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【第7章】転生者たちの決着と、本当の愛
66 封印された悪意――再び届く第二の手紙
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薄曇りの朝。
私はいつものように学園へ向かおうと準備をしている最中、公爵家の執事が血相を変えてやって来た。
「お嬢様、こちらを……。また奇妙な手紙が届いております。差出人は不明で、内容も不気味でございます」
先日、学内の机に残されていた“転生者を警告する”手紙と同様なものだろうか。私は胸の奥がざわつくのを抑えつつ、渡された封筒を見つめる。宛名には大きく「セレナ・ルクレール様へ」と書かれ、その筆跡は明らかに普通の書状とは異なる――まるで焦りや歪んだ感情がにじみ出たような乱れ具合だ。
執事やメイドが部屋を出ていくのを見送ってから、私は意を決して封を切る。
中に入っていた紙には、前回と同じような“転生”と“ゲーム”の単語が踊っていた。
『――あなたが“ゲームを壊した”代償を払う時が近い。
悪役令嬢が王子を奪うなど、本来あってはならない結末。
リリィを退けても、まだ終わりではない。
この世界が“運命”に従うならば、いずれお前も修正されるだろう。』
ゾッとする嫌悪感が胸を突き刺す。まるで“この世界はゲームの通りに進むべき”と信じる誰かが、私を排除しようとしているかのようだ。
実際、リリィが退場してから、私は確かに“ゲーム崩壊ルート”を歩んでいるのかもしれない。私が悪役令嬢でありながら王子を射止めるなど、普通に考えれば“バグ”だと言われても仕方ない。
――だが、だからといって受け入れられるはずがない。私はもう“修正”になど屈しない。
「……こんなの、嫌がらせにすぎないわ」
呟きながらも、手紙が示す敵意は明白であり、背筋が寒くなるのを抑えられない。
(もしかして、リリィの派閥がまだ暗躍している? あるいは、本当に“もう一人の転生者”が私を妨害しようと……)
考えは堂々巡りになる。ともかく、私はこれをアレクシスに伝え、対策を相談しなくては。あまり大事にしたくはないが、後手に回るよりはいいだろう。
心に決めて、私は書状を丁寧に畳んで懐にしまい込む。学園に着いたら、まずアレクシスかノエルに見せるつもりだ。
――不穏な予感を抱きながら、私は馬車に乗り込んだ。これからまた、学園という日常の中で“転生者の影”と向き合うことになる。
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