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2 強引な帰国
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* * * *
両親とのランチを済ませた萌音は、キャリーバッグを引きながらある場所に向かっていた。
萌音に渡仏を決意させてくれたあの人に会うため、久しぶりに母校の最寄駅に降り立った。大学までの道のりは懐かしい景色もありながら、初めて見るお店がオープンしていたり、あると思っていたお店がなくなっていたり、時間の流れを感じずにはいられなかった。
夏が終わりを告げようとする風が吹き抜けていく。歩き続けていた萌音は、突然足を止めた。
「あった……」
目に飛び込んできたのは、あの日と変わらないアンティークのショップとカフェの姿だった。懐かしさと安堵から、萌音は自然と笑顔になる。
キャリーバッグを引きながらお店のガラス戸を押す。店内もあの頃のまま、アンティークのシャンデリアが光に揺れ、落ち着いた雰囲気で萌音を迎えてくれた。
そこへ一人の若い男性店員が近寄ってくるのが見えたが、店長ではなかったため萌音はガックリと肩を落とす。
「いらっしゃいませ」
「あの……カウンター席でもいいですか?」
「はい、ではこちらへどうぞ」
店員の後についていき、キャリーバッグを壁際に置くとあの頃と同じ席に座る。あの時と同じ目線になると、店長との穏やかな時間がまるでつい先ほどの出来事であるかのように思い出され、萌音の心は懐かしさに包まれた。
カウンターの奥に男性の背中を見つけ、胸が高鳴る。しかし振り返った顔を見た途端、また現実に引き戻されてしまった。
「お決まりですか?」
そう言われて、つい癖で、
「アイスティーとスコーンをお願いします!」
て言ってしまう。
すると男性は目を見開き、萌音をじっと見つめると、満面の笑みを浮かべた。
「もしかして池上さんですか?」
「えっ……どうして……」
「覚えてないですか? 店長の横でよくコーヒーを淹れていた岡田です」
男性に言われて顔をじっと見つめると、過去の映像が脳裏に蘇ってくる。
「あぁ! 思い出しました! お名前までは知らなくて……」
「いえいえ、そうじゃなくても池上さんは店長一筋でいらっしゃいましたからね。あれ、でもフランスに行っていたんじゃ……」
「今朝日本に戻ったんです。あの……店長は今日は……」
その時、先ほど案内してくれた若い男性店員が萌音の前にアイスティーとスコーンを置いた。久しぶりに見る組み合わせに、萌音は目を細める。
両親とのランチを済ませた萌音は、キャリーバッグを引きながらある場所に向かっていた。
萌音に渡仏を決意させてくれたあの人に会うため、久しぶりに母校の最寄駅に降り立った。大学までの道のりは懐かしい景色もありながら、初めて見るお店がオープンしていたり、あると思っていたお店がなくなっていたり、時間の流れを感じずにはいられなかった。
夏が終わりを告げようとする風が吹き抜けていく。歩き続けていた萌音は、突然足を止めた。
「あった……」
目に飛び込んできたのは、あの日と変わらないアンティークのショップとカフェの姿だった。懐かしさと安堵から、萌音は自然と笑顔になる。
キャリーバッグを引きながらお店のガラス戸を押す。店内もあの頃のまま、アンティークのシャンデリアが光に揺れ、落ち着いた雰囲気で萌音を迎えてくれた。
そこへ一人の若い男性店員が近寄ってくるのが見えたが、店長ではなかったため萌音はガックリと肩を落とす。
「いらっしゃいませ」
「あの……カウンター席でもいいですか?」
「はい、ではこちらへどうぞ」
店員の後についていき、キャリーバッグを壁際に置くとあの頃と同じ席に座る。あの時と同じ目線になると、店長との穏やかな時間がまるでつい先ほどの出来事であるかのように思い出され、萌音の心は懐かしさに包まれた。
カウンターの奥に男性の背中を見つけ、胸が高鳴る。しかし振り返った顔を見た途端、また現実に引き戻されてしまった。
「お決まりですか?」
そう言われて、つい癖で、
「アイスティーとスコーンをお願いします!」
て言ってしまう。
すると男性は目を見開き、萌音をじっと見つめると、満面の笑みを浮かべた。
「もしかして池上さんですか?」
「えっ……どうして……」
「覚えてないですか? 店長の横でよくコーヒーを淹れていた岡田です」
男性に言われて顔をじっと見つめると、過去の映像が脳裏に蘇ってくる。
「あぁ! 思い出しました! お名前までは知らなくて……」
「いえいえ、そうじゃなくても池上さんは店長一筋でいらっしゃいましたからね。あれ、でもフランスに行っていたんじゃ……」
「今朝日本に戻ったんです。あの……店長は今日は……」
その時、先ほど案内してくれた若い男性店員が萌音の前にアイスティーとスコーンを置いた。久しぶりに見る組み合わせに、萌音は目を細める。
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