愛させてよΩ様

ななな

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1章

7

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アル様に手を引かれ、馬車に乗る。
「寝癖が付いちゃったね。ちょっと向こうを向いて」
「あ、はい」
アル様が僕を好き...?
「眠気はどう?」
「大分良くなりました」
「今日はあまり無理しないでね」
「はい...本当にアル様は僕が好きなんですか」
「...少し、ストレートに聞きすぎだと思うのだけど。流石に照れてしまうよ」
...え、好きなの!?
なんで!?
「リオの髪はさらさらしていて、すごく直しやすいね」
「......だめですよ!僕達、運命の番じゃないんですから!!!!」
アル様が僕を好きだなんて...運命でもないのに!
「なんで好きになっちゃったんですか!」
「そんなこと言われても.......」
「アル様、目を覚ましてください!僕はただの仮の婚約者ですよ!運命が現れるまでの仮です」
「私達は運命だよ」
「運命じゃないですよ!勘違いです!」
だって、運命なら僕も分かるはずだから。
でも、僕は運命を感じられなかった。
「リオがそういうなら、そうかもね」
「アル様の運命の番はちゃんと見つけてあげますから、僕で満足しないでください!」
「運命の番なんて要らないよ」
「要ります!この国の王になる方なのですよ。後継ぎは必須です。それに優秀な後継ぎのためには運命の番と番うべきです!」
アル様が僕で良くても、周りは運命の番を求めるだろうし。
でも、アル様は僕が運命の番だと発表してしまった。
これも解決しないといけない。
「リオ、一旦落ち着こう?」
「落ち着けるわけないでしょう!アル様が僕を好きだなんてだめ......」
最悪だ。
ちょっとでも希望があると勘違いしてしまう。
運命じゃない以上、振られるのが基本だ。
「そんな顔しないでよ。ほら、落ち着こう」
「だめです!気を確かに保ってください!いいですか?僕が運命の番を見つけてあげるので待っててください」
アル様をどうにか納得させないと。
そろそろ学校に着いてしまう。
「いいですか?アル様」
「...分かったよ」
よかった...分かってもらえたみたいだ。
「アル様、学校に着きましたね。今日もそれぞれの授業の説明だけですので頑張りましょう」
「切り替えが...。まあ、いいか。そうだね。リオは寝不足みたいだし、頑張りすぎないでね。辛かったら、誰かに頼って。私でもいいし、他の友達でもいいから、すぐに言うんだよ」
「分かりました」
眠気はさっき少し寝たので大分良くなったし、きっと大丈夫だろう。
今日の目標はオリヴァーと仲良くなれるように話しかけること。
後、眠気に負けて居眠りしないようにすることだ!







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