俺の旅の連れは美人奴隷~俺だって異世界に来たのならハーレムを作ってみたい~

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二章「奴隷との初めての冒険」

何だか押し付けられました

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「そんなに嫌そうな顔をしなくてもいいだろう」
「ギルマスそうは言ってもですよ、俺、作戦の立案なんてできませんよ」
「できるできないというよりも我々の立てた作戦で翔太が見た魔物の大群は倒せそうかということを印象でもよいから教えて欲しいのだ。実際に見た翔太の考えは尊重に値するのだ」

 そんなことまで言われたら断ることなどできない。

「俺などでよければ協力します」
「それからな」
「まだなんかあるんですか⁉」

 クソ、俺は上層部の人間に言い様に使われるだけの人間に過ぎないのか。なんか悲しきかな組織社会。

「こちらは嫌がることでもない。翔太はこの街の冒険者の中ではトップクラスの実力の持ち主だ。それに異論をはさむものはいないだろう。そこで今回の戦いにおいての、詳細にはギルドから出す緊急クエスト招集に応じた冒険者のリーダー役をしてほしい。実績、そして今回のことを持ち込んだ者なら問題なく勤めあげられると私は思うがね」

 このギルマスは狸だ。確実に前世は狸に違いない。

「ほぼ、全ての依頼を一人でしかやっていないので他の冒険者との交流もないですがそれでも良ければ引き受けます」
「そうか引き受けてくれるか、それでは翔太は下で冒険者たちを鼓舞してきてはくれないか。すでに緊急クエストは出ているはずだ。私たちは今から作戦を立てていく。助言をもらうために使いが行くかもしれないから宿かギルドにはいてくれ。では行ってくれ」

 ギルマスは矢継ぎ早に指示を出して俺を部屋から出してしまった。部屋の外には俺を案内した職員がいた。

「翔太さん、下ではもう盛り上がっています。皆さんに向けて一言鼓舞をお願いします」
「無茶ぶりにもほどがあるぞ。ルナはどう思うか?」

 ルナは急に降られて驚いている。これの方が無茶振りと言えるかもしれない。安心するんだルナよ、俺も何をルナに聞いているのか分かっていない。この数日の疲労で頭が全く回っていないのかもしれない。

「えっと、ご主人様は強いので大丈夫だと思います。頑張ってください」

 まあ、そういう反応をするしかないよな。

「結構集まっているな」

 この時間帯であれば人が多いのは当然だが、それは食堂のほうであって依頼ボードのある方ではない。しかし今はそちらに集まっているのだ。それは明らかに依頼、それも魔物の大群討伐に関してのものでしかない。この人数、いやこれ以上の一応はリーダーを押し付けられているわけか。厄介な仕事をギルマスは押し付けてくれたな。報酬をはずんでくれないと許さないからな。

「おう、報告者のお出ましだ」

 誰かが俺のことに気が付いて前に行くように促す。そして職員に助けを求めるも、諦めて何かしゃべってこいと言われてしまった。

「お前ら聞け!」

 それで少しは静かになった。報告者であり、高ランク冒険者の俺がここで話している以上、どういう立場になるのかを薄々分かっているのだろう。

「今回の緊急以来の内容は森の奥にいた魔物の大群が街に向かっていることによるものだ。俺はそのことを報告したら、ギルマスに今回の作戦において、お前ら冒険者のまとめ役、リーダーをやれと言われた。どこまでできるかは分からん。だが、街を守りたいという気持ちは本当だし、報酬も弾むようだ。お前ら! 俺たちは街の英雄になって加えて荒稼ぎして冒険者の夢ってやつを見せてやるぞ!」

「「「おおおおおお!!!」」」

「やったるぞお前ら!」
「いいぞリーダー!」
「やってやろうぜリーダー!」

 何だか盛り上がっているし、俺を呼ぶときに必ずリーダーの言葉が入っているな。酒でも飲んでいるのかもしれない。とりあえず、俺も疲れているから早く休みたい。ギルドの職員には宿屋にいることを伝えて、使者はそこに送るように伝えてルナとともに宿屋に戻ることにした。

「凄かったです。ご主人様、あんな感じに喋ることも出来たんですね。かっこよかったですよ」
「お、そうか」

 お、俺、奴隷とはいえ、女の子にかっこいいって言われた。かっこいいんだって俺。

「なんだか分かりませんけど、そんな情けない顔をしないでください」
「かっこいいの直後に情けないと言われるとは急転直下だな……」

 情けない顔をし過ぎたのは事実だろうから仕方がないのか。でもルナにそれをいわれるのは少し落ち込んじゃうなあ。

「ご主人様、今日はゆっくりと休みましょう。私も疲れてしまいました。数日したら大きな戦いがあるんですよね。それまでしっかりと身体を休めましょう」
「そうだな。身体を休めることも大事だな。ご飯を食べて風呂に入ったらすぐに寝よう。多分、明日には呼び出されそうだからな」

 流石に今日に呼び出しがあるほど、簡単に立案ができる作戦でもないだろう。そもそもギルドも個人の戦力がどの程度なのかという詳細な情報でなく、ランクのような大まかな情報しか掴んでいない。とすれば、いくら冒険者に精通しているギルドマスターがかかわっていても作戦の立案が極めて頭を悩ませるようなものになることは想像に難くない。願わくば呼び出しが一回で済んで欲しいな。

「ご主人様って結構すごい冒険者だったりしますか? いえ、生態調査の依頼を受けることが出来る時点で強いことは説明されていたので分かるんですが、この街でどのくらいに強いのですか?」

 この街でか……

「上から数えたほうが速いのは確実だけど、なにせ色々あったし、俺の性格的にも誰かと組むことをしなかったから戦力を誰かと比較することができないんだ。でも間違いなく、相当強い部類だとは思う」

 ちょっと情けない。孤高とか言えるのかもしれないけど、でもそれは実態とはかけ離れていたりするからな。

「すごいですね。そんなご主人様がいるならきっと次の戦いも大丈夫です!」

 ルナは励ましてくれるがあの数だとどうなるかは分からない。

「そうだといいな」

 そう返すのが精いっぱいだった。
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