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休日
先輩が起きるのは朝の8時。
健康的な起床時間だ。
朝食を食べて、訓練所の周りを走りにいく。
その後、公衆浴場に行って、本屋に寄って家に帰る。
家に帰ってからは本を読み、夕食は近所の老夫婦が営んでいる料理店で食べ、シャワーを浴びて寝る。
先輩が作る朝食には卵とトマトが毎回使われる。
パンには苺ジャムをたっぷりつける。
訓練所の周りは15周走って、気分が良いと訓練所で剣の練習をしようと言ってくる。
先輩は剣技も見事で、突き技が得意。
薔薇の香油が入っている湯船がお気に入りで、サウナは絶対に入る。
買う本は最近流行っている本、本を読み終わるのは早い。
夕食は日替わりのもの、お酒は赤ワイン。
日替わりがシチューだった時は、パスタを食べる。
日替わりのサラダを毎回、俺に食べさせる。
過ごしていくうちに、知っていった。
俺は休日は寝られるだけ寝ていたい派なので、先輩のルーティンに付き合うのは嫌だったが、先輩はお構いなしに起こしてくる。
「アラン、起きろ!どうせ寝てるだけなら、先輩に付き合え!」
眩しい朝日に負けない笑顔で言う。
そんな顔をされたら断れない。
配属されてから、1ヶ月、休日はほとんど寝ていたせいか暇人扱いをされて、ここ数ヶ月はずっと先輩と休日を過ごしている。
「家に帰らないのかい?せっかく、僕が戦いに勝ったのに」
「先輩はあの父親の元に帰りたいと思いますか。その上、嫌味しか言えない弟付きです」
「それは、僕も嫌だな。小言は君だけで充分」
「先輩は帰らないんですか」
「故郷は遠いからね。行くだけで休日が終わってしまうよ」
先輩の故郷は、首都から遠く離れた北の地域で冬はほとんど雪が降っているらしい。
だからか、先輩は暑さに弱かった。
長い髪を首に貼り付け、暑いとずっと文句を言い続ける。
髪を切れば良いと言いそうになったが、それを言うには先輩の過去を知りすぎていた。
「先輩、後ろ向いてください」
休日は面倒くさがって先輩は髪を纏めたがらない。
長すぎて結うのすら、腕が疲れるらしい。
いつからか、先輩の髪を俺が結うようになった。
先輩の桃色の髪は柔らかく、丁寧に手入れしていることが見るだけで分かる。
そんな大切な髪に触れていることに、優越感があった。
最初は結うだけだったのが、今では夜の手入れも俺がしている。
先輩は椅子かベッドに座っているだけだ。
時折、先輩は歌を歌うが、訛りが入っていて歌詞の意味は分からない。
鈴のように美しい歌声も俺だけが知っていれば良いと思った。
健康的な起床時間だ。
朝食を食べて、訓練所の周りを走りにいく。
その後、公衆浴場に行って、本屋に寄って家に帰る。
家に帰ってからは本を読み、夕食は近所の老夫婦が営んでいる料理店で食べ、シャワーを浴びて寝る。
先輩が作る朝食には卵とトマトが毎回使われる。
パンには苺ジャムをたっぷりつける。
訓練所の周りは15周走って、気分が良いと訓練所で剣の練習をしようと言ってくる。
先輩は剣技も見事で、突き技が得意。
薔薇の香油が入っている湯船がお気に入りで、サウナは絶対に入る。
買う本は最近流行っている本、本を読み終わるのは早い。
夕食は日替わりのもの、お酒は赤ワイン。
日替わりがシチューだった時は、パスタを食べる。
日替わりのサラダを毎回、俺に食べさせる。
過ごしていくうちに、知っていった。
俺は休日は寝られるだけ寝ていたい派なので、先輩のルーティンに付き合うのは嫌だったが、先輩はお構いなしに起こしてくる。
「アラン、起きろ!どうせ寝てるだけなら、先輩に付き合え!」
眩しい朝日に負けない笑顔で言う。
そんな顔をされたら断れない。
配属されてから、1ヶ月、休日はほとんど寝ていたせいか暇人扱いをされて、ここ数ヶ月はずっと先輩と休日を過ごしている。
「家に帰らないのかい?せっかく、僕が戦いに勝ったのに」
「先輩はあの父親の元に帰りたいと思いますか。その上、嫌味しか言えない弟付きです」
「それは、僕も嫌だな。小言は君だけで充分」
「先輩は帰らないんですか」
「故郷は遠いからね。行くだけで休日が終わってしまうよ」
先輩の故郷は、首都から遠く離れた北の地域で冬はほとんど雪が降っているらしい。
だからか、先輩は暑さに弱かった。
長い髪を首に貼り付け、暑いとずっと文句を言い続ける。
髪を切れば良いと言いそうになったが、それを言うには先輩の過去を知りすぎていた。
「先輩、後ろ向いてください」
休日は面倒くさがって先輩は髪を纏めたがらない。
長すぎて結うのすら、腕が疲れるらしい。
いつからか、先輩の髪を俺が結うようになった。
先輩の桃色の髪は柔らかく、丁寧に手入れしていることが見るだけで分かる。
そんな大切な髪に触れていることに、優越感があった。
最初は結うだけだったのが、今では夜の手入れも俺がしている。
先輩は椅子かベッドに座っているだけだ。
時折、先輩は歌を歌うが、訛りが入っていて歌詞の意味は分からない。
鈴のように美しい歌声も俺だけが知っていれば良いと思った。
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