俺の旅の連れは美人奴隷~俺だって異世界に来たのならハーレムを作ってみたい~

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三章「奴隷と大規模戦闘」

奴隷にプレゼントをします

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「お前ら、作戦の概要が決まったぞ」
「やっとか、待ちくたびれたぜ」

 俺は冒険者たちに作戦の詳細を伝え、ギルドの職員と協力して誰をどの役割にするかを振り分けていった。

「この作業、結構疲れるな……」
「人数が多いですからね。ですが、皆さんよく従ってくれますね。さすが翔太さんです」

 この職員は褒めてくれるが、俺のことを持ち上げても何も出てこないぞ。それに、俺は連中が言う若大将というやつだから聞いてくれるのだろう。俺がすごいわけでもないだろうに。

「若大将、出発は明日の朝なんだろう?」
「そうだな。さっきも言った通り明日の朝一で森に近い平原まで移動して陣を張る予定だな」
「なら、俺たちもだが、若大将ももうこの辺にして休めよ。あとはギルドの職員がやってくれるだろう。貴重な一大戦力をこんな書類仕事で疲弊させるわけにはいかないからな」

 この俺のことを若大将と言ってくる人の好い冒険者の助言に従い、主要な冒険者の割り振りをしたところで全部、ギルド職員に投げて俺もしっかりと準備を整えることにした。

「ここまで手伝っていただきありがとうございます。冒険者の割り振りは私だけだと大変な作業になっていたと思うので感謝いたします」
「気にするな。これもリーダーにされた者の仕事だろう。それに連中からしたら俺は若大将らしいからな」

 職員が頭を下げて見送ってくれた。

「ルナは魔法メインだから後ろからか? それとも後方支援?」
「私はそもそもご主人様と一緒にいないと戦うこともできないので今回はご主人様の盾になろうと思います」
「俺の盾って……」

 考えなくともルナは初心者も初心者だ。本来、最前線でまともに戦えるほどの経験は確実にしていない。それでも行きたいというのは無茶が過ぎる。しかも、俺の盾になりたいというのは、死にたいと言っているようなものだ。

「私が側にいたら迷惑ですか?」

 ルナは俺の服を握って懇願しようとしている。正直、才能が申し分なかったとしても、圧倒的にまだ火力も足りないし、どうしたものか。この戦い自体に参加することは簡単には得ることの出来ない経験を得られるという意味で、有益だ。しかし、それも生き残ってこそだ。

「危険な状態になっても俺の転移魔法が使えない可能性だってある」
「そんなこと関係ありません。言ったじゃないですか。私はご主人様のことを信頼していると」

 これは何をどう言っても折れることはないだろう。では、俺の戦闘補助という形で戦ってもらおう。正直、襲い来る魔物の大群を相手にするには荷が重すぎるように感じるからな。

「分かった。俺のこと、しっかりと補助してくれよ」
「はい!」

 最大限、ルナのことを気にかけつつも、戦闘に全力を尽くす……か。明日は大変な一日になりそうだな。

「さ、ご主人様、今から何をしますか?」

 ルナはそう言って両手を大きく広げようとしたが、その手には枷がついているので広げることが出来ずにぐぬぬと悔しがっている。

「プッ……今日一日はそれをつけているように言ったもんな」
「くっ……今外してもらうのも嬉しいとは思いますけど、それだとなんか癪なので今日はこれで過ごします。それにもともと、私が暴走してしまったことへの罰なので……」
「ルナがそれでいいというなら外さないけど。それでこれからは、ポーションとか必要なものを買ってから普通に買い物でもしよう。昼間なら色々な露店もあるだろうしな」

 必要なものはきちんと手配しなくてはならない。剣の方は頻度してはかなり早いが、今回はことが事なので、万全を期す目的で昨日のうちに武器屋のおっさんに預けてある。受け取りは宿屋に戻る直前でもいいだろうが、それ以外の準備だって必須だ。野営もするのだ。物資があるに越したことはない。

「必要なものって、昨日までの依頼でもあまりポーションなどは使っていないのでまだたくさんあるのではないですか?」
「ああ、別にポーションだけが必要な物資というわけでもないしな。それ以外で消費しているのは結構あるから予備含めて準備しておくんだよ。それに何だか、今持っているのだけだとまったく足りない気もするんだ」
「それはなぜですか?」
「勘だな」

 そう、俺の勘だがこれで本当に足りなかったときに、笑えないので準備は怠らないようにするのだ。

「そうですか。それで、その調達が終わったら、どんなお店を回るんですか?」
「特には考えていなかったな。でも、露店もそれ以外の店も沢山あるはずだからいいなと思ったところに入ろう」

 ルナには何か買ってあげよう。巫女装束なので服に合うものというのは難しいかもしれないが、ルナという少女一人にならなら髪留めでもアクセサリーでも何だって似合うだろう。

「ルナは何か欲しいモノとかないのか?」
「欲しいもの、ですか。そうですね……貧しかったり、何もない村であったりで私が小さい頃はそういった何か欲しいモノという考えがなくてパッとは考え付かないです。でも私はご主人様の買ってくださるものならどのようなものだって嬉しいです」

 うーむ、ルナに欲しいものを聞いても良くわからんと来た。これは俺がきちんと選ぶしかないな。何か縁のある首飾りとかでも買ってみるか。それなら普段使いできるし、ルナを守ってくれそうだ。魔法がかかっているものは高くて難しいだろうけど、そうでなくてもルナに一番似合うものを買ってあげよう。

「そしたらさっさと、必要なものを集めて店回りをしようか」
「はい!」

 俺とルナはさっさと必要な商品を買い集めて目的の店が集まっているエリアに足を運んだ。

「ここにはあまり来ないけど、賑わってるな」

 街の中心地にあるようなエリアなので行こうと思えばすぐにでも行けるのだが、なんだか縁がなさ過ぎてくることは稀だ。

「あ、ご主人様、私あのお店見てみたいです」
「はいはい、仰せのままに」

 ルナが最初に入ったのはキラキラした小物が売っている店だ。こういうのには興味がないと思っていたから意外だ。なんだか見ているだけでも嬉しそうだ。そうだ、今度から小遣いをきちんと上げよう。そしたら自分で買いたいものを買えるだろう。俺に遠慮しなくてもいいお金があってもいいだろうしな。

「次はあそこがいいです!」

 ルナは走り回っている。転ばないか不安だが、それよりもその天真爛漫さに心が洗われる気分だ。

「お、これは……」
「お兄さんこれに興味があるのか」

 俺が凝視したのは首飾りだ。綺麗な紐でつながっており、メインの部分は金属であり花の彫刻がされている。そして中心には何かの色がついている石が埋め込まれている。こんな手が込んだものだなぜこのようなところに打っているのだろうか。品質もよさそうだし。

「ああ、これはすごいな。この値段で売っていていいものではないだろう」
「そう言ってくれるのは嬉しいね。これは見習いをやっている若い職人の作品なんだ。無名な上に修行中だからって名前も彫らず、しかも評価が知りたいって言って、街中で売っているんだからすごいよな」

 なるほど。高潔な職人なのだろうか。それともただのへそ曲がりか。でもこの首飾りは気に入った。

「これを一つもらおう」
「毎度あり。この花がついているものを買うってことは兄ちゃん、送る相手を大事にしてあげろよ」

 何を言っているんだ。

「もしかして知らねえのか。この花はな……」

 なんてこった。そういった意味があるのか。ついでに石にも相乗効果でさらに意味が付け加わるらしい。これはルナには言わないでおこう。恥ずかしくて言えるか。

「あ、ご主人様、こっちです!」

 ルナは飛び跳ねているくらいには嬉しそうだ。俺が首飾りを探している間に色々と見て回ったのだろう。

「ルナ、プレゼントだ。つけるからこっちへ」
「はい?」

 なぜ疑問形なんだと思いながらも、ルナに買った首飾りをつけてみた。煌びやかなわけではないけどよく似合っている。

「綺麗です」
「ルナに似合うものを探して買ったんだ」

 喜んでくれているのが目に見えて分かる。

「大事にします」

 ああ、こんな光景がずっと続いてくれればいいな。
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