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母の裏切り
第一話
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―――――ゼルフ帝国は数年前まで小国でしかなかった。
小国は常に滅亡と背中合わせだ。
いつ滅んでもいい状況下の中、最悪なことにボルドムンド大陸は大戦乱の最中だった。
群雄割拠、我先に大陸の王にならん、と群雄たちは高々に声を上げ、戦いを挑んだ。
戦いが繰り広げる中、ゼルフ国は中立の立場を取ることしたできず、いつも他国と他国の争いに巻き込まれ、領内を敵国の軍隊で蹂躙されていた。
大陸の真ん中に位置しているゼルフ国は戦場として使われ、城塞の外にある村々は襲われ、物資を略奪されてゆき、混乱の中で国民は殺されていった。
普通なら領内を荒らしまわる敵兵を許すことなどできないだろう。
報復という手段に及んでも文句は言われない。
だが、ゼルフの国王はそれをただただ見ているだけでしかできない。
国力が違いすぎるのだ。
兵の数も圧倒的で、勝てる相手ではないことを知っている。
だから、見て見ぬふりをしているのだ。
ロクセリアはそんな父の姿をもどかしく思えた。
なぜ、戦わないのか? と。
「国が疲弊しているのです、民が嘆いているのです! あの者どもに報復をッ!」
幼い頃のロクセリアはそう叫んだ。
だが、他国と戦えばゼルフのような小国など、すぐに滅ぼされてしまう。
それをロクセリアはまだ理解できなかった。
やがて、時は経ち、ロクセリアの父の病死後、王位を継いだ若き獅子はすぐさま動いた。
兵を強く、もっと強く! 一人の兵士が十人の兵士を殺せるように強く! ロクセリアは戦争で国を滅ぼされた流浪の兵士や亡国の騎士らを雇い、教官として招き入れた。
軍事教練を数年の歳月をかけて行ったのだ。
ただの民兵が兵士になり兵士が精鋭になっていくのをロクセリアはその目で見届けた。
ゼルフの民は彼の行動を支持した。
肉親や家を何回も焼き払われた彼らには周辺諸国への憎しみしかなかったのだ。
そして、満を持して、ロクセリアは精鋭揃いの最強の軍隊を引き連れ、周辺諸国へ宣戦を布告。
怒涛の勢いで攻め滅ぼしていった。
ゼルフ軍の凄まじい勢いとその精強な兵士に他国の兵士らは適わなかった。
ロクセリアの戦略も優れ、装備の面でも、劣っていた他国軍はゼルフ軍を見るやいきなり降伏してしまうようなことが起きてしまっていた。
どこの国も戦争を数年に及んで続けたことにより、兵力不足が出始めていたのだ。
正規兵ではなく、傭兵が戦線を支えていたのだ。
国を愛し、報復心を抱いた兵士と金の為に動く傭兵とは士気の違いがありすぎる。
それがロクセリアの勝因の一つと言える。
数多くあったゼルフの近隣諸国は全て、帝国領となり、奴隷化されてしまう。
ロクセリアは大陸を掌握してもまだ残虐非道を尽くした。
ゼルフ国を蹂躙し続けた者たちを全て殺し、軍属の者は例外なく処刑する。
ギロチン台の刃が赤く染まるまで、動き続け、街道沿いには敵兵らの首を並べて置くなどのおぞましい光景を目にすることができた。
遂に復讐を完結させた彼は歓喜の声を上げる大衆の前で、ゼルフ帝国の成立を宣言した。
ボルドムンド大陸はゼルフ国によって、統一されのだ。彼の覇道は長く語り継がれ、帝国は四十年もの渡る大陸の支配してきた。
だが、ロクセリアの死後、再び、ゼルフに暗い影が迫ってきた。
最初に起きたのはボルドムンド大陸北部の小国の反乱だった。それを皮切りにゼルフ帝国の管理が及ばない場所から大規模な反乱が起きた。
その中で一番、国力があるガリアン国が連合軍を結成し打倒ゼルフ帝国と反逆の狼煙を上げ、本格的な戦争へと望んだのである。
ゼルフ帝国もまたこれまで築き上げてきた強大な力を持って、それに対抗する構えを見せた。
帝国の圧倒的な力の差に防戦一方となってしまったガリアン連合王国軍は苦戦を強いられる。
同じく、ゼルフ帝国でも今では大国とは言え、元は他国の集まり。
兵士の士気の問題や内部からの反乱に遭い、帝国兵の死亡数が増え始めていた。
だが、早い段階から長期戦を予想していた帝国の大臣らは兵力不足を補う為のホムンクルス計画を立案する。
ホムンクルス計画―――――人によって人を造り、高い能力の有する兵士を育て上げる。成長も早め、一年で十代になるようにして、兵力不足を改善させる計画である。
神のみ許される行いであり、人を造るなど、禁忌であると、聖教会には大反対を受けたがホムンクルスの利点は大いにあると考えたロクセリアの子であるアセリ皇帝はホムンクルス計画を承認する。
研究を始める上で、魔術師の一人アンナ・ラヘラスがその研究を一任されることになった。
彼女は最高位の魔術師であり、彼女が追い求めていた研究でもあった。
帝国の支援を得て、さらに研究を進めることができたアンナは遂に研究の最終段階まで進めることができたのであった。
小国は常に滅亡と背中合わせだ。
いつ滅んでもいい状況下の中、最悪なことにボルドムンド大陸は大戦乱の最中だった。
群雄割拠、我先に大陸の王にならん、と群雄たちは高々に声を上げ、戦いを挑んだ。
戦いが繰り広げる中、ゼルフ国は中立の立場を取ることしたできず、いつも他国と他国の争いに巻き込まれ、領内を敵国の軍隊で蹂躙されていた。
大陸の真ん中に位置しているゼルフ国は戦場として使われ、城塞の外にある村々は襲われ、物資を略奪されてゆき、混乱の中で国民は殺されていった。
普通なら領内を荒らしまわる敵兵を許すことなどできないだろう。
報復という手段に及んでも文句は言われない。
だが、ゼルフの国王はそれをただただ見ているだけでしかできない。
国力が違いすぎるのだ。
兵の数も圧倒的で、勝てる相手ではないことを知っている。
だから、見て見ぬふりをしているのだ。
ロクセリアはそんな父の姿をもどかしく思えた。
なぜ、戦わないのか? と。
「国が疲弊しているのです、民が嘆いているのです! あの者どもに報復をッ!」
幼い頃のロクセリアはそう叫んだ。
だが、他国と戦えばゼルフのような小国など、すぐに滅ぼされてしまう。
それをロクセリアはまだ理解できなかった。
やがて、時は経ち、ロクセリアの父の病死後、王位を継いだ若き獅子はすぐさま動いた。
兵を強く、もっと強く! 一人の兵士が十人の兵士を殺せるように強く! ロクセリアは戦争で国を滅ぼされた流浪の兵士や亡国の騎士らを雇い、教官として招き入れた。
軍事教練を数年の歳月をかけて行ったのだ。
ただの民兵が兵士になり兵士が精鋭になっていくのをロクセリアはその目で見届けた。
ゼルフの民は彼の行動を支持した。
肉親や家を何回も焼き払われた彼らには周辺諸国への憎しみしかなかったのだ。
そして、満を持して、ロクセリアは精鋭揃いの最強の軍隊を引き連れ、周辺諸国へ宣戦を布告。
怒涛の勢いで攻め滅ぼしていった。
ゼルフ軍の凄まじい勢いとその精強な兵士に他国の兵士らは適わなかった。
ロクセリアの戦略も優れ、装備の面でも、劣っていた他国軍はゼルフ軍を見るやいきなり降伏してしまうようなことが起きてしまっていた。
どこの国も戦争を数年に及んで続けたことにより、兵力不足が出始めていたのだ。
正規兵ではなく、傭兵が戦線を支えていたのだ。
国を愛し、報復心を抱いた兵士と金の為に動く傭兵とは士気の違いがありすぎる。
それがロクセリアの勝因の一つと言える。
数多くあったゼルフの近隣諸国は全て、帝国領となり、奴隷化されてしまう。
ロクセリアは大陸を掌握してもまだ残虐非道を尽くした。
ゼルフ国を蹂躙し続けた者たちを全て殺し、軍属の者は例外なく処刑する。
ギロチン台の刃が赤く染まるまで、動き続け、街道沿いには敵兵らの首を並べて置くなどのおぞましい光景を目にすることができた。
遂に復讐を完結させた彼は歓喜の声を上げる大衆の前で、ゼルフ帝国の成立を宣言した。
ボルドムンド大陸はゼルフ国によって、統一されのだ。彼の覇道は長く語り継がれ、帝国は四十年もの渡る大陸の支配してきた。
だが、ロクセリアの死後、再び、ゼルフに暗い影が迫ってきた。
最初に起きたのはボルドムンド大陸北部の小国の反乱だった。それを皮切りにゼルフ帝国の管理が及ばない場所から大規模な反乱が起きた。
その中で一番、国力があるガリアン国が連合軍を結成し打倒ゼルフ帝国と反逆の狼煙を上げ、本格的な戦争へと望んだのである。
ゼルフ帝国もまたこれまで築き上げてきた強大な力を持って、それに対抗する構えを見せた。
帝国の圧倒的な力の差に防戦一方となってしまったガリアン連合王国軍は苦戦を強いられる。
同じく、ゼルフ帝国でも今では大国とは言え、元は他国の集まり。
兵士の士気の問題や内部からの反乱に遭い、帝国兵の死亡数が増え始めていた。
だが、早い段階から長期戦を予想していた帝国の大臣らは兵力不足を補う為のホムンクルス計画を立案する。
ホムンクルス計画―――――人によって人を造り、高い能力の有する兵士を育て上げる。成長も早め、一年で十代になるようにして、兵力不足を改善させる計画である。
神のみ許される行いであり、人を造るなど、禁忌であると、聖教会には大反対を受けたがホムンクルスの利点は大いにあると考えたロクセリアの子であるアセリ皇帝はホムンクルス計画を承認する。
研究を始める上で、魔術師の一人アンナ・ラヘラスがその研究を一任されることになった。
彼女は最高位の魔術師であり、彼女が追い求めていた研究でもあった。
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