愛させてよΩ様

ななな

文字の大きさ
6 / 23
1章

5

しおりを挟む
入学式なので授業はなく、学校のスケジュールなど諸々のことを先生が説明している。
席順は成績順で僕はアル様の後ろだ。
その後ろにルークとロイもいる。
隣の席の方はパーティーで何度か話したことがある。
確かオリヴァー・アシュリーという名前だった気がする。
アシュリー家の現当主は騎士団長の補佐をしていて、長男も騎士団に属していている。
一家相伝の剣術で侯爵家にまで登り詰めた剣豪一家だ。
せっかく隣になったのだから、仲良くなりたいと思うのだが爵位が僕の方が高いため絶対に話しかけてもらえないのだ。
その代わり、僕から話しかけたら絶対答えてもらえるけど...。
なんて話しかけたらいいのだろう。
まあ、初日だし普通に挨拶くらいはしても大丈夫だよね。
先生の話も終わりそうだし、帰る準備をしてる時に手短に挨拶だけしよう!
チャイムが鳴り皆な席を立って帰る準備をし出す。
「あの、オリヴァーくん。パーティーで何度か会ったよね。よろしくね」
「リオン様、よろしくお願いします。覚えていたのですね」
一瞬驚いたような顔をされたけど、普通に話してくれてよかった。
一安心。
「うん。仲良くしてくれると嬉しいな」
「こちらこそです」
「引き留めてごめんね、また明日」
「いえ、覚えていただいて光栄です。では」
大丈夫かな...。
もっと仲良くなれるといいんだけど。
「リオ、ぼーっとしてどうしたんだい?私と帰ってくれないの?」
「あ、いえ、少し考え事をしていて。帰りましょう」
アル様と一緒に王族専用出入り口まで向かい、馬車に乗った。
「リオは友達がたくさんいるね」
「そうですか?そんなにいる方じゃないと思うんですが...」
やっぱり、アル様もお友達が欲しいのかな。
「さっきも話してたでしょ?」
「さっきのは、隣になったので挨拶をしただけですよ。まだ、友達にすらなれてなくて」
「そっか」
お友達が欲しいけど作り方が分からないのかな...。
王子だし、お友達を作る機会なんてないだろう。
「話しかけてみたら、案外仲良くなれるものですね」
「...あまり、話しかけないで欲しいのだけど」
......え?
どういうことだ?
僕に話しかけないで欲しいってこと?
僕がアル様に話しかけたら友達が出来ないってこと?
確かに、婚約者の僕がずっとそばにいたら周りは話しかけにくいかもしれないけど...。
「ごめん、困らせたね。気にしないで」
「え、あ、はい」
何それ。
話しかけないでとか、流石に悲しいんですけど。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

愛しい番に愛されたいオメガなボクの奮闘記

天田れおぽん
BL
 ボク、アイリス・ロックハートは愛しい番であるオズワルドと出会った。  だけどオズワルドには初恋の人がいる。  でもボクは負けない。  ボクは愛しいオズワルドの唯一になるため、番のオメガであることに甘えることなく頑張るんだっ! ※「可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない」のオズワルド君の番の物語です。

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

【完結】出会いは悪夢、甘い蜜

琉海
BL
憧れを追って入学した学園にいたのは運命の番だった。 アルファがオメガをガブガブしてます。

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

劣等アルファは最強王子から逃げられない

BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。 ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。

【完結】初恋のアルファには番がいた—番までの距離—

水樹りと
BL
蛍は三度、運命を感じたことがある。 幼い日、高校、そして大学。 高校で再会した初恋の人は匂いのないアルファ――そのとき彼に番がいると知る。 運命に選ばれなかったオメガの俺は、それでも“自分で選ぶ恋”を始める。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

処理中です...