実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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そして出会う俺とお前

やっと見つけた宝物3(公爵視点)





 とても充実した日だった。話し合いの結果、アルディウスは保護者達と共にアーダングラウドの家に帰りはするものの冒険者としては活動を続けるようだ。なるべく自由に過ごしてもらう為にフィリスティウスが決めたことだった。

 そうなると通いやすくなるな…アーダングラウド公爵の領と私が治めている領は遠くない。エリンティウスが通えるくらいにはな。

 なんと嬉しいことか!私は歓喜に震えていた。噂に聞いた通い妻というやつが出来るではないか。料理の腕を上げておかなければ…。

 大森林ギルドのギルドマスターに報告をしに会議室を出た後も、無防備なアルディウスについ手を出してしまったが、初めて手を繋ぐことができた。今まで極端に触れることの無かったアルディウスの腕は、成長し雄々しく筋か浮き出ていてる。指が長く太いのは立派なモノの証…想像してしまい腹の中がぐずりと火がついたように熱くなる。

 アルディウスの腰に手を回せば嫌がるので、手を繋ぐことにした。思った以上に筋肉質な腕の感触を楽しみながら彼の肩に頬を擦り寄せると、諦めたようにため息をつかれてしまった。

 しかし、私は興奮を抑えられない。密着したアルディウスからは甘い香りと一緒に懐かしい花の匂いがした。初めてアルディウスと出会った時に、庭に咲き乱れていた赤い薔薇…記憶に焼き付く幼いアルディウス。

 うっとりしてしまう香り。私はその時にはもう完全に虜になってしまっていた。何があろうと絶対に手放したりはしない。一生をかけて償い、愛すと神に誓うのであった。




 「ああっ…今日も興奮して眠れそうにないな。疼いて仕方ない…どうしよう、はしたないと呆れられてしまう…でも、抑えられない…!」



 結局、その日の夜も自分の欲を抑えきれずに寝不足になってしまった。仕方ないよな、男とはそういう生き物だ。

 それからは毎日のようにアルディウスに会うためにアーダングラウドの家に向かう。はじめのうちはフィリスティウスとエリンティウスの邪魔が入ったが、数カ月すればそれも落ち着いて、私はアルディウスと共にお茶をするまでになった。

 ……少し恥ずかしいこともしてしまつたが、あれはあれで実りのある出来事になった。アルディウスは優しいから、こんな私の事も慰めてくれる。あんなに酷いことをした私を。

 アルディウスの為に用意した南の地方で取れる茶葉をせっせと用意して、王都でも有名なパティスリーから期間限定のケーキを並べる。今は、彼に幸せを感じてほしい。 



 「なぁ、ロンバウトはなんで俺にそんな拘るんだ?」
 「愚問だよアルディウス?拘ってるんじゃない、愛しているんだ。君をね。」
 「それは罪悪感からくる責任感じゃないの?」
 「絶対に違うよ。初めて会ったあのパーティの日から、私の中には君が居続けた。私だけを見てほしいという欲望をぶつけるほどには。」
 「……お前やっぱ気持ち悪いな。」



 そう言ってアルディウスは紅茶を飲むが、その、表情はとても柔らかいもので過去に見た強烈な軽蔑の視線は混じっていなかった。

 微かに含み笑いをしながら口元を緩め、クッキーを美味しそうに食べる姿が、初めて会ったあのパーティの光景を思い出させた。

 あぁ、やっぱりアルディウスは可愛い。早く、私を君のものにしてくれないかな…。



 

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