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第七話
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物語の終盤で聞く台詞を耳にした竜王の眉が跳ねる。
竜王にとって、勇者から告げられたその言葉の意味は死刑宣告に近い。
自分がここで死ぬのだと思うとそれが実に不愉快で、怒りを覚えた。
なぜ、死ななければならないのかと。
人間は魔物を恐れるが人間こそ恐れるべき存在なのではないか。
人とは違うの異形の生き物だからといって、それら全てを悪だと決めつけ、半獣半人間の女子供を躊躇いもなく殺戮していく人こそ、悪ではないか。
平和に暮らしていた我々に戦いを始めたのも彼らからだ。
人は竜王が世界を滅ぼそうとしている虚実を作り、竜王討伐遠征軍などという軍まで結成された。
この大陸から全ての魔物を排除するため正義の名の下、国境を越境し村々を焼き払った。
大陸中で、略奪と虐殺が繰り広げられている。
ムスタシア帝国の皇帝自らが戦陣に立ち、剣を振るとは流石……噂通りの女だ。
冷酷で、慈悲もない。人間の皮を被った悪魔。
「ニブラスめ……」
竜王はそう口ずさむ。
あの女、あの女こそが、戦いの元凶だった。
二ブラスはなんの根拠もなしに魔物は悪であり、正義は人にあると訴え、それに聖教会も彼女を後押しした。
聖教会の司祭は広場で登壇に立ち、演説を始める。
「―――――清らかな心と神を信仰していれば、彼らのような醜い姿にはならない。神に背き、神を冒涜し、神の怒りをかった者たちの成れの果てが魔物である!」
なんともめちゃくちゃな解釈だ。だが、神を信仰する人々は聖教会の言葉を疑うこともせず、信じたのである。
天災、飢饉、戦争…とここ数年、人の国では、災厄が続き、多くの人が死んだ。
散々な目にあった挙句、その怒りはどこへぶつければよいのか、悲しみは誰が癒してくれるのか。
とどめを刺したのは、昨年のムシタシア帝国の帝都に蔓延した疫病だろう。
絶望と恐怖、迫る死に人々は混乱し、皇帝の手腕を疑い始めた。
非難の目を彼女は逸らしたかったのだ。
権力を維持するために彼女は画策する。
聖教会の影響力を強めたのである。
神の代弁者、聖教会の司祭はこう口にする。
「我らが偉大なる神は嘆き悲しんでおられる。それは悪がこの世に蔓延っているからである! 迷える子羊たちよ、聞け! この災いをもたらしたのは魔女の仕業である! 魔女を火刑に! 魔女を捕らえよ! 災いの元を聖なる炎で断つのである!」
日が沈み、暗闇の中、松明が灯された。
無数の松明が夜闇紛れ、魔女の住む家々に集まり、扉を叩く。
眠そうな魔女を捕まえ、引きずり回し、そして、火炙りにした。
魔女の次は聖教会は兎耳、犬耳、猫耳、など、獣のような半人半獣の者を捕まえ、穢れた魂を持った者を同じく火にかけた。
彼らの言葉は同じだ。
なにが神だ、忌々しい。そう吐き捨て、竜王は眉間にしわを寄せる。
竜王は勇者によって倒されることになっている。これが神に作られたシナリオだ。
何度も繰り返される茶番劇、お決まりの締め括りには怒りよりも呆れてしまう。
「最後くらい、楽しませてもらおうか」
竜王は指を鳴らした。
突然、竜王の部屋の両隅から黒い煙が発生する。
(―――――小手調べだ。さぁどうする……)
期待するように竜王は玉座から見守ることにした。
勇者も両端から現れた黒い霧に気が付き、それに警戒するように剣を構えた。
黒い霧からぞろぞろと血塗れた生気のない兵が現れる。
どれも帝国軍の鎧を着た兵士だった。
しかし、どれも致命傷ともいえる傷を負っており、動くことが不思議なほどだ。
彼らは死人……それはゾンビと言われる魔物だった。
死んだ人間を生き返らせて、戦わせる……。
あぁーすこし違うか。動かすだけだ。
彼らには記憶はない。ただの動く屍に過ぎず、人を見つけたら襲う本能だけが残っている。
声も発することもできず、うなり声を上げるだけ。なんとも惨めな姿だ。
「あぁあ……」
ゾンビとなった兵士を目の当たりにした勇者は険しい顔をし、竜王を睨み付ける。
「貴様ッ!!!」
「どうした? そん怖い顔をして?」
勇者が怒りの声を上げ、剣を構えると真っ直ぐ竜王の方へと駆け出したのである。
これは意外な行動。
竜王は一瞬驚いたが、手の平を掲げ、防御魔法を唱える。
薄い光の壁が竜王の前にそびえ立つ。
勇者が剣を振り落とすと金属音と共に勇者は後方へと弾き飛ばされていった。
それには呆気に取られた。
何か違和感を覚える。
床に背中からたたきつけられた光景を見て、思わず竜王の声が漏れる。
「おっと」
(―――――あれは痛そう……)
背中を叩きつけられたことで、息ができなくなったのか、悶える。
しばらくして、勇者はよろめきながらも立ち上がった。
しかし、やはり何かが引っかかる。今の一撃は実に弱い。弱すぎる。
竜王は眉を顰め、勇者を見据えた。
勇者の力がどれ程なのか試す。
辺りをうろうろするゾンビに手で指示を出した。
ゾンビ兵がすぐさま勇者に群がっていく。
槍で突き刺そうとしたゾンビ兵を勇者は槍を掴み、剣で首を撥ねた。
だが、背後から来たゾンビ兵に対応できず、背中をバッサリと斬られる。
「ぐわぁ……ちくしょぉおおおおお―――――ッ!!!」
血が床に飛び散った。
勇者は振り返りざま、槍で背後にいたゾンビ兵を殴りつけ、目の前にいたゾンビ兵二人の攻撃を横に飛んで避けると持っていた短剣を投げつけた。
どれも頭に命中し、ゾンビ兵二人は倒れる。
「ふむ。まずまずといったところか」
勇者は剣を杖代わりに立ち上がる。
身体を震わせ、今にも倒れそうな姿に竜王は首を傾げる。
「でもなにか、違う……」
こんなやつに今、自分は倒されるのか?
竜王の視線先では必死に戦う勇者の姿が映る。
これが勇者の戦い? 本当なのか? 到底そうは思えないことに疑念してしまう。
竜王は困惑した。
自分の手で確かめるため、細剣を引き抜き、飛び上がると勇者の目の前に降り立つ。
勇者が焦るように剣を振り回した。
それを竜王は浮かぬ顔でどれも弾き返し、受け流す。
そして、感じていた違和感がようわくわかった。
「……お前、弱いだろ?」
「うるさい!!」
横一文字に剣を振ったが、それを後ろの飛んで避ける。
「……本当に勇者なのか?」
「黙れッ!!」
駆け込んで、振り下ろすも空気を切っただけ。
竜王は横に逃れていた。
「魔法も使えそうには見えんな」
「うるさいと言っているんだ!!」
剣を横から斜め上に斬り上げが、それを身体を傾けて避ける。
竜王の髪の毛数本が虚空に舞った。
勇者が追撃をかける。
剣を竜王の横腹に狙って、突き刺そうとした。
竜王は咄嗟に左手で勇者を殴り飛ばす。
吹き飛ばされた勇者は壁にめり込みぐったりとする。
思わず、目が点になった。
「あれ、死んだ……?」
勇者は膝に手を置き、立ち上がった。
それに竜王は少し感嘆する。
「ほぉ? 意外と丈夫なのだな」
「うるさい……」
「そこまでして戦う理由があるのか?」
「民を……民を守る為に……僕は……戦うんだ……」
真っ赤な血が床にポタポタと落ち、血溜りができる。
「それは、それは、ご立派なことだな。涙が出る」
嘘泣きをして、小ばかにした。暫く間を置いて、竜王は言葉を続けた。
「だが、お前が信じる民は戦争を望んでいるぞ?」
竜王にとって、勇者から告げられたその言葉の意味は死刑宣告に近い。
自分がここで死ぬのだと思うとそれが実に不愉快で、怒りを覚えた。
なぜ、死ななければならないのかと。
人間は魔物を恐れるが人間こそ恐れるべき存在なのではないか。
人とは違うの異形の生き物だからといって、それら全てを悪だと決めつけ、半獣半人間の女子供を躊躇いもなく殺戮していく人こそ、悪ではないか。
平和に暮らしていた我々に戦いを始めたのも彼らからだ。
人は竜王が世界を滅ぼそうとしている虚実を作り、竜王討伐遠征軍などという軍まで結成された。
この大陸から全ての魔物を排除するため正義の名の下、国境を越境し村々を焼き払った。
大陸中で、略奪と虐殺が繰り広げられている。
ムスタシア帝国の皇帝自らが戦陣に立ち、剣を振るとは流石……噂通りの女だ。
冷酷で、慈悲もない。人間の皮を被った悪魔。
「ニブラスめ……」
竜王はそう口ずさむ。
あの女、あの女こそが、戦いの元凶だった。
二ブラスはなんの根拠もなしに魔物は悪であり、正義は人にあると訴え、それに聖教会も彼女を後押しした。
聖教会の司祭は広場で登壇に立ち、演説を始める。
「―――――清らかな心と神を信仰していれば、彼らのような醜い姿にはならない。神に背き、神を冒涜し、神の怒りをかった者たちの成れの果てが魔物である!」
なんともめちゃくちゃな解釈だ。だが、神を信仰する人々は聖教会の言葉を疑うこともせず、信じたのである。
天災、飢饉、戦争…とここ数年、人の国では、災厄が続き、多くの人が死んだ。
散々な目にあった挙句、その怒りはどこへぶつければよいのか、悲しみは誰が癒してくれるのか。
とどめを刺したのは、昨年のムシタシア帝国の帝都に蔓延した疫病だろう。
絶望と恐怖、迫る死に人々は混乱し、皇帝の手腕を疑い始めた。
非難の目を彼女は逸らしたかったのだ。
権力を維持するために彼女は画策する。
聖教会の影響力を強めたのである。
神の代弁者、聖教会の司祭はこう口にする。
「我らが偉大なる神は嘆き悲しんでおられる。それは悪がこの世に蔓延っているからである! 迷える子羊たちよ、聞け! この災いをもたらしたのは魔女の仕業である! 魔女を火刑に! 魔女を捕らえよ! 災いの元を聖なる炎で断つのである!」
日が沈み、暗闇の中、松明が灯された。
無数の松明が夜闇紛れ、魔女の住む家々に集まり、扉を叩く。
眠そうな魔女を捕まえ、引きずり回し、そして、火炙りにした。
魔女の次は聖教会は兎耳、犬耳、猫耳、など、獣のような半人半獣の者を捕まえ、穢れた魂を持った者を同じく火にかけた。
彼らの言葉は同じだ。
なにが神だ、忌々しい。そう吐き捨て、竜王は眉間にしわを寄せる。
竜王は勇者によって倒されることになっている。これが神に作られたシナリオだ。
何度も繰り返される茶番劇、お決まりの締め括りには怒りよりも呆れてしまう。
「最後くらい、楽しませてもらおうか」
竜王は指を鳴らした。
突然、竜王の部屋の両隅から黒い煙が発生する。
(―――――小手調べだ。さぁどうする……)
期待するように竜王は玉座から見守ることにした。
勇者も両端から現れた黒い霧に気が付き、それに警戒するように剣を構えた。
黒い霧からぞろぞろと血塗れた生気のない兵が現れる。
どれも帝国軍の鎧を着た兵士だった。
しかし、どれも致命傷ともいえる傷を負っており、動くことが不思議なほどだ。
彼らは死人……それはゾンビと言われる魔物だった。
死んだ人間を生き返らせて、戦わせる……。
あぁーすこし違うか。動かすだけだ。
彼らには記憶はない。ただの動く屍に過ぎず、人を見つけたら襲う本能だけが残っている。
声も発することもできず、うなり声を上げるだけ。なんとも惨めな姿だ。
「あぁあ……」
ゾンビとなった兵士を目の当たりにした勇者は険しい顔をし、竜王を睨み付ける。
「貴様ッ!!!」
「どうした? そん怖い顔をして?」
勇者が怒りの声を上げ、剣を構えると真っ直ぐ竜王の方へと駆け出したのである。
これは意外な行動。
竜王は一瞬驚いたが、手の平を掲げ、防御魔法を唱える。
薄い光の壁が竜王の前にそびえ立つ。
勇者が剣を振り落とすと金属音と共に勇者は後方へと弾き飛ばされていった。
それには呆気に取られた。
何か違和感を覚える。
床に背中からたたきつけられた光景を見て、思わず竜王の声が漏れる。
「おっと」
(―――――あれは痛そう……)
背中を叩きつけられたことで、息ができなくなったのか、悶える。
しばらくして、勇者はよろめきながらも立ち上がった。
しかし、やはり何かが引っかかる。今の一撃は実に弱い。弱すぎる。
竜王は眉を顰め、勇者を見据えた。
勇者の力がどれ程なのか試す。
辺りをうろうろするゾンビに手で指示を出した。
ゾンビ兵がすぐさま勇者に群がっていく。
槍で突き刺そうとしたゾンビ兵を勇者は槍を掴み、剣で首を撥ねた。
だが、背後から来たゾンビ兵に対応できず、背中をバッサリと斬られる。
「ぐわぁ……ちくしょぉおおおおお―――――ッ!!!」
血が床に飛び散った。
勇者は振り返りざま、槍で背後にいたゾンビ兵を殴りつけ、目の前にいたゾンビ兵二人の攻撃を横に飛んで避けると持っていた短剣を投げつけた。
どれも頭に命中し、ゾンビ兵二人は倒れる。
「ふむ。まずまずといったところか」
勇者は剣を杖代わりに立ち上がる。
身体を震わせ、今にも倒れそうな姿に竜王は首を傾げる。
「でもなにか、違う……」
こんなやつに今、自分は倒されるのか?
竜王の視線先では必死に戦う勇者の姿が映る。
これが勇者の戦い? 本当なのか? 到底そうは思えないことに疑念してしまう。
竜王は困惑した。
自分の手で確かめるため、細剣を引き抜き、飛び上がると勇者の目の前に降り立つ。
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それを竜王は浮かぬ顔でどれも弾き返し、受け流す。
そして、感じていた違和感がようわくわかった。
「……お前、弱いだろ?」
「うるさい!!」
横一文字に剣を振ったが、それを後ろの飛んで避ける。
「……本当に勇者なのか?」
「黙れッ!!」
駆け込んで、振り下ろすも空気を切っただけ。
竜王は横に逃れていた。
「魔法も使えそうには見えんな」
「うるさいと言っているんだ!!」
剣を横から斜め上に斬り上げが、それを身体を傾けて避ける。
竜王の髪の毛数本が虚空に舞った。
勇者が追撃をかける。
剣を竜王の横腹に狙って、突き刺そうとした。
竜王は咄嗟に左手で勇者を殴り飛ばす。
吹き飛ばされた勇者は壁にめり込みぐったりとする。
思わず、目が点になった。
「あれ、死んだ……?」
勇者は膝に手を置き、立ち上がった。
それに竜王は少し感嘆する。
「ほぉ? 意外と丈夫なのだな」
「うるさい……」
「そこまでして戦う理由があるのか?」
「民を……民を守る為に……僕は……戦うんだ……」
真っ赤な血が床にポタポタと落ち、血溜りができる。
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