混ざったり、バルネスの学園に仮入学して学園生活を謳歌していた。
 具体的にはケモ耳貧乳ハーレムを設立していたのだ。
 本当なら冒険者としての仕事をしたかったのだが、仮にも親善大使としてやって来ているので、それは許されなかった。
 そのストレス解消の為にやったと言っても過言ではない。
 だってモフモフだったんじゃよー。
 やーらかい肌と耳や尻尾のモフモフに囲まれてたんだぜ、ちょっとぐらい我慢できなくなっても良いと思うんだ。
 そう言う訳で俺はバルネスで爛れた生活を送っていた。
 トリアドにいた時と変わってない? うん、まぁそうとも言う。
 そうして俺のモフモフ生活は過ぎていった。

 ◆

 バルネスにきて2ヶ月。
 そろそろトリアドに帰る頃だ。
 バルネスへきたのは期間限定。一定期間が過ぎたらトリアドに帰らねばならない。
 でないとトリアドに置いてきた貧乳達が暴れ出すからだ。
 そして今日はトリアドに帰る日。
 俺は目を覚まし、ベッドから降りると、鉄格子から出ようとした。
 ……鉄格子?
 寝ぼけた頭を振って意識を覚醒させる。
 さすがに鉄格子は無いわ。どんな夢見てるんだ俺。
 目を覚ました俺はもう一度前を見る。
 うん、鉄格子がある。
 コレは一体どういう事か?
 落ち着いて周囲を見る。
 窓が無い。
 それ以前にここは俺が今まで寝泊りしていた客棟の部屋じゃあない。

「一体何処なんだここは?」

「目が覚められましたか?」

 聞き覚えのある声に視線を向けると、そこには俺専属のメイドであるマリーがいた。

「マリーコレは一体どういう事だ?」

 俺が食いつかんばかりの勢いでマリーの肩を掴んで答えを求める。

「痛っ!」 

「す、すまん!」

 痛がるマリーから慌てて手を離す。

「ライト様、落ち着かれる為にも、まずはお茶をどうぞ」

 マリーがなれた手つきでお茶を入れてくれる。
 二ヶ月一緒に過ごしたからか、マリーは俺の好みの温度と濃さのお茶を入れてくれた。

「ああ、ありがとう」

 美味い。起き抜けに丁度良い温度だ。
 俺がお茶を飲んで落ち着いたのを確認したマリーは、何故俺達がこんな所に閉じ込められているのか説明を始めた。

「事はライト様がお帰りになられる前日に決まりました。ライト様のお子を求めるリアレイラ様を始めとする姫君方、そしてライト様の血を求める貴族のご息女達、そしてライト様のお力に感服された国王陛下を始めとする皆様方が、ライト様をトリアドに帰さずバルネスの民になって頂く事を決断いたしました」

「致しましたって……」

 それ国家がらみの誘拐じゃん。

「眠っていらっしゃるライト様に眠りの魔法を掛け、ここにお越し頂き、その間に大使の皆様にはお帰り願いました」

「いやいや、お帰り願いましたってそれ俺の事はどうなったんだよ!? 普通俺の事確認するだろ!?」

「ですので、ライト様は謎の失踪をした事になっていただきました」

 謎の失踪って……それ、居なくなった俺の捜索を依頼したカッツィ子爵達外交官を脅すかはぐらかして無理やり帰したって事だろ? けどトリアド……レミュ様達がそんなあやふやな理由で納得する訳がない。ヘタしたら全面戦争だぞ。

「リアレイラ達だけなら分かるけど、何でグロモント陛下達まで!?」

「それはライト様が伝説の闘技の使い手で、そして国王陛下に勝利したからです」

 マリーが俺にしなだれながら答えた。

「バルネスは強き者を尊びます。そのバルネスの王に勝ったライト様は次の国王に最もふさわしい人物なのです」

 バルネスの人間にだけ理解できる謎理論が展開されてゆく。

「で、でもバルネスは王と女王を交代してるんだろ? だったら今代は女王になる筈だ」

「ですので、ライト様には時代の女王の夫になって貰う事となりました。つまり国王です」

 おおーい! 国家がそんないい加減でいいのかよぉぉぉぉぉぉ!!

「マジ?」

「マジです。ライト様には婚儀の準備が完了するまでここで暮らしていただきます。それと、その首に巻かれた首輪は装着者の闘技を完全に封じるマジックアイテムです。ライト様がどれだけ頑張ろうとも専用の鍵を使わなければ闘気を発動する事はできません」

「な、何ぃぃぃぃぃ!!」

 試しに闘気を発動するべく力を込めてみる。
 だが穴の空いたコップに水を注ぐように闘気がすり抜けていく感触がするばかりで闘気を発する事が出来ない。

「ここからお出しする事はできませんが、私を始めとしたバルネスの女は好きにお求めになってくださってかまいません。ライト様のお子を授かる事はバルネスの女の幸せ。皆進んでライト様に体を差し出しましょう」

 マリーがうっとりとした表情で俺を見つめる。

 …………バルネスの女ヤベェェェェェェェ!!
 こうして俺は故郷に帰れず、鉄格子付きの部屋に閉じ込められる事となるのだった。
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