愛させてよΩ様

ななな

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1章

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式を終えて、クラスに向かう。
やっぱり、アル様は非常に人気で令嬢たちの熱い視線を受けながら、代表挨拶を行った。
首席は基本的に生徒会に入ることが決まっていて代表挨拶の後にスカウトが来る。
だから、今はアル様とは別行動中だ。
王子の婚約者なのだから1番上のクラスに入らなきゃいけない。
入学前に行う試験の結果で決まるため、すごく勉強をした。
世間体もあるけど、アル様から僕は頭が良いと思われてるのもあって手紙できっと同じクラスだと言われたことが1番の原因だ。
僕はそんなに頭が良くない。
本は好きだけど読むのは庶民向けの本で難しいものなんて読みたくないし、計算も苦手だ。
国のためにとそこそこ勉強はしていたけど好きじゃない。
王族と同じ教育を受けている手前、勉強ができないというのを隠さなければいけない。
毎日、たくさん勉強をした。うんざりするくらいに。
アル様に番が出来たら、同じくらいの学力の人と番になって本を読んでのんびり過ごすんだ。
そこで領民のために働けば国のためにもなる。
ただこのクラスで学力が同じくらいの人はいそうにないだろうし、合同授業の時にでも偵察しておこう。
今は、同じクラスでお友達を作るのが最優先だ。
でも、いきなり声をかけるのは緊張するから友達のロイとルークを一旦探そう。
背が高いから、すぐ分かるはず。
「あ、リオ!じゃなくてリオン様!」
「ロイ!見つけられてよかった!...てか、リオ様って何...爵位は一緒でしょ」
「だって殿下の婚約者様ですから...」
「揶揄ってるでしょ!」
「ロイ、その辺にしときなよ。殿下に怒られちゃうよ」
「ルーク!おはよう!」
「おはよう。リオ、ルーク」
「ねー、聞いてよ!ロイが僕のことリオ様って呼ぶんだけど」
「あぁ、確かに。殿下の婚約者だもんね。じゃあ、リオ様か」
「もー!ルークまで!そんなこと言うなら僕だって案があるんだから」
「なに~?言ってみなよ」
「命令です。様を付けるのは禁止です」
「それならリオって呼ばなくちゃな」
「一本取られちゃったね」
久しぶりに会ったけど2人と話すのは本当に楽しい。
こういう会話が大好きだ。
「すごく楽しそうだね。私も混ぜてくれないかな?」
「アル様、もう終わったのですか」
びっくりした...。
全然気づかなかった。
「殿下、本日は...」
「堅苦しい挨拶は大丈夫だよ。クラスメイトなんだから気にしないでくれ」
...そうは言っても流石にみんな気にすると思うけど。
アル様のことだから、みんな結局遠慮することなど分かっているだろう。
普段なら絶対言わないのに。
アル様もお友達が欲しいのかな...。
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