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11 マカロンの魔法
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指定された午後二時に式場に到着した萌音は、チャペルへの階段の下で待つ時田を見つけ、小走りに駆け寄る。
「お待たせしてすみません!」
「いえいえ、時間ぴったりですよ。こちらこそ今日はご足労いただきありがとうございます。ではこちらへどうぞ」
にこやかに笑う時田は、階段の右側の建物への扉を開け、萌音を中へと促す。入るとすぐに広いロビーが姿を現し、二階への階段が見えた。そこには見覚えがあり、階段を登った先に、前回中二階への階段があった廊下だと気付く。
「では上の方でお話ししましょうか」
そう言われ、二人は階段を昇り始めた。あの日は上から見下ろすようにこのロビーを眺めたけど、下から昇るとまた景色が違う。壁にかけられたアンティークなライトや、どこか趣のあるシャンデリアが萌音の心をくすぐった。
中二階まで上がり、すぐ手前の席に時田と向かい合って座る。
「池上さん、コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」
「では紅茶でお願いします」
萌音が伝えると、時田は上着の襟を引っ張ってインカムに話しかけると、再び萌音の方へ向き直る。
それから手に持っていたファイルから数枚の紙を取り出し、それを萌音に手渡した。
「上野様の今後の予定の詳細です。時間があまりないので、参考にしていただければと思いまして」
「ありがとうございます。ではこの前撮りと書かれている日までに納品出来れば良いんですね」
「はい、お願いします」
するとそこへ一人の男性が紅茶のカップとお菓子の載った皿を運んできた。お辞儀をしてからテーブルに並べていく男性を見た時、萌音はハッとした。
確かこの人、翔に誘われてここのレストランに来た時に案内してくれた人だ……。白いシャツに黒のカマーベストとズボン、短い髪が清潔感を感じさせる。
萌音の視線に気付いたのか、男性はニコリと笑った。
「先日はご来店いただき、ありがとうございました」
「あっ、こちらこそありがとうございました!」
「あら、元基さんとももうお知り合いなんですか?」
「えぇ、先日オーナーと二人でご来店されましたからね」
元基がそう言うと時田の目が輝き出し、それから萌音の顔を興味深そうに覗き込む。
「じゃあやっぱりあの噂は本当だったんですね?」
「う、噂というのは一体……」
時田の意味深な視線に戸惑いながら尋ねると、彼女は元基と顔を見合わせながらニヤッと笑った。
「お待たせしてすみません!」
「いえいえ、時間ぴったりですよ。こちらこそ今日はご足労いただきありがとうございます。ではこちらへどうぞ」
にこやかに笑う時田は、階段の右側の建物への扉を開け、萌音を中へと促す。入るとすぐに広いロビーが姿を現し、二階への階段が見えた。そこには見覚えがあり、階段を登った先に、前回中二階への階段があった廊下だと気付く。
「では上の方でお話ししましょうか」
そう言われ、二人は階段を昇り始めた。あの日は上から見下ろすようにこのロビーを眺めたけど、下から昇るとまた景色が違う。壁にかけられたアンティークなライトや、どこか趣のあるシャンデリアが萌音の心をくすぐった。
中二階まで上がり、すぐ手前の席に時田と向かい合って座る。
「池上さん、コーヒーと紅茶、どちらがいいですか?」
「では紅茶でお願いします」
萌音が伝えると、時田は上着の襟を引っ張ってインカムに話しかけると、再び萌音の方へ向き直る。
それから手に持っていたファイルから数枚の紙を取り出し、それを萌音に手渡した。
「上野様の今後の予定の詳細です。時間があまりないので、参考にしていただければと思いまして」
「ありがとうございます。ではこの前撮りと書かれている日までに納品出来れば良いんですね」
「はい、お願いします」
するとそこへ一人の男性が紅茶のカップとお菓子の載った皿を運んできた。お辞儀をしてからテーブルに並べていく男性を見た時、萌音はハッとした。
確かこの人、翔に誘われてここのレストランに来た時に案内してくれた人だ……。白いシャツに黒のカマーベストとズボン、短い髪が清潔感を感じさせる。
萌音の視線に気付いたのか、男性はニコリと笑った。
「先日はご来店いただき、ありがとうございました」
「あっ、こちらこそありがとうございました!」
「あら、元基さんとももうお知り合いなんですか?」
「えぇ、先日オーナーと二人でご来店されましたからね」
元基がそう言うと時田の目が輝き出し、それから萌音の顔を興味深そうに覗き込む。
「じゃあやっぱりあの噂は本当だったんですね?」
「う、噂というのは一体……」
時田の意味深な視線に戸惑いながら尋ねると、彼女は元基と顔を見合わせながらニヤッと笑った。
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